紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

「家紋G」たより(15)『り』

2006年10月31日 19時32分07秒 | 
           

「笹りんどう」といえば源氏ー義経・・・・・・とキラメクでしょうか?
「竜胆」の項を編集してる時、そういや月光仮面の(古いね~)ヘルメットには「笹竜胆」の紋がついていたっけ、と思い起しましたが、「月」でしたね(汗)
五月の節句の兜には、一時「笹竜胆」の紋がよくついてたと思います。

       竜胆・輪寶・輪鼓・・・はこちら


最近、「功名が辻」ではなかなかいい紋様が撮影できません。お休み続きで焦ってます。
一度は、楽をしようと思って、少し離れて寝ながら望遠で撮って失敗しました。
       
いよいよ関が原の合戦、いろんな紋の旗指物が登場する事になるでしょう。
楽しみです。
「毛利三つ星」と「細川九曜らしき紋」


「珍紋」(11)三つ千鳥

2006年10月28日 19時08分34秒 | 珍しい紋
先日「家紋プレート」の注文で「陰三つ千鳥」の紋が入りました。
ついこの前に「家紋ギャラリー」で『ち』の項をアップしましたが、「千鳥」紋は今まで(少なくとも私は)描いていません。したがってその項では「千鳥」紋は抜けています。「浪に千鳥」紋はよくありますが・・・・・
紋帖にもあまり掲載されておらず、「三つ千鳥」紋は陰しか掲載されていません。
            ↓
    

注文者といろいろやり取りしている中に、『比翼紋』の様に「陰陽の三つ千鳥」紋を入れるように、という事になり、新たに陽=日向の「三つ千鳥」紋を作り、プレートに金で刷込みました。
            ↓
    

白い点は位置合わせの為の印です。
何ともかわいい千鳥が出来ました。

「比翼紋」は江戸時代の元禄の頃、男女の仲を洒落て、お互いの紋を組合わせて創った紋と云われています。

珍紋(10)亀卦川家の紋

2006年10月26日 18時18分59秒 | 珍しい紋
先日拙HPの「質問」コーナーに家紋についての問合わせがありました。
霊園で珍しい紋があって、何の紋でしょうか、という質問でした。
      

拡大しても『%』の紋様としか見えません。顔を斜めにしたような感じにも見受けられますが・・・・・・・
亀卦川家の紋だそうですが、私は今だかつて描いた事も見た事もありません。
ご当人はインターネットでも調べられたのですが、紋名は不明です。

どなたか、このような紋を見られた方はいらっしゃらないでしょうか?
情報を求めます!!!!!!!


「珍しき紋」(9)

2006年10月07日 18時02分02秒 | 珍しい紋
前に「家紋ギャラリー」で丁子紋を紹介しましたが、その中で珍紋があったので、改めて紹介します。

     ⇒ 
名付けて「丸に丁子(風)片喰」と呼びましょうか。丁子紋が「陰の片喰」紋のような形をとっています。「丁子」紋が無理して自ら曲げて「片喰」風に変えていて面白いです。
以前書いたような「似せの紋」の種類だと思います。
紋帖には掲載されていません。

     




「家紋G」たより(14)『ち』

2006年10月05日 18時40分18秒 | 
     
この上の紋を見て、<大根>と間違える人が、少なからずいます。
<質問コーナー>にも混同されて尋ねられた方がいます。
この紋は、見本紋「三本並び丁子」紋です。
大根の紋「違い大根」は↓
    
他のシンプル化された紋に比べて、珍しく具体的な紋です。一目瞭然です。

「丁子」は香料の名前です。 詳しくはこちら
         
写真が小さくて分かりづらいですが、上の部分を除くと大根の形はしているようです。

『ち』の項の<丁子><茶の実><千切>紋をアップしました。

最近少々忙しくなり、なかなか更新が遅れています(泣)

「珍しき紋」(9)-家紋額

2006年10月02日 18時05分21秒 | 珍しい紋
昨日の「功名が辻」には目新しい紋は無かったからお休み。見落としもあるかも(汗)

家紋額の注文がありましたが、見本付きの「五瓜に古木梅」の紋。
「五瓜」はいいんですが、「古木梅」は色々形が違う紋が多いです。
紋帖には一種類掲載されているだけで、紋帖通りの紋を付けることは余りありません。
        
  <平安紋監>の古木梅         <標準紋帖>の古木梅
良く見ると、一方を90度回転させただけで、同じ紋です。
こうして紹介してアップして、初めて知りました(汗)
紋帖もいい加減な所があって気をつけなければなりません。
「古木梅」(こちら参照ー梅)紋は紋帖通りの紋は殆ど無く、見本付きできます。

「五瓜に古木梅」紋はほんのたまにある紋で、版下というか刷込んだ紋は二種類ありました。両方とも見本付きで来ました。上絵の紋です。
        
で、当の「五瓜に古木梅」の見本は、<鏡掛け>に付いてる紋と黒留袖に入っている紋と二つ来ましたが、同じ紋でも双方違っていました。
<鏡掛け>の紋は、上絵師が描いた紋でなく、大きな紋でしたが略して描いている様でした(デジカメに撮っておけばよかった)
<黒留袖>の紋の方がしっかりしていたので、その紋をベースに作りました。
    
金潜紙の色紙に、黒インクで刷込んだ紋です。

完成させて納めたのですが、注文者の呉服屋さんが先方のお客さんに納品したら、当家のお父さんが<チョット私のイメージと違う、花の形とか・・・>とおっしゃって、クレームがつきました。
こちらは上絵師の描いた留袖の紋を見本にして額を作りましたので、これ以上描きようがありませんし、落ち度も無いはずです。
間に入っている呉服屋さんも困ってしまって、結局<大じいさんの紋付の着物を捜す>という事で、納品延期です。

今は紋付の着物を買うと、その家の家紋を別紙に描いてくれるサービスをしている呉服屋さんもありますが、変った紋を家紋としている方は、しっかりとした{紋}を、額とか何かに保存されておく事をお勧めします。(お節介な事かもしれませんが・・・・・)

お口直しに、五瓜に蟹さんの紋です。