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紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

珍紋(5)マサカリ

2006年05月06日 17時37分21秒 | 珍しい紋
端午の節句は過ぎましたが、それにふさわしい紋の注文が来ました。
鉞・まさかりの紋です。紋帖には五種類くらい掲載されていますが、↓の紋は載っていません。
先日、「亀甲に鉞に二階菱」紋を取り上げましたが、それに続いての『鉞』の紋です。
     

この仕事を長くしていると、同じ様な紋が続いて来る事がよくあります。
      「珍しい家紋」はこちら


亀甲紋の中

2006年04月18日 21時56分02秒 | 珍しい紋
         
↑のような紋を祝着に入れました。強いて云えば「亀甲に鉞に二階菱」と呼べばいいでしょうか。
「亀甲紋」の中には鷹の羽・三つ星・三つ鱗・下がり藤等どんな紋でも入り、バリエーションが益々増えます。↓
       

↑これらは一般的な紋ですが、変わった紋も入り、「鉞に二階菱」様の紋は初めてです。
まだまだ変わった紋が入っています。↓(これらの紋は『刷込み紋』用の版下です)
              <珍しい家紋>


珍紋ー4「二本竹笹」

2006年04月16日 10時35分55秒 | 珍しい紋

名付ければ「二本竹笹に笠」となりますが、この紋名では紋屋さんは紋を描く事は出来ません。紋帖に掲載されてませんので、基本となる紋の形が分からないからです。

紋帖には「「二本竹に笹」↓と云う紋が載ってますが、あまり書いた事はありません。又同じ仲間に「鳥居家笹」↓「二本切竹笹に雀」「勝田切竹笹」という紋が紋帖にありますが、上の紋とは全然違った形をしています。
  

この地方には「二本竹笹」というと↓の様な形の紋が多いです。「澤田」「沢田」の姓に多い紋ですが、これもその家々によって少しづつ形が変わっています。


HPに「珍しい家紋」と「街角の家紋」を新設しました。追々増やしていこうとおもっています。

珍紋ー3「矢」

2006年03月18日 18時03分30秒 | 珍しい紋
この様な紋↓ を祝着に入れました。笠に矢を立て掛けたか突き刺したか分かりませんが、今までこの様な紋を描いた事はありません。(と最初は思いました)
なかなか勇ましい紋です。兜だったらもっと凄みがあったでしょう。(笠ですから雑兵かもしれませんー失礼)とにかく戦国の世に戦場に出かけた子孫かもしれません。


思い起こして過去の紋を調べてみると、↓の紋も、以前描いてました。これは矢が柏の葉に突き刺さっています。


↑の紋は男の子の祝着に紋入れしましたので、男の子らしく勇ましい紋ですが、この様な紋が女性の着物にも入れられた事がありました。紋の版下から捜して取り出してみました。

女の人の紋としては見た目チョットキツイですね。今時の女性には合ってるかも知れませんが・・・・・汗
でも、その家の家紋ですからいいと思います。その家の定紋がそのまま女の人の紋になる事がおおいですから。入れてみるとなかなかいいもんですよ。

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珍紋(2)岐阜根笹

2006年03月04日 18時55分27秒 | 珍しい紋

これは墓石に刻まれた家紋ですが、祝着の紋見本としてきました。
少し格好が悪いですが「岐阜根笹」と云ってこの岐阜に特有な笹の紋です。
一般的な「根笹」(前ページ参照)「変り根笹」「雪持ち根笹」の様に葉っぱが5枚、足が3本の形は同じですが、葉から突出た真ん中の枝の形が特異な形をしています。
どの紋帖にも掲載はされていません。

でも、全体のバランスが悪い。
普通上絵で描くと下の図のようになります。併せて見本として持ってきた喪服の紋の形もこの様でしたが、依頼者(消費者)は墓石の紋の方で入れてくれ、と云う事でやむなくバランスの悪い方で版下を作り(下図2)紋を入れました。

 図2

墓石屋さんも紋帖に載ってないので、仕方なくこの様な紋を作ったと思いますが、紋の形は上絵師に任せて欲しいと思う次第です。

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珍しき紋(1)ほら貝の紋

2006年02月22日 22時21分15秒 | 珍しい紋

先日この様な家紋を祝着に入れました。
「ほら貝」の紋の一種で、見本付きで来ました。

「ほら貝」の紋は紋帖にも一つ位しか掲載されてなく、私自身もそんなに紋入れをした事はありません。家紋の本にも詳細の解説はなく、出自も不明、と云う事です。

余談ですが、数少ない「ほら貝」の紋ですが、大抵は口(吹く口)は右側にあるのが一般的で、お客さんにもその旨問い合わせたんですが、お客さん自身も『はっきり分からないけど留袖にこんな風に付いていた』と云う事で、「口」は左上になる様に紋を創りました。

想像するに、ほら貝を使った人、古来山伏、海賊、漁師等の職業の人が家紋として使ったと思われます。
この注文された人は岐阜の「笠松」と言う町に在住で、その地区は昔木曽川に面した川の湊があった地域です。川の漁師もほら貝を使っていたんだな~その末裔かな~と想像する次第です。この地域にこの様な紋が多くあるかどうかは、後日調べて報告します。

これから「珍しい紋」に出会った時は、このカテゴリーで紹介する様にします。

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