紋やのつぶやき

職人?たる上絵師のグチリ・知られざる失敗談・紋のウンチクを気の赴くまま語ろうと思いますが、どうなりますやら?

墓石から

2011年08月02日 17時17分37秒 | 珍しい紋
尾張の国に入り木曽川沿いに墓石巡りをしていますが、未だ描いた事のない紋に出会います。

 
青井姓の「違い柏」紋は描いた事がありますが、このように葉脈の多い紋は初めてです。そしてこの紋の方が圧倒的に多かった。

 
「見本・七五三根笹に雀」
服部姓でありましたが、同じ墓地でこのような二種類の紋が見られました。

 
「見本・揺れ一枚柏」

寺西姓で、「一枚柏」もありましたが、この紋の方が多かった。

 
岩田姓で、この墓地には「桧扇」「房扇」紋もあり、その二つの中間のような紋の形に見えます。



そして・・・・森姓の紋

岐阜では「鶴の丸」「抱澤潟」「抱茗荷」紋が多いが、この地に入り「揚羽蝶」紋も多く見られたが、前に紹介した「・糸巻き」紋に続き、↓ のような名付けようのない紋が出現しました。右端は勲章のような気もします。
 


珍しき紋 ~ 墓石から

2011年07月02日 15時57分25秒 | 珍しい紋
尾張の国に入っての墓地巡りが続いていますが、予想通り変った紋・珍しい紋に出会う事ができました。

「五五の桐」

    永瀬姓                  三津原姓
五三の桐、五七の桐はよくありますが、この紋は初めてです。

   
「亀甲に三つ追い藤」  小塩姓
紋帖には「二つ追い藤」「右追い藤」が掲載されていますが、「三つ追い藤」は掲載されていなく、これまた初めてです。

  
    「団扇」  丸井姓 (他の形もあり)
紋帖に載らない「団扇」紋は描いた事がありますが、このような「団扇」紋は初めてです。

  
 「五三の桐に雁金」  石原姓
この紋も描いた事はありません。
この木曽川に接した地方=愛知県北部の墓地には、あとで紹介する<梶浦>姓、<今井>姓に見られるように、「雁金」紋が多くあので、その事と関連するのでしょうか?

  
「中陰州浜に三雁金」  梶浦姓

この紋は今まで梶浦姓でも描いた事がありましたが、この狐塚地区が本家本元の一つだと分かりました。
下の雁金の向きが、墓石によって違います。


6月末の撮影ですが、卵が孵り、餌を運んでいるようです。鳴き声は聞こえません。


今日は小学校のクラス同窓会。

「六三会」といって、六年三部の集まりで、今年で皆その年になりましたので、記念に集合をかけました。
呑みますよ~!!!





 

昨日の続き 小出姓の「額」紋

2011年06月14日 17時21分28秒 | 珍しい紋
よく下調べをしなければなりません(汗)

   

昨日「珍しき紋」で 上のような<小出>姓の「額」紋を紹介しました。

今日なんとなく「額」について思い浮かべていて、そもそも額自体西洋の絵画を飾るもので、元々日本には額が無く、江戸末期に日本に入って来たのではないか・・・・なんて考えてました。

ところがそれは、全然素人の浅はかさで、日本にも古来神社仏閣の社殿に掲げられていました。皆さんもお分かりと思います。

高澤等著「家紋の事典」を読み返して、知りました(汗)

高澤氏によれば、「丹波国園部藩小出氏の使用紋で・・・・・・合戦において・・・・・首級を額の上にのせて首実検に臨んだことから記念的意義により家紋とした」とされ、小出姓は愛知県に多く分布している、とのこと。

もう少し関連した本を調べてから、ブログを書こうと、反省してます。


珍しい紋とつばめ

2011年06月13日 20時41分52秒 | 珍しい紋
タイトルの相互の関係はありません。
200ヶ所をこえる墓地を見てきましたが、まだまだ知らない紋と出会います。

  
「額」紋の一種でしょうか。小出姓でありました。
残念ながら「額」紋は描いた事がありません。

  
「すれ違い石」紋でしょうか。長坂姓でありました。
「四つ石」「三つ石」紋は描きましたが、この紋は初めてです。

  
この紋は紋帖にも「三盛桝」と掲載されていますが、初めて出会いましたので、アップしました。大場姓です。


形は少々違いますが、最初の左の紋に<小剣>を入れると中央の紋になり、更に<片喰の花>を入れると右の「亀甲に剣片喰」紋になります。
大塚姓でそれぞれの墓石紋があり、初めはそれぞれの独立した違った紋だと思いましたが、いろいろ推理して見ました(汗)


