紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

「家紋G」復習

2006年05月31日 15時00分16秒 | 
家紋とその題材になった物を比較してみると、先人達の偉さが判ります。
     
    <おもだかー澤潟>
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私がとやかく述べる必要はありません。どの様にシンプル化されてこの様な紋になったか、皆さん想像して見てください!

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「徳川葵」「3つ葵」は<フタバアオイ>から形象化されて創られた紋ですが、何故か『葵』紋には3つ葉が多いです。

これから、「家紋ギャラリー」にもこの様な比較出来る原形・現物を併せて掲載して行きます。
       「家紋ギャラリー」入口




「家紋G」たより(6)

2006年05月26日 18時34分59秒 | 
『わ』の項、<結綿>と<輪違い>をアップしました。

          
「結綿は、結婚その他の祝いごとに進物として用いる真綿のことだが、むかしは神に供える神聖なものであった。・・・ふつうは五束であるが、なかには七束に結んだものもある。結び方は束の中央を結んだものと、やや下部を結んだものがある。」(家紋大全)
と云うように、束の形と結ぶ紐の形で多くのバリエーションがある。

          
            「三つ輪違い」
この紋は、私がこの仕事を始めて間もない頃、家族ぐるみで遊んだ九州出身の友人の紋所でしたが、この地方では珍しくあまり紋入れした事はありませんでした。記念に黒漆のプレートに金で紋を刷込んでプレゼントした事を思い出しました。

    「家紋ギャラリー」入口

昨日、例のJ-WAVEの番組の録音CDが送られてきました。オッカナビックリ聞いてみましたが、やっぱり緊張していて声は上ずってはなかったけど、硬かったようです。
さすが番組作りのプロで、うまく話しをまとめていました。恥ずかしい反面、ホッとしてます。
関東地方の人~『J-WAVE』をよろしく~

家紋Gたより(5)

2006年05月23日 19時27分15秒 | 
            
         「澤潟」(おもだか)         「花澤潟」

『お』の項の「澤潟」をアップしました。
「花おもだか」(普段はこの様に紋名を書きます)はこの地方ー美濃ー特有の紋で、「長屋」姓に比較的多い紋です。「澤潟」紋にも花がついていますので、「澤潟」を「花澤潟」という地方、人もいますが、この地方には「花おもだか」紋が独自に存在しています。

いつもの様に、「澤潟」「抱澤潟」紋に派生して変った見本紋も多いです。


    「家紋ギャラリー」入口

「おもだか」の現物の写真を一緒に掲載しようと、図鑑を買いに本屋へ行ったのですが、植物図鑑!~種類は多いですが高いですね~昔、植物採集に使ったコンパクトな図鑑は小学生の小遣いでも買えなかったかな?
で、諦めて帰ってきました。
図書館で写真をコピーして、改めてアップし直します。


「家紋G」たより(4)  

2006年05月19日 18時33分09秒 | 
        

水の流れ「水流」紋は紋帖に掲載されていません。私が勝手に作った項目です。
水は「菊水」紋、「澤潟に水」紋など、ごく少数の紋の飾りとして、紋に登場します。
「水」が単独では「紋」として認知されてないようですが、この地方では、「水流」(仮名)の紋として現に存在していて、描いてきました。

水といえば「川」、前述の「浪」紋が海の紋である様に、その形・蛇行した形から「川」の紋と云えるでしょう。この地方は<木曽三川>と云われる様に長良川・木曽川・揖斐川が流れています。これらの川の蛇行した形を紋にしたのではないかと思われます。

     「家紋ギャラリー」入口

今日、東京のFM局 J-WAVEからの電話収録がありました。初めての事で声が上ずって恥ずかしい限り・・・・・・・
MUSIC PLUSという番組の中で、ブログに関するコーナーで、珍紋ならぬ<珍ブログ>として私のグログを取り上げる様です。
5月23日AM11時45分からのオンエア-との事。関東地方の方(いるかな???)聞いてみてください!

