紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

雨の花火

2004年07月31日 20時53分31秒 | 日々
台風の影響からか小雨の中、長良川花火大会が開かれました。
自宅のベランダから撮ったのですが、なかなかいいシャッターチャンスがきません。難しいですねーこれでご勘弁を!

雨の中、見物客は勿論、大会関係者、出店は大変だったでしょう。
花火となると、犬のチコはフンフン鳴くし、トラは恐がって階段下の物置に隠れジーッと時を待ちます。プリンだけが何故か悠然としてます。

紋型と道具

2004年07月30日 18時39分40秒 | 
昨日エリ字の型を紹介しましたが、この素材はフィルムです。
もう20数年前から、紋型はじめ型はフィルムで創っています。それ以前は写真の様に渋紙(柿渋紙)で創っていました。

昔は型を作るのにこの渋紙しかなく、微細な部分を切り抜くには最適なんですが、何度か使用するうちに細かい繋ぎの部分が破れてきます。
又生地の上にのせて、固定させるのに蜜蝋を使うんですが、剥がれ易いし、最近の防水の効いた生地には殆んど接着しません。

で、フィルムの登場です。細かい所の微妙なカッティングは出来ませんが、ある程度耐久性はあり、スプレー糊で簡単に接着できます。
型の比較などは又後ほどアップします。

下の小刀は、型紙をカットする道具です。
上は今使っている、皆さんご存知のデザインナイフです。
下のはそれ以前使っていた小刀(先代から使ってる)で、時計のぜんまいに使ってる鋼です。これを砥石で削って鋭利にして使います。
でもデザインナイフが登場してからは、型を置いたりする時しか出番はなくなりました。

家紋の広場

紋と消しゴム・・・・

2004年07月28日 20時44分32秒 | 
紋と消しゴムの取り合わせ、写真から何を想像しますか?
右の描いた名前を消しゴムで消して左の様に白くしたって思います?

喪服にその人の名前を衿先に入れるようになって、20数年経ちます。
(背広にネームを入れるのと同じです)
最近の喪服は、濃染染め(この字だったかな?)と言って、黒の色に深みを出す為に色々と加工して、防水を施しています。
その様に加工された生地は、織られた糸に防水樹脂がコーティングされた状態になっており、染料、墨を受け付けません。やってみても弾かれます。

そのコーティングされた樹脂を消しゴムで擦り取って、描きやすくする
のです。紋を描く石持ちの部分は、防水除去剤を使って落としますが、このエリ字の部分は手間を省くために消しゴムを使っています。

字の上手い人は直接墨で名前を書きますが、私は書道の経験がない為(グスン)、型で染料を刷り込んで書いております。

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今日は軽く・・・

2004年07月23日 21時59分15秒 | つぶやき
最近急品が続いて、仕事三昧でした。忙しくていいんだけど、単価が押えられてるからなー・・・・

去年の今頃、日本テレビから出演依頼の電話があった事を思い出した。
三宅裕司の「裕司のどしろうと」という番組です。
いきなり、その番組の若い女の子から「当たりました」って電話があり、ビックリしたんだけど、「そちらさえよければいいですよー」て返事をとりあえずしておきました。

金曜の夜やってる番組で、一度も見た事無いから見てみました。
オチャラケ番組(三宅さんごめん)でこりゃー私には合わないわと半ば諦めとおりました。

その内番組の下請けのスタッフが来訪し(これが超強行スケジュールー奥美濃の美並で取材をし、そんでもってうちに来て、それから名古屋で打ち合わせて泊り)取材を受けました。気乗りしないもんだから、のらりくらり聞いて、「紋やが出演しても面白くないよ」なんて言ってました。実際面白いネタなんてなかった。
人によっては興味があるかもしれないけど、視聴者の殆んどは興味ないんじゃない?

