紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

西ウレ峠

2005年01月30日 12時43分23秒 | 日々
昨日高山の娘の所まで行って来ました。
この峠は、西ウレ峠標高1113メートル、奥美濃の郡上市とラベンダーの里清見から高山を結ぶ街道「せせらぎ街道」の途中にある峠です。普段だと雪が積もりツルツルの雪道ですが、今日は暖かく(プラス1度)除雪がすんでスムーズに通行できました。何故「ウレ」とカタカナか分からない。
帰りは、寒波も来るという事で安全な自動車道を使って帰ってきました。

あーちゃんは元気でお風呂に入れて帰ってきました(笑)

続・抜き紋(3)

2005年01月24日 21時57分44秒 | 
昨日の「抜き紋」で手間がかかると書きましたが、呉服屋さん、更に消費者の知らない所で結構手間がかかっているのです。(職人は黙って・・・・・結果だけが勝負、と言って静かキッチリト仕事をやっていればいいと思いますが、ここではボヤカセテもらいます)

生地に抜き剤を置いてから、鏝で乾かし蒸気に当てて蒸す又鏝で乾かし蒸気に当てて蒸す(大体これを十回位繰り返します)工程を一工程だとすると、抜き易い生地は一工程で綺麗に抜けます。濃い色で抜きずらい物でも三回繰り返せば抜けます。(こちら参照)

しかし、昨日書いた様に黄味が残る場合は、前述の一工程を三、四回繰り返して少しでも黄味を薄くして、特殊な薬品で抜きますが、これも2回くらい繰り返して始めて白く抜く事が出来る訳です。
最初の頃は、試行錯誤して薬品の濃度を間違えて生地に穴を空けた失敗もしました。弁償です(ガク-です)
又何回か抜き剤と薬品を使うので、時には生地の色が少しこけたり、変色する事もあり、その時は色を補正して仕上げます。

この様に抜き紋は手間がかかる事、少しは理解頂けたでしょうか????????
(後半リンク状態になってすみませんー直し方分からない)

抜き紋(3)

2005年01月23日 13時27分32秒 | 
以前、色の生地を紋型に白く抜いて上絵する「抜き紋」について書きました。
改良三品と言う薬品を糊に混ぜて抜きますが、生地によってきれいに白く抜ける場合と抜けなく黄味が残る場合があります。(この他に赤味とかねずみ色が残る場合もあります)

最近、生地の色焼け防止の為に、染料に薬品を入れたり、含金染料といった染料を使う事が多くなり、薬品で抜いても黄味が残り白く抜けない事があります。又昔から紫系統の染料も同様の事になる場合があります。

以前は改良三品で抜けない時は、白の胡粉(樹脂)を摺込んで上絵して納品してましたが、綺麗に抜き紋された紋と比べると、どうしても紋におしろいで化粧したみたいでスッキリしません。(すっぴんがやっぱりいい-笑)
かつお客さんの呉服業者も出来る限り白をかけないで抜いて欲しいと言う要望もあって、最近では特殊な薬品を使って白く抜く様にしています(同じ料金で手間は三倍以上かかりますが)

こうしてうまく抜けた時はいいんですが、マルッキリ変わらなく抜けない時はガッカリシテ仕方なく白をかけてお化粧して仕上げる訳です。疲れ倍増です!

詳しくはこちら

刷り込み紋(続)

2005年01月15日 12時49分46秒 | 
先日刷り込み紋について書きましたが、ここ5年前位から写真の様な絞り風の柄の祝着が出てきました。
価格は6万から10万円と少し高い商品に多いです。
この柄には、石持がないから紋入れは出来ないし、白で刷り込んでも紋が目立ちません。
それで、先日の刷り込み方法ー白で紋型に刷り込んでその上に紋を描きます。そうしますと紋が際立ってはっきりします。

これから高山まであーちゃんを送ってきます。

お客様は神様???