      J-WAVE

家紋Gたより(3)

2006年05月17日 17時03分57秒 | 
『な』の項をアップしました。<撫子><南天><浪><薙><薺><茄子><梨>と種類がありますが、全種類は描いていません。

中でも「波」紋は、『海』にまつわる紋だと思いますが、当地が海無し県にも拘わらず色々な波紋があります。
木曽川・長良川・揖斐川と大きな川がありますので、その昔海辺から往来して住みついたのでしょうか。それとも、近年の社会経済の動向で人の移動が激しくなったんでしょうか。

浪紋は「對い浪」等2,3の紋を除いて殆ど「見本紋」です。

           

「浪」紋と云えば、「二頭波紋」=美濃のマムシ・齊藤道三の紋がありました。
           


      「家紋ギャラリー」入口


次回は波との関連から「水」の紋を紹介します。「水」紋は紋帖には載っていません。独特な紋です。



街角の紋ー6

2006年05月16日 18時51分49秒 | 街角の家紋
街角の塀にはまだまだ変わった紋様がついています。
配達途中に塀の紋様を探すのが楽しみな今日この頃です(笑)
         
        「菱持」紋              「六角」紋の連続紋

       
↑の紋様は、クリスマスツリーが並んだ様に見えませんか?
「三階松」の変形かと思いましたが、調べてみると「一つ鱗杉」「三つ鱗杉」という紋がありました。名付けてみれば、『三階鱗杉』と云いましょうか。(チョット無理かな?)
「三階建て家」紋でしょうか?

又配達途中の車の前のトラックの後ろのバンバ-に ↓の様なプレートを発見!
               
「五本骨扇」に4の字の紋です。しかも透かしと云うか彫り抜かれていました。
なんともはや、粋な運ちゃんじゃないですか!感動!

     「街角の紋」入口

土佐特派員殿に業務連絡
「三つ鱗に一引き」の紋がありましたが、こんな感じじゃーないですか?
         


家紋Gたよりー2

2006年05月13日 18時03分07秒 | 
天神様といえば、「梅鉢」紋  

しかし、大宰府天満宮は「梅の花」紋。これは菅原道真が梅を愛した事から来るもので、「梅鉢」紋は元々「梅の花」紋をアレンジして出来た紋、ということの様である。
                  

「梅鉢」紋は{五三の桐」「片喰」等と共にポピュラーな紋で、よく上絵をします。
『う』の項、<梅>・・に続いて<梅鉢><団扇>をアップしました。
        「家紋ギャラリー」入口はこちら


「家紋ギャラリー」たよりー1

2006年05月09日 23時18分40秒 | 
『う』の項の<梅><鱗><馬><兎>をアップしました。この項目は残念ながら種類が余り多くありません。
ウンザリするほど多いのは<瓜><笹><藤><井桁><亀甲>などで、後回しになるでしょう。

「梅」の所で書きましたが、上絵師、呉服屋が用いている代表的な紋帖に「平安紋鑑」と「紋典」がありますが、時折同じ紋名で『形』が異なる事があります。例えば↓
             
        平安紋鑑の「裏梅」         紋典の「裏梅」
上図の紋は「裏梅」という紋です。
同じ紋名で、花びらの境の線が入っているか入ってないかの違いがあります。
こういう事は混乱する元で、以前紋章組合からも指摘しましたが、未だに改善されていません。
で、私共は紛らわしい時は、どの紋帖の「裏梅}か、確認して紋入れをします。又呉服屋の用いている紋帖が判っていれば、その紋帖の紋に従います。
まだまだこの様なケース(鶴の丸・楓・・・)がありますが、その時々にその違いを書いていきます。

     『家紋ギャラリー』入口


「家紋ギャラリー」新設

2006年05月07日 10時56分36秒 | 
私は三十年余り紋を描いてきました。思えばいろいろと紆余曲折してここまで来ました。

紋の形は「紋帖」の紋の形が全てではありません。師事した師匠によって微妙に紋の形は違ってきます。例えば↓ 「日の丸扇」紋ですが、左は「千太屋」(うちの屋号)の紋、右が「紋典」という紋帖のの紋です。
      

これは極端な例ですが、私が紋の版下を作る様になって20数年間に描いた紋を徐々に掲載して行こうと思っています。

とにかく単純な作業ですが、手間と時間がかかりますので追々アップして行きます。
こんな事をすると、遺稿になる・・・・と心配ですが、私の「紋」を見ていただければ幸いです!

       「家紋ギャラリー」入口


珍紋(5)マサカリ

2006年05月06日 17時37分21秒 | 珍しい紋
端午の節句は過ぎましたが、それにふさわしい紋の注文が来ました。
鉞・まさかりの紋です。紋帖には五種類くらい掲載されていますが、↓の紋は載っていません。
先日、「亀甲に鉞に二階菱」紋を取り上げましたが、それに続いての『鉞』の紋です。
     

この仕事を長くしていると、同じ様な紋が続いて来る事がよくあります。
      「珍しい家紋」はこちら