私の他に2,3候補があって、結局他の人が出演したそうです。
今から思うと、Tシャツの宣伝に出たらよかったなーと思うこの頃です。(笑)

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男紋付・・その裏

2004年07月17日 18時57分07秒 | つぶやき
去年の娘っ子の結婚式に、紋付袴のいでたちで出席しました。

しかし、中肉中背のおいらにとってチョッとじゃーなく、だいぶ不似合いでした。花婿のおとっちゃんはズングリむっくりで、しかも剣道をやってた経歴を持ち、これがバッチシ似合ってた。でもって、写真はアップしません。

仕事柄、子供の結婚式には紋付を着ようとかねてから思っていた。それに以前弁償して仕舞ってある羽二重紋付が、しかもおいらの家紋である「丸に鷹の羽」の入った生地があったのです。

この弁償付き曰く付き羽二重紋付は、子猫が原因です。
雨夜の公園に瀕死の状態で捨てられていた2,3ヶ月の赤ちゃん猫2匹(後2匹は死んでました)拾って帰り、育てました。
子猫は本当にかわいいです。2匹のじゃれつき、しぐさ、何をとっても愛くるしい限りです。
そんな時に事件は起こった。仕事場に仕上げかけの羽二重を置いていたんだけど、そこに2匹の子猫がじゃれながら駆け込んできた。あっという間です!1匹の子猫が紋付の上を駆け抜けた。
後の祭りです。羽二重生地に子猫の爪痕・・・・・・・・・・・
泣く泣く弁償しました。卸価格で15万位だったかな(アンサンブルだから2反分)

でも、それがあったからこそ紋付を作る決断がついたかも知れません。
今日はこれまで!昨晩から色紋付きを抜いていたから疲れました。
又近い将来、紋抜きについてカキコします!


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かみしも(裃)

2004年07月15日 20時19分25秒 | 
先日裃を描きました。
裃と云えば、武士の正装、今では神社の祭礼によく見られます。

この地方では、春・秋の高山祭りが有名です。
この祭りの氏子になると、必ず裃を新調する(不景気の現在では難しいが)と云われています。
という事で、裃の紋入れの注文は結構あります。

裃の鮫小紋の柄分かるかなー?紋は右三つ巴で、紋の中の消し込みの部分にも鮫柄を入れます。「丸に花菱」等消しこみの多い紋は、色合わせと柄描きで大変です。
今はスクリーン印刷によって比較的楽ですが、ひと昔前まではひとつひとつ柄を描いていました。

話は飛びますが、NHKの大河ドラマにもよく裃が出てきますが、時折上下反対に描いてあるのを見つけて笑っちゃう事があります。
又、全てワッペンの張り紋で、中の鮫柄が真っ黒に塗り潰されていて、みっともないなーと内心思って見ています。(予算が無いんだね)

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上絵その2

2004年07月14日 20時56分42秒 | 
汚い手を披露してゴメンナサイ!
指先の黒い汚れに注目。

これは上絵筆につけた墨を調整するために出来ます。
硯の墨に筆を付けただけでは(ごく細い筆なんですが)量が多すぎ線が太くなる事があり、指先でその量を調整してから、初めて上絵して行きます。(硯には水を二,三滴落とす位で墨を作ります)

その為出来る墨の跡なんです。
また、唇にも出来ます。筆先に墨を付けたままだと、筆先の一本一本の筆毛の間に墨が付着してしまい、筆先が太くなってしまいます。
それを防ぐ為に、口で筆先を吸う様に、墨を吸い取るんです。

筆先はいつも、つんつんに尖っています。乾いた状態で手に刺すと痛いくらいでないとダメなんです。


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上絵その1

2004年07月12日 21時21分36秒 | 
ホームページにアップする前にこちらへアップしました。
紋を描く(上絵)時に使う道具です。
これは何十年来(修業時からも)変わっていません。進歩がないと言えばその通なんですが・・・・

でもここ二十数年、スクリーン印刷に変わってからは、紋の上絵直し、補正にしか出番はなく、従っておいらの腕も落ちてきてます(笑)
前回の桔梗の描き方の紋はこれらの道具で描きました。(線の太さが揃ってない!)師匠であるオヤジ声が草場の陰から聞こえてきそう。

右上から、分廻し・竹の定規・ガラス棒・上絵筆・硯(手入れしてないから半分隠した)

昨晩いや今日未明の選挙後の討論を見てて遅くなったので、眠いねむい。
今日はこれで店じまい!

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