紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

「珍しき紋」 (38) 七裂の梶の葉?

2008年11月30日 18時17分27秒 | 珍しい紋
下のような鬼瓦の見本が来ました。

  

  

形は「梶の葉」紋に見えますが、「梶の葉」は葉が五裂に分かれていて、この見本の梶の葉は七裂に分かれています。
七裂に分かれているのに、「変わり梶の葉」紋がありますが、形が違います。(後でアップします)
初めて見る紋で、興味深く、又少し格好良く描かせてもらいました。
       
「紋典」の「変り梶の葉」 

    「梶の葉」はこちら

『貼り紋』で「小物用張り紋」を作り、今までバックや弓に貼っていただきましたが、今度は人形の紋付に貼られるようです。
16と18㍉の大きさで、三種類作りました。
明日郵送しますが、どのように出来上がるか楽しみです!
   

岐阜の夕刻風景(少々遅い時間で暗くなり過ぎましたー汗)

  

  



貼り紋の使い方 PART?

2008年11月27日 17時11分26秒 | 
  

これは子供用の陣羽織に直径10センチの「丸に鷹の羽」紋の張り紋を貼ったものです。

陣羽織の色目は金茶色で、紋は金で刷り込みました(色の感じが出ていません)。実際貼った感じはあまり目立たないようですが、お客さんの要望でしたので仕方ありません。いっそ”赤”で刷り込んだ方が目立ったかもしれません。
以前紹介した、甲冑武者のお一人からの注文でした。
地色の生地に合う色の布を探しましたがなかなか見つかりませんでした(汗)

  

これは「丸に蔦」紋の貼り紋。

最近、祭用だと思いますが、黒の半被につけたいとの注文で、15センチの大きさで作りましたが、汚れがつき自家用にしました。
襖にうちの猫・トラが引っ掻いた跡があり、それを隠すべく貼ってみました。(ふすまには襖用の紙でもつくりますが)




「珍しき紋」 (37) 竹中半兵衛を訪ねて・・・・

2008年11月24日 16時00分34秒 | 珍しい紋
昨日娘の婿ドンの実家に届け物をしたついでに、かみさんと竹中半兵衛の菩提寺「禅憧?寺」周辺を散策しようと、垂井方面に行って来ました。
ところが道に迷い、目的地を通り過ぎて山奥ー岩手村谷地区まで来てしまいました。

山道の脇に立派な家・・・・・・・
  
渡邊家の屋敷ですが、屋根には「七曜」紋の瓦が一杯・・・・
後で聞いたのですが、この渡邊家は昔この地区の庄屋だった家柄でした。

ここから少し登ると、「長正寺」という寺があり、少なからず気になりましたので、境内に入り込みました。

すると ↓ の提灯の紋
   
   



「見本・三追い藤に桧扇」とでも呼びましょうか????

折しも報恩講が催されていて、出て来られた和尚さんに聞きましたが、この紋の名称・謂われはご存じない、との事。
「三つ追い藤」は紋帖にも掲載されていますが、少々形が違います。
初めて見る紋に感激しました。まだまだ知らない紋があります。!


すぐ近くにこの集落の墓地があると聞き、興味深々に訪ねて行きました。

「渡邊」(七曜・渡辺星紋)、「高木」(丸に鷹の羽)、「岩田」(下り藤・三藤巴)、「北村」(丸に桔梗・丸に剣桔梗)・・・・と色々な紋が墓石に刻まれていました。
「児玉」姓もあり、やはり「見本・軍配」紋でした。
     

   
長正寺の人に聞いて、目的地?竹中半兵衛の菩提寺・禅憧?寺に来ました。

「丸に九枚笹」紋

すぐ脇に墓地があり、江戸時代?からの古い墓がいくつも山裾の一角に広がっていました。猪、鹿、猿も出て来るような所です。
家臣の墓か、大洲家ー丸に桔梗、岡村家ー丸に澤潟紋がありました。

去年の大河ドラマの「功名が辻」で一躍世に知られ、来訪者も多かったようですが、市からの援助もなく、朽ちかけた所を修復する費用が捻出できない、とおくりがこぼしていました。

その言葉にほだされ、かみさんは梅干し五パックを買い、援助金を1000円寄付して、その寺を出ました。

比較的新しい鐘楼には、干し柿がぶら下がっていました。
   








「家紋Gたより」(41) 『す』の項 「すはま」「鈴」・・・・・

2008年11月14日 18時59分45秒 | 
家紋ギャラリー『す』の項には、前の「杉」紋の他に「隅切角」「水仙」「菫」「すはま」「鈴」「雀」「炭」紋がありますが、「隅切角」紋は次回に回すとして、残りの紋を紹介しました。
「菫」「炭」紋は描いた事がないようです。
また、各紋に関して、「すはま」はよく描きますが、紋の種類は少なく、描く機会も少ないです。

