紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

「珍しき紋」(27)

2008年01月30日 23時05分33秒 | 珍しい紋
「隅切角」は「隅切角に~」というふうに種類は多く、よく描く紋ですが、下のような「隅入角に~」特に「隅入蔓角に~」という紋は少ない。

   「隅入角に梅鉢」
男物の化繊の黒紋付に白で刷込みました。

   「隅入蔓角に見本鷹の羽」
鷹の羽の線が一般的な鷹の羽と少々違います。
祝着に刷込みました。

   名付けて「中陰持合い三つ州浜に千鳥」
紋帖には掲載されていません。
黒留袖の紋入れで描きましたが、注文に来た当初は、前に描いた事があるから型はあるだろう、と高をくくっていましたが、前に描いたのは ↓ のような紋でした。
慌てて原稿を描いた次第です。

    名付けて「中陰州浜に雁金」
これも紋帖には掲載されていません。10年以上前に描いたようです。
鳥が三匹飛んでいる記憶があったので、上の紋と混同してしまいました。年は取りたくないものです。

いずれ、「す」の項『州浜』に収録します。


「家紋G」たより(33) 『笹』第二部

2008年01月25日 18時51分07秒 | 
やっと「笹」紋の項の編集が出来ました。年越しになってしまいました(汗)
これで「さ」の項は 『桜』 『柘榴』 を残すのみとなりました。

 名付けて 見本紋「竹輪笹に笠」
この紋は、当地・美濃地方には殆ど見掛けなく、私が以前東北地方の仕事をしていた時に描いた紋です。何点か掲載しましたが、全部その当時に描いた紋です。
又紋帖にも掲載されてなく、後で紹介するように美濃に「二本竹」という特殊な紋があるように、東北にも「竹輪笹」 「六枚笹に笠」など固有の紋があるようです。
この形の紋でよく知られたものは、「仙台笹」(伊達家の紋}とか「柳生笹」でしょうが、残念ながら描いてません(汗)

 見本「二本竹」
この紋も紋帖には載っていません。少しづつ形を変えて、何種類かの紋があります。
当地では、「澤田」「沢田」姓に比較的多い紋です。

 見本「雪折笹」
この紋も紋帖には載っていなく、雪の重さに耐え兼ねて折れた竹を描いています。

『家紋ギャラリー』 「笹」 第二部はこちらから 

物価情報 143円(L)セルフスタンドのプリカで。少し安くなりました。

「鉄扇の紋」第三弾

2008年01月23日 16時31分59秒 | 
二度ある事は三度ある・・・・・・・・とも言うように、三回目がありました。
依頼者は、先方にお客さんにプレゼントとして贈る(という事は無料で)ようで、私もなかなか三回目の料金は貰い辛かったですが、ヤッパリ貰いました(笑)

地紙を一回り大きく、そして詩も書いて欲しい、との要望でした。
地紙を大きくするのは、鉄扇に貼る時に余裕があった方がいいらしいです。
詩は、ある知合いの方の書かれたものを写し取って(内緒)描くもので、なかなか感じを出すのに苦労させられました。







家康と信玄の有名な詩です。
この描いた和紙を ↓ の鉄扇に貼って作るようです。



年代ものの鉄扇で、新たに象嵌(右上)も付けられました。
どのような鉄扇が出来上がるか楽しみです。

「家紋ギャラリー」『笹』第2弾 編集中

「珍しき紋」(26)

2008年01月15日 18時00分43秒 | 珍しい紋
仕事を続けていると、新しい変った紋に出会います。

下は、袴の腰板に貼り紋、黒紋付に縫紋(一つ紋)をしました。
「二葉葵」紋で、紋帖にも掲載されていますが、今まで描いたことは記憶にありません。
注文者の家紋ではなく、正月にお洒落っぽく着たい、という事で希望された紋を入れました。
『イザ』の専門家ブログの中に「男の着物」?でも出ている様に、又先週のWBSにも男たちが着物に興味を持ってきたと報じてる様に、少し男の着物が流行るかも知れません(あまり期待は出来ないけど)





  「見本紋・水流」
この紋は「家紋ギャラリー」でも紹介したように、紋帖には掲載されていなく、全て見本紋です。
祝着に入れました。       『水流』はこちら

  「見本紋・三重ね杉」
「杉」紋・特に「三本杉」「重ね杉」の紋は枝の張り具合で様々な形を見せてくれます(紋屋泣かせです)
この紋の項はいずれアップします。

  ⇒  
「見本紋・組井桁」
前にも書いたように、組み方(組んでないけど)が違い、この様な紋もありました。
立派な額の見本がついていましたので、その通りに祝着に紋入れをしました。

  「見本紋・抱澤潟」
またまた原稿を整理していましたら、出てきました。『お』の項「澤潟」に追加収録しました。
      「抱澤潟」はこちら

「街角の紋」(15)

2008年01月11日 16時57分27秒 | 街角の家紋
最近町の瓦紋を紹介して来ましたので、ついでに今までの在庫?を放出します。

トラック・特に建設会社・造園業者のトラックによく描かれています。

 「松葉菱に?字」

 「松葉菱に一の字」
トラックには、「松葉菱に~」「山形に~」「井桁に~」の紋がよく描かれているのが見掛けられます。

「松葉菱」紋はこちら 

↓は近所の岐阜公園の改造事業の一環として、信長館の発掘作業の囲いについてました。
「織田瓜」紋です。



よく見ると、看板やさんが描いたのでなく、「カッティングシール」=我が『紋ぺタくん』が貼られてました。エッジがシャープでなく、多分小さな原稿を拡大して作ったようです(笑)
最近ペンキで描いてあるな~と思う物が、結構カッティングシールで作られている場合が多いようです。
因みに、最近住宅建設現場の塀の文字を触って見ましたら、やはりカッティングシールで文字が描かれていました。