例のつばめは巣作りが完了しました。
一週間弱で巣を作り終え、今は体力回復か今後の体力作りに飛びまわっています。
 





宮川姓の「法螺貝」紋

2011年05月19日 18時25分07秒 | 珍しい紋
  
木曽川町奥町墓地で、宮川姓の「墓石に刻まれていました。 「見本・法螺貝」
一度見た事があると思い、ブログと「家紋ギャラリー」を調べましたら、以前に描いた事があり、ブログの「珍しき紋」の項で一番最初に取り上げていました。
宮川姓では「三柏」紋を比較的多く描いていて、「法螺貝」紋も2,3回と少ないですが、高澤等著「家紋事典」によれば、法螺貝(法螺)紋の使用家として、吉野氏、石井氏、巨知氏、貝塚氏と並んで、宮川氏が紹介されている。

まだこの墓地で2基しかなく、この周辺の墓地で見つかるかもしれません。

私が祝着の刷込み紋で描いた「法螺貝」紋
    

上絵で描いた「見本・貝(法螺貝)」紋
    

奥町は、昔からのお客さんの京染屋さんがいて、懐かしく思いましたが、意外に墓地自体が広く手間取っています(汗)


「珍しき紋」 墓石から

2011年04月07日 16時51分17秒 | 珍しい紋
こちらの地方では桜が満開になっています。さすが東日本大震災の影響か、夜の宴は少なく、少々さびしい。募金の他あまり手の打ちようのない地方では、平常の生活をするのが、かえって復興にも少しは寄与すると思いますが・・・・・・・
3月の寒さが影響したのか、白木蓮が桜と同時に咲いています(少し早く散りかけていますが、例年ですと白木蓮が散ってから桜が満開になります)


「琴柱に亀甲に花角」 ですが、形は様々です。
豊島姓でありましたが、「琴柱」紋もありました。どちらが主か分かりませんが、分家して違った紋を使用したのでしょうか。近くの墓地は「琴柱」紋が占めていました。


「外雪輪に見本・雪持ち笹に折れ竹」 「菊輪に・・・」 「丸に・・」
中の「見本雪持ち笹に折れ竹」の恰好は同じようですが、笹の枝の形がそれぞれ違います。また「見本・雪持ち根笹」も形を変えてありました。
丹羽姓で、(愛知県)尾張国丹羽郡の丹羽氏がこちらへ移住したことを記した墓碑がありました。
この紋は未だ描いた事はなく、初めて出会いました。


道家姓の「丸に見本・杜若」
前と同様で、恰好は同じようですが、少しづつ形が変っています。


「丸に下り藤に三本杉」
棚橋姓で、少なからずあり、この様な紋は紋屋泣かせです。中に入る三本杉は小さくて描きづらく、この墓石紋も略されていました。
ここにもありましたが、棚橋姓には「見本・三本杉」紋を持つ集落もあり、何か関連があるかもしれません。
今までの墓地調査の棚橋姓では、「下り藤」「左三巴」「五瓜に左三巴」「三亀甲に花菱」などが見られました。


「丸に見本・抱き笹に向い雀」
芥子川姓で多く見られました。
柳生笹(われもこう)紋を思わせるような形をしています。



「珍しき紋」 上絵から

2011年04月05日 17時36分24秒 | 珍しい紋
3月末まで仕事と諸事で忙しく、燃え尽き症候群かブログの方には気が向かなかった。
やっと重い手を動かし、キーボードを打っています。

忙しいわりには変った紋の出会いは少なかったけど、紹介します。

  
「見本・変り根笹に舞雀」
「梅鉢」「州浜」が比較的多い<大塚>姓です。

  
「見本・切竹笹に雀」
金武姓で、少ないながらも形を変えて見られます。

前にも書きましたが、竹と雀の紋は種類も多いです。

こちら参照 




  
「平六角に木瓜に一の字」
角が上下にある「六角」はありますが、横になっている「六角」珍しいです。「隅切角」にもこの様な向きを変えた紋があります。

  
「太丸に石持」?
男紋付の刷込み紋で来ましたが、お客様の姓は分かりません。



近々に墓石からの珍しい紋をアップします。





「珍しき紋」 - 上絵から

2010年10月30日 19時05分07秒 | 珍しい紋
紋帖にも掲載されてない紋を紹介します。


  
    「見本・足付橘」

男紋付の紋入れで来ましたが、橘紋には「久世橘」「井伊橘」などの他に、<下の枝>の形で違う紋になります。上部は私の気に入った風に描いています。
「橘」紋は http://park17.wakwak.com/~chitaya/gyarari/g-ta-tatibana.html 