      「見本・六枚笹に雀」
「雀」紋は描いた種類は少なく、雀単独で描くより、上の「見本・切竹笹に雀」紋のように、笹紋と結びついた紋をよく描きます。

『切竹笹に雀』はこちら  

      「見本・鈴」
巫女さんが持つ鈴のようです。
この紋も、上記の雀紋と同様数が少なく、又描く事が珍しい紋で、「幣」紋と結びついて「鈴違い幣」紋として時折描きます。

      「見本・違い幣に立ち鈴」

「鈴」紋は神社と関係が深く、鈴木性に多いと聞きますが、現在「姓と紋」について調査中?で、この地方では鈴木姓に多いとは今の処断言できません。

   「すはま」「鈴」「水仙」「雀」紋はこちら




分かるかな????椎の実

2008年11月09日 17時38分30秒 | 日々
   
これが分かるのは、50代前後以降の方でしょうか?
今日金華山で出会った子連れの若い夫婦には分かりませんでした。


『椎の実』


私たちが子供の頃、山に遊びに行った時によく拾って、皮をむいて生で食べたり、帰ってから炒って美味しく食べたものでした。

ありかは、勿論秘密の場所。金華山の麓の明治天皇の銅像の周り、ロープウェーの昇り口の谷(ここは小さい時枯草を分けると同時にうんこを触った覚えがあるので敬遠)、丸山の入口辺り。


今日はラッキー!丁度信長の舘跡の発掘でシートが敷かれていて、そこに椎の実がごそっと落ちていました。捜すのに楽々!!!!
袋を持って行かなかったので、ズボンのポケットに一杯詰め込んで、チコと帰って来ました。

半分は知り合いのおばちゃんに、半分はこれから炒って酒の摘まみにしようっと!

今日、毎日新聞の中部支局?のコラム「天職の一芸」?の取材がありました。毎日新聞を取っていないのでどんなコラムか知りませんが、私自身そんな器ではありませんので迷いましたが、とりあえず取材を受けました。
1時間半の取材で、的を得てるかどうか心配ですが、ベテランのライターなので何とかなるでしょう。
採用されて掲載されたら、また報告します。


「家紋G]たより(40)『杉]・刷込み紋の型

2008年11月05日 20時07分32秒 | 
家紋ギャラリー「す」の項・『杉』をアップしました。
杉紋は、「三本杉」「三盛杉」などの他はほとんど見本紋で、枝の数が違ったり、足の形が違ったりで、いろいろな種類があります。
「三本杉」紋で注文が来ると、必ず紋帖と照し合せたり、見本を頂く事にしています。

      家紋ギャラリー「す」 『杉』

また、上絵紋は筆でその通りに描きますが、刷込み紋になると、枝が細かくなり、昔(昭和50年代前半まで)は略して描いていました。

      
    「丸に並び杉」         「丸に見本・三重ね杉」

違いが分るでしょうか?「木」のライン、「枝」のラインの描き方が違います。

今は右の「三重ね杉」紋のように、上絵紋の通りに描いています。
昔は、型は渋紙を彫って作りますので、細かい木、枝の部分は彫りづらく、上の「丸に並び杉」のように彫って描きました。

下が、昔の渋紙で作った型です。
   
      「三つ杉」
   
      「丸に三本杉」



今は写真製版の技術が発達して、細かな所まで描く事が出来、下のような版で刷り込みます。
最近のお客さんは、「上絵紋」と「刷り込み紋」の使い分け、区別が理解できず、紋帖に描いてある通りの「上絵紋」を要望され、こちらは困惑しますが、且つ間に入るお店の方も少々理解が浅く、負けてしまい、「上絵紋」の様に「刷込み紋」を描いています。
このように描けるのも、製版技術が進歩したおかげです。
      



張り紋の使い方 PART?

2008年11月03日 10時13分06秒 | 
『貼り紋』の注文では、6枚=1セットで送っていますが、1枚は予備ものです。
先日黒紋付きの貼り紋の注文で、尺八を吹かれる方で、予備の1枚を尺八を納める袋に張られて、写真を送って頂けました。

以前にも弓、兜、刀に貼られた方もいらっしゃいましたが、いろいろなご自分の物に貼って頂けることは、当方にも嬉しい限りです。

   

   

    「張り紋」はこちら

追伸  風さん、この人、高知の人でした!