『紋ぺタくん』はこちら 


紅葉の落ち葉がきれいだった?ので撮りましたが・・・・・・・


「町屋の瓦紋」その1

2008年01月09日 19時47分36秒 | 街角の家紋
先日の初詣の折、お寺の瓦紋を探索すると同時に、古い町屋の瓦の紋も興味深く見てきました。

最近は建築様式の変化からか、屋根拭きの簡略化からか、鬼瓦をつける家は少なく、更に付けても下の写真の様に、その家の家紋を付ける事はなくなりつつあります。
       

うちの近所には、まだ戦前に建てられた家が残っており、その屋根の鬼瓦には様々な紋がついています。

  「林の角字」
その家の家紋ではありませんが、そこは私の友人の『林』君で、又昔からの紙問屋で、その姓を鬼瓦の紋として使っています。
「角字」紋を瓦の紋として使っている家が、結構多いのには驚きました。探索して初めて知りました(汗)

  「丹羽扇」
紋の名前そのもの、丹羽姓の家で、昔は材木問屋の大きな家です。


手前は「長の字に山形に三の字」
鬼瓦には、多分『酒』の角字と下の角字が分からない。
『角字』はいろいろ変形した形もありますので、判断に困ります。
最近信州の紋屋さんが「角字事典?紋帖」を発行して、その本を調べても同じ角字は掲載されていませんでした。

お寺の瓦紋は写真を掲載しただけですが、「町屋の瓦紋」は少し編集しましたので、よろしかったらど~ぞ!   「街角の紋」

「篤姫」(1)島津家の紋

2008年01月07日 16時57分38秒 | 篤姫
NHKの大河ドラマ「篤姫」が始まった。
原作は読んでなくどんなドラマの展開になるか分からないけど、私の大好きな芋焼酎の産地だし、かみさんの産地でもあるので、見続ける事にします。

今回は最初から終りまで島津家の家紋『丸に十の字』紋のオンパレード。
幕から調度品・裃・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
しかし、この紋は、今は『轡』紋として分類されています。
「丸に十の字のおはらは~桜島・・・・・・」と謡われるように、戦国時代は「十の字」だけの紋で丸は付いてなかった。
それに「丸」がついて、諸説ありますが、今のような「轡」紋になったようです。(詳しくは「島津家の紋」で検索して見て下さい)

「丸に十の字」紋 
前に書いたように伝えられて、又唄に謡われたりして、お客さんによっては逆に『轡』紋を『丸に十の字』紋として混同されている方もいます。







最後のこの裃の紋、黒紋付用の貼り紋が貼ってました。
うちに頼めば、裃用の貼り紋を安く作ってあげたのに・・・・・・・・・・・・(笑)

「街角の紋」(13)お寺の鬼瓦の紋 その1

2008年01月06日 18時39分15秒 | 街角の家紋
初詣のついでに、町にあるお寺の瓦・鬼瓦の紋を探索しました。

私の家(改築しましたが)を含め、岐阜市の金華山の麓は戦災で焼失する事なく今もその家並みが残っています。現在は別として信長の時代、岐阜の町として栄えて、多くのお寺が残っています。

  「五三の桐」
葉脈が三本づつの紋もありますが、現在描いている「五三の桐」は四本で、略されています。(刷込み紋ではあります)

  「丸に抱き澤潟」
「抱き澤潟」紋は澤潟の足が交差していますが、この瓦の紋は一本で、足が略されているか、それともこの様な特殊な紋があるかも知れません。

  「東本願寺系牡丹」と「三割桔梗」
「三割桔梗」はしっかり彫られていますが、「牡丹」紋は、上絵で描いても細かく、瓦の型を作るには細か過ぎて大分略されています。

  「十二枚笹に政の角字」
たぶん<政安寺>だった(汗)と思いますが、その「政」の字を「角字」紋にしています。

  「丸に桔梗」
うちの主唱寺?(字が違ってるかも)で、日蓮宗ですが「桔梗」紋がついてました。

瓦の紋は、今はどの様に作っているか知りませんが、昔は木を彫って型を作り、それに瓦土を埋め込んで作っていたようで、細かな表現は困難なようです。
『たいせいさん』がその事に関しては詳しいと思います。

家紋に関してはこちら (掲載してない紋もあります)

「街角の紋」(『鬼瓦』紋はまだ未編集で掲載してませんが)

年始め

2008年01月05日 17時48分36秒 | 日々
  明けましておめでとうございます

今年もよろしくお付合いをお願いします。

今日から仕事始めです。とは言っても、今日は配達のみ。
そして年末に片付けた仕事道具を出して、整理して仕事にかかる準備をしただけです。

  

少々暗いですが、まだ餅飾りを置いています。
後は、去年からの懸案の○○の製作・・・・・・・・・・・
完成したら紹介しますので、ご期待下さい????????

年越しからおでんパティー、元日はその酒残りに加えてお節で呑みすぎダウンして、寝正月。
二日は恒例の高校同級生とのゴルフコンペ。
3,4日は娘のいる掛川へ行って来ました。
初詣は明日の予定。

来週から本格的に仕事に入ります。