goo blog サービス終了のお知らせ 

紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

「珍しき紋」(16)

2006年12月21日 22時21分02秒 | 珍しい紋
      
「降り光琳鶴の丸」『鶴』 「上り藤に一の字」『上り藤』 「丸に五本骨扇に丸に二引」『扇』

これらの紋はそれ程珍しい紋ではないが、最近描いた比較的変わった紋なので紹介しました。
「降り光琳鶴の丸」は紋典にも掲載されていますが、初めて祝着に紋入れをしました。
「上り藤に一の字」は『家紋G』にも二つ掲載していますが、このほどこの紋の家紋額を作りました。一番バランスがいい形の紋だと自画自賛してます(笑)
「丸に五本骨扇に丸に二つ引」はこれまた祝着に紋入れしました。『丸に二つ引』がもう少し大きいとバランスがいいのですが、見本がそうなっていたので仕方ありません。

はじめて来られた方は、各紋の掲載項目からそれぞれのギャラリーにリンクしてますので、覗いてみて下さい。

同時に、『家紋ギャラり―』「た」の項、「橘」をアップしましたので、よろしく!
「橘」紋は種類が少ないですが、「五三の桐」「梅鉢」「藤」紋と同様ポピュラーな紋で、よく描いています。
              『家紋ギャラリー』はこちらから

「珍しい紋」(12)鶴・つる

2006年11月09日 18時45分09秒 | 珍しい紋
「鶴」紋は「鶴の丸」「舞鶴」・・・など色々な紋がありますが、「笹」紋、「杉」紋とならんでその形を少しづつ変えた見本付きの紋が多い紋です。
「飛び鶴の丸」紋は平安紋監に一つ、紋典に「降り鶴の丸」(下記の紋)として掲載されているだけです。
      

このたび、以下のような見本の「飛び鶴の丸」紋が夏冬紋付の紋入れに来ました。
      

まだまだ、「飛び鶴の丸」紋、「飛び鶴」紋等『鶴』紋には、紋帖に掲載されていない様々な紋があります。
次回の「家紋ギャラリー」には『つ』の項・「鶴」紋「蔦」紋を中心に掲載するよう、準備を始めるところです。

     ホームはこちら

追伸  昨日あーちゃんが遊びに来て、自転車の初乗りをしました。あーちゃんが事の他喜ぶので、張りきって自転車をこいだら、昨晩から腰痛。イテテ~イテテ~

冷えてきました。今日今秋初めて仕事場にストーブを焚きました。
皆さんも風邪引かない様に気を付けてください!

「珍紋」(11)三つ千鳥

2006年10月28日 19時08分34秒 | 珍しい紋
先日「家紋プレート」の注文で「陰三つ千鳥」の紋が入りました。
ついこの前に「家紋ギャラリー」で『ち』の項をアップしましたが、「千鳥」紋は今まで(少なくとも私は)描いていません。したがってその項では「千鳥」紋は抜けています。「浪に千鳥」紋はよくありますが・・・・・
紋帖にもあまり掲載されておらず、「三つ千鳥」紋は陰しか掲載されていません。
            ↓
    

注文者といろいろやり取りしている中に、『比翼紋』の様に「陰陽の三つ千鳥」紋を入れるように、という事になり、新たに陽=日向の「三つ千鳥」紋を作り、プレートに金で刷込みました。
            ↓
    

白い点は位置合わせの為の印です。
何ともかわいい千鳥が出来ました。

「比翼紋」は江戸時代の元禄の頃、男女の仲を洒落て、お互いの紋を組合わせて創った紋と云われています。

珍紋(10)亀卦川家の紋

2006年10月26日 18時18分59秒 | 珍しい紋
先日拙HPの「質問」コーナーに家紋についての問合わせがありました。
霊園で珍しい紋があって、何の紋でしょうか、という質問でした。
      

拡大しても『%』の紋様としか見えません。顔を斜めにしたような感じにも見受けられますが・・・・・・・
亀卦川家の紋だそうですが、私は今だかつて描いた事も見た事もありません。
ご当人はインターネットでも調べられたのですが、紋名は不明です。

どなたか、このような紋を見られた方はいらっしゃらないでしょうか?
情報を求めます!!!!!!!