2005年01月08日 21時19分31秒 | つぶやき
先日お客さんの紋への無理解について書きましたが、時代が経るにつれ「職人」は肩身の狭い思いが深くなって来ました。
「お客様は神様」と春日一郎が歌ったのは何時頃だったろうか?その頃からか消費ブームに乗って、お客さん本位、客のニーズを探るマーケッティング又消費を煽る宣伝、大量生産大量消費(今は少し違ってきてますが)・・・・・

よく蛇の道はへびと言いますが、その道その分野の知識は、その道の職人が一番知っています。プロ、専門家なんです。大工なら大工の道、筆職人、蒔絵師、彫金師・・・またまた米を作る人、野菜を作る・・・・・・皆、他の事はいざ知らず、自分の仕事の事、道理は一番良く知っています。

お客さんは、職人の作る物を消費する人、使う人であり、その道には素人なのです。その素人のお客さんが専門家の道理を否定しては、その職人の立場は無くなります。且つお客さんと職人の間に立つ営業の人が、お客さん一辺倒にたったら職人の立つ瀬が無い。

長々書きましたがまとまりに欠けてます。いずれ後程整理して書きます。今回はこれにてご勘弁を!

入紋と刷り込み紋

2005年01月07日 00時13分19秒 | 
紋の描き方にはおおよそ次の様な方法があります。
  1 入紋ー予め白く抜いてある石持に紋を入れる(喪服・黒留袖・祝着・羽二重紋付等)
  2 刷り込み紋ー生地に直接色で紋を刷り込んで描く(色無地・祝着等)
  3 抜き紋ー生地の色を紋の形に白く抜いて、紋を描く(色無地・色留袖等)
  4 縫い紋ー生地に糸を使って紋を刺繍する (色無地・付下げ等)
今日納めた祝着はクレームがついて特別な方法で入れました。
祝着に紋を入れる場合は、石持が付いてる時は入紋、無地の時は刷り込み紋で描きます。
最近は無地の祝着が多く、又濃い色の物が多いので概ね白の樹脂で刷り込みます(薄い色の無地だと裾の色を使ったりします)

今日のお客さんは、入紋と摺込み紋の区別が理解できない人でした。
濃紺の無地の祝着に鷹の柄がついてる物でしたので、当然白の樹脂で刷り込んで描きました(写真左の紋)不鮮明で申し訳ない!
所が、お客さんは、紋というのは「入紋」の紋が「紋」だと思っていて、「刷り込み紋」は「紋」ではないと言い張るのです。実際、後で持ってみえた男紋付の見本は「丸に左離れ立ち葵」の紋が入紋されてました(当然男紋付だから石持に細い線で上絵されてた)で、この紋付の紋の形と同じ様に出来上がらないと納得できないと言うのです。又「紋帖」にもたいがい「入紋」に使う紋が掲載されていて誤解を招き易い。

「入紋」と「刷り込み紋」の違いの一つは、線の太さ加減にあります。入紋は石持の白地に筆で描くから線は細い。刷り込み紋は紋型でその線を残して刷込むので、当然その線は太くなる、又その太さ加減で全体の見た目の紋のバランスが良くなるのです(細かったらベターとした感じになる)

ここまで書きましたら疲れました。で、販売員も困り果てたので、仕方なく紋の形に白を刷り込み(写真中央)その後上絵しました(写真右)これで入紋したと同じ紋の形になります。(ただ、白の樹脂の上に上絵するので、どちらかと言うとゴワゴワして、石持から上絵した様にすっきりしないです)

これでやっと納得して納品できましたが、お客さんはまだ「入紋」と「刷り込み紋」の使い分けは理解できないままでした。残念ですが・・・・・・
でも、この投稿だけで皆さんもご理解していただけたでしょうか?????????

明けましておめでとうございます

2005年01月01日 18時36分48秒 | 日々
ここに来てくれる皆様、明けましておめでとうございます!
今年も少しづつ頑張って投稿しようと思っております。

我家の正月は、朝皆揃ったら仏壇にお参りして、お屠蘇をいただきます。そしておせち料理を食べながら呑みます(とは言っても呑むのは私だけですが・・・)一服した後近くの氏神様の神社とお寺に初詣に出かけます。これが年始めの行事です。
今年は、昨晩早めに寝たせいか早く起き段取り良く進んだんですが、かみさんが風邪気味と言う事で、私一人ウールの着物着て出かけました。昨日の雪模様と異なり正月晴れ?で多くの参拝者が来ていました。残念な事は着物姿が全然見かけられなかった事です。
例年正月といえばさらの新調した服、着物を着て出かけるのが普通ですが、最近は普段着で何か華やかさが感じられません。着物姿も男が私を含めて3人、女性も振袖姿が4、5人、和装2人でさびしい限りです。

今年も時代の流れに逆らった事を考えながら工夫していきたいと思っています。