  
    「見本・細輪に干網に水」

やはり安田姓できました。同じような形で<刷込み紋>で描いていました。
「干網」紋は こちら 

  
    「太丸に見本・三重ね杉」

御田村姓で来て、留袖は丸無しで紋入れし、今この男紋付の紋変えの作業中。生地が少々弱っているので心配。
「重ね杉」紋も、家によっていろいろな形があります。
   「杉」紋は こちら


  
    「見本・揚羽蝶」

張り紋の注文できました。

  
   「丸に見本・半鐘」

見本通りに描きましたが、このままの形で祝着に33ミリの大きさで紋入れをすると、細かいところが潰れてしまいますので、少々略しました。

  
  実際に白地の祝着にグレーで刷りこむと・・・・

撮り方が悪かった(汗)

昔の刷込み紋は、<型>を作る場合、細かい部分まで彫る事が不可能で、<紋の形>は見本に忠実に作りますが、細かいところは略していました。
「鶴」「三本杉」紋などは、ほとんど略して描いてきました。
最近は製版技術のお陰でかなり細かいところまで描く事が出来ますが、限界があります。
「家紋額」くらいの大きさの紋で描く事は十分可能です。

でもこの「半鐘」紋は初めてで、四国の出の方らしいです。 


ブログの作り方が変わって、手こづった(汗)  

「珍しき紋」 -墓石からー

2010年10月07日 21時15分08秒 | 珍しい紋
しばらく休んでいる中に、珍しい紋が溜まりました。
今まで描いた事があって且つ特異な紋、又今まで描いた事のない紋、今風のデザイン化された新紋、いろいろと出会う事ができました。

   
  「五瓜に見本・向い蟹」
ズーット以前に、祝着に紋入れしましたが、この紋の持ち主と故郷?が分かりました。
安八町の「古澤」姓に多くあり、蟹の形も様々でした。


安八町の北部の地域の「古澤」姓の紋は、全く違った「丸に鷹の羽違い」紋が多くありました。
この安八町は、昔長良川と揖斐川に挟まれ、中小の河川もあり、洪水に悩まされた土地です。川の関係で「蟹漁」に携わっていたのかと思いましたが、資料では蟹漁は掲載されていませんでした。
この紋は、残念ながら上絵では描いていません。

  
「見本・縦一引に二の字」
この紋は、この仕事を始めた当初に時々描きましたが、最近は描いた事がありません。
似たような紋が、「河村」姓でありました。
  

  
   「竹に三本筍」  長谷川姓でありました。

  
    「見本・笠に並び矢」
この紋は、違った形で描いた事がありますが、初めて見ます。
「日比野」姓でありました。

  
「亀甲に霞」でしょうか?
この様な形の紋を描いた事がありましたが、中の紋は「霞」でなく「工」の字の変形かと思っていました。
奥田姓です。


現代風にデザイン化された新紋も見つけ、最近の風潮が伺えます。

  
太陽の下に、親と子供が四人の家族の、シンボライズされた紋だと思いますが、如何でしょうか。何ともほほえましい紋です。
初め見た時は何が何だか理解できませんでしたが、画像を処理していて初めて理解できました。

  
多分、野球のベース盤に三星だと思います。
故人或いは送る人が野球好きなひとなのでしょうか。






「珍しき紋」 (49) 墓石発見!

2010年03月04日 16時23分33秒 | 珍しい紋
  
以前上のような「三重ね(三階)鱗」紋を描いた事がありました。最近墓石巡りをしていましたら、岐阜市の南方、愛知県になりますが、浅井町・大野地区の墓地で、この紋が多く見られました。地区名と同じく「大野」姓です。
私の集計した「大野」姓には、この紋は無かった(泣)

  

「姓と家紋と集落」には只今編集中。

  
「見本・法螺貝」
喪服に紋入れをしましたが、「宮川」姓です。
この様な紋は数種類描いています。 <家紋ギャラリ^>参照

  
「丸に逆對い巴に三木」
祝着に紋入れをしましたが、「對い巴」が紋帖と上下逆になっています。