紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

「腹掛」に紋

2008年03月31日 22時29分42秒 | 日々
   
三河の友人から頼まれて、祭衣装「腹掛」に紋をいれました。
「丸に剣片喰」紋
洗濯できる様に、Tシャツ用の水性インクで捺染しました。

この友人、元々岐阜出身で、4月の5,6日の道三祭=岐阜祭の本御輿の担ぎ手で参加するために自前で衣装を用意しました。
地元の担ぎ手・若者が少なくなった今、遠路ハルバル参加する意気込みには感心させられます!
更に三河から10数名の若者を連行してくるようです。
『三河組』の参上です!!!!!!!

最近祭衣装にもいろいろと工夫を凝らした物が多くなって面白くなって来ました。

    
当地も桜が満開になりました。
昨日は雨で花見客もまばらでしたが、かみさんと屋台店に呑みに行きました。
例年と比べて花見に訪れる人、宴を張る人は少なかった。これもこの地の景気を反映してるのでしょうか。
寂しい感がします。

「渡辺」の紋の怪

2008年03月30日 16時09分58秒 | つぶやき
      
上の紋は「三星に一の字」又は通称「渡辺星」。『渡辺党の紋』、『渡辺』姓に多い紋なのでそう呼ばれています。
「上絵紋」(左)と「刷込み紋」(右)の版下です。

しかし、この紋に『丸』がつくと、形が少し変ってきます。
下の紋は、私が描いて来た「丸に渡辺星」紋。
     
「渡辺星」紋を、丸に対して目一杯に描いています。
しかし、紋帖の「丸に(細輪ですが)渡辺星」紋は、下の様に上の部分を少し空けて描かれています。
        
形として、上の紋の方が納まりがいいと思っています。
それで、私は、紋帖の見本が添付してない限り、「丸に渡辺星」紋の注文がきた場合、上の様に描きます。

ところが、紋の本には更に変った「丸に渡辺星」紋が掲載されていました。
祝着の紋入れの見本として添付されていました。
  
右端が「紋帖通りの丸に渡辺星」(三星に一の字)で、左から二番目が「丸に渡辺星」となっていて、上の部分の空け方が更に大きくなっていますし、丸の太さも『中輪』の太さです。
で、仕方なく、↓ のように版下をつくって紋入れをしました。
    
紋帖或いは家紋の本によって、紋の形が変っている事は、紋屋泣かせです。困ったものです・・・・・・・・・・・・・・・ 
因みに『渡辺党』の紋を調べましたが、丸無の「渡辺星」で参考にならなかった(汗)

「鉄扇の紋」最終章

2008年03月25日 22時09分29秒 | 
先日私が紋を描いた「鉄扇」が出来上がりました。
依頼主の古美術商さんが、わざわざ写真を撮って持って来てくれました。

  

「丸に蔓輪?に三柏」紋と家康の詩。右端には虎の象嵌が嵌められています(分かりづらいですけど)
この鉄扇は、数ある年代物の甲冑・刀剣の陳列の中に飾られる事らしいです。

  

ご丁寧に額付です!
こちらが仕事を頂いているにも拘わらず、写真を額に収めて持って頂きました。
商いのお客さんへのプレゼントとしてのサービスとはいえ、三回も作り直して痛い出費だと思いますが、それだけの売上げがあったのでしょう。
この古美術商さんには敬意をはらいたくなりますし、好感が持てます。
芋焼酎が好き、と聞いていますので月が変ったら「伊佐美」でもぶら下げて、お宅を訪問しようと思う次第です。

「珍しき紋」 (30)

2008年03月22日 22時57分16秒 | 珍しい紋
最近季節的に仕事が忙しいのと三月からサイドビジネス?(古い云い方かな?)を始めた事で、なかなか更新できなかった。

少し形が変わる事、又組合わせで紋の形が変ってきます。

 「丸に組井桁に二木」
「井桁」「組井桁」紋には色々な紋を入れて、紋を作る事が出来ます。今回の場合は「二木」又は「拍子木」とも云いますが、その組合わせ紋です。
祝着に紋入れしました。
『井桁』紋は こちら

 「見本・切竹笹に笠」
これも祝着に入れました。
『笹』の項でも掲載した様に、「切竹」、「笠」の形が少しづつ変っています。
「切竹笹に笠」紋は こちら

  「見本・紐付結綿」
「結綿」紋も、紐が付いたり、綿の形も少しづつ変わって違った紋を作ります。
色留袖の抜き紋で描きました。
『結綿』紋は こちら

  「尻合せ三つ花桐」
この紋は紋帖にも掲載されていますが、色無地の抜き紋できて、比較的珍しいので紹介しました。

<物価情報> ガソリン 142円(L)