「珍しき紋」(9)

2006年10月07日 18時02分02秒 | 珍しい紋
前に「家紋ギャラリー」で丁子紋を紹介しましたが、その中で珍紋があったので、改めて紹介します。

     ⇒ 
名付けて「丸に丁子(風)片喰」と呼びましょうか。丁子紋が「陰の片喰」紋のような形をとっています。「丁子」紋が無理して自ら曲げて「片喰」風に変えていて面白いです。
以前書いたような「似せの紋」の種類だと思います。
紋帖には掲載されていません。

     




「珍しき紋」(9)-家紋額

2006年10月02日 18時05分21秒 | 珍しい紋
昨日の「功名が辻」には目新しい紋は無かったからお休み。見落としもあるかも(汗)

家紋額の注文がありましたが、見本付きの「五瓜に古木梅」の紋。
「五瓜」はいいんですが、「古木梅」は色々形が違う紋が多いです。
紋帖には一種類掲載されているだけで、紋帖通りの紋を付けることは余りありません。
        
  <平安紋監>の古木梅         <標準紋帖>の古木梅
良く見ると、一方を90度回転させただけで、同じ紋です。
こうして紹介してアップして、初めて知りました(汗)
紋帖もいい加減な所があって気をつけなければなりません。
「古木梅」(こちら参照ー梅)紋は紋帖通りの紋は殆ど無く、見本付きできます。

「五瓜に古木梅」紋はほんのたまにある紋で、版下というか刷込んだ紋は二種類ありました。両方とも見本付きで来ました。上絵の紋です。
        
で、当の「五瓜に古木梅」の見本は、<鏡掛け>に付いてる紋と黒留袖に入っている紋と二つ来ましたが、同じ紋でも双方違っていました。
<鏡掛け>の紋は、上絵師が描いた紋でなく、大きな紋でしたが略して描いている様でした(デジカメに撮っておけばよかった)
<黒留袖>の紋の方がしっかりしていたので、その紋をベースに作りました。
    
金潜紙の色紙に、黒インクで刷込んだ紋です。

完成させて納めたのですが、注文者の呉服屋さんが先方のお客さんに納品したら、当家のお父さんが<チョット私のイメージと違う、花の形とか・・・>とおっしゃって、クレームがつきました。
こちらは上絵師の描いた留袖の紋を見本にして額を作りましたので、これ以上描きようがありませんし、落ち度も無いはずです。
間に入っている呉服屋さんも困ってしまって、結局<大じいさんの紋付の着物を捜す>という事で、納品延期です。

今は紋付の着物を買うと、その家の家紋を別紙に描いてくれるサービスをしている呉服屋さんもありますが、変った紋を家紋としている方は、しっかりとした{紋}を、額とか何かに保存されておく事をお勧めします。(お節介な事かもしれませんが・・・・・)

お口直しに、五瓜に蟹さんの紋です。



「珍しき紋」(8)

2006年09月12日 18時52分22秒 | 珍しい紋
     

上のような写真の紋が、祝着の見本としてきました。
写真自体ボケているし、この様な紋は今まで見た事がありません。
二つの輪が重なっているー「輪違い」紋(家紋ギャラリー参考)はありますが、重なった輪が切れている様子がない。
その中は、「中」字が横向いている感じ。
シッカリした見本が欲しかったのですが、先方にはこれ以上のいい見本は無いとの事。
で、訳も分からず ↓ のような紋を祝着に描きました。

     

HPの『珍しい紋』の編集が疎かになっています。至急編集しようと思っています(汗)

追伸  夢は夜破れる・・・・・・・やはり「全国上絵師一覧」構想は一週間くらいの夢物語で終わりました。上絵師ーもんやさんの数は精々100くらいだと思いましたが、タウンページのネットで調べると、紛らわしい所を削除しても300余りあって、掲載同意を取る郵送費など経費が掛かり過ぎる事が分かって断念しました。
景気のいい時だったら、そのくらいボランティアでやるくらいの意気込みがあったと思いますが(とは云ってもその時は多忙でその余裕が無かったでしょう)、この不景気に、ナカナカ出来ません(汗)



「珍紋」(7)蔦

2006年08月26日 18時22分14秒 | 珍しい紋
     
祝着の紋入れで ↑ の様な旗についた「蔦」紋の見本がきました。
どう見ても「蔦」の刷込み紋が付いているとしか思えなく、強いて言えば、葉脈の線が途中で切れていなく、外まで繋がっている事でした。(蔦の刷込み紋は功名が辻の所に載っていますー線は4本と多いですが)

『葉脈の線が外まで繋がっている』と言う事は、染める時の糊置きの型が、型の強度上、繋ぎが必要で、その繋ぎ部分が染残こった、と言う事です。普通はこの『繋ぎ部分』は染めた染料で埋めて完成させるのですが、旗などの型染めは、糊置き部分が白く残りますので、そのままの状態で完成させています。(これはむかしの方法で、今は捺染で繋ぎの無い方法でやっていると思います)

刷込み紋の『繋ぎ』は、蔦紋の場合は下図の様に、繋ぎを作ります。(古い型で丸付ですが)
     

「丸に尻合せ三つ蔦」の場合は、少々小さいですが旗の紋と同じ様な繋ぎを作ります。
     

この様な『繋ぎ』の部分は紋を刷込んだ後、色を挿して仕上げます。或いは、この様な白抜きな場合は、抜き剤でその繋ぎ部分を白く抜きます。

これで少しはご理解できたでしょうか?なにか説明不足、手前勝手な感じがしますが・・・・・・・・

でも先方のお客さんは、見本の通りに紋を入れる事をご要望され、その通りに紋入れをしました。  ↓  少々納得出来ませんが・・・・・・・・
     

下のは「中陰蔦」の刷込み紋の型です。(年代物ですー今は使っていません)
      

    ホームはこちら


珍紋(6)夢の字

2006年08月02日 20時16分25秒 | 珍しい紋

上のコピーは『夢』の字の「草書体」です。いろいろあるものですね。

「張り紋」で「五本骨扇に夢の字」という注文を受けました。夢の字は「草書体」でという条件付でしたが、フォントで捜せば何とかなるだろうと思い、気軽に注文を受けました。

ところが、フォントで捜しても「行書」はあるけど「草書」はない!
ネットで調べても、あることはあったのですが、ダウンロードしても失敗で、出来ない。大困り・・・・・・・少々焦りました(汗)
で、仕方なく図書館へ行って調べてコピーを取って来ました。

   ⇒     
五本骨扇に入る適当な「夢」の字を探したのですが、縦長な字が多く ↑ 扇とのバランスが悪く思え ↓ の様に字を少々横長に画像処理してつけてみました。
  ⇒  

書道家の人が見られたらさぞ憤慨されるでしょうが、「紋」としての「夢の字」ですのでご勘弁願いたい。
「五本骨扇」には色々な紋が入る事が出来て、新しい紋を創りますが、この様な「草書の字」-「夢の字」は初めてです。「家紋G」『あ』-「扇」参照
安い単価の割に手間がかかりました(汗)

          ホームはこちら


「珍紋」(5)ー鈴?

2006年07月21日 17時39分27秒 | 珍しい紋
祝着の紋加工伝票を見て??????????????
紋名ー「鈴桐」と書いてありました。今まで聞いた事がありません。
多分鈴を桐に似せて作った紋だろうと思いつつ、紋帖を調べてみると平安紋鑑に載ってました(紋典には掲載されてません)
 ⇒ 

注文者は「鈴木」様で、この姓は神社に関係した紋が比較的多く、「鈴違い幣」「稲」の紋があります。(確率的には低いですが)
で、新たに紋原稿を作り、祝着に紋を白で刷込みました。

この様な<鈴を桐に似せた紋>『似せ』の紋は、以前書きました様に数多くあります。
<稲>を<蝶>に似せた「稲蝶」、<梅>を<鶴>に似せた「梅鶴」・・・・・・と
この様な「似せ」紋はいずれ特集し様と思っています。

           ホームはこちら