まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

びーまいぷれじゃー (メモ いちごのタルト Kちゃん仕様)

2016-12-10 18:22:06 | お菓子作り
いやー名前は明かせないんですけどねー
今度うちのカフェに特別なお客様を
招待するんですよねー

と言いつつ
ゾノさんの手元を見ると
スキンヘッドにヒゲメガネのイラストが

特定・・・

彼女のバースデイディナーだそうで
ここはひとつケーキなんぞをお願いしたい、と

そりゃーとっても嬉しいオファーだけど
周りにいくらでもプロのお菓子作りがいるのに
私でいいんですか?

そしたら

チカさんがいいんですよ
って言っていただけて
ちょっと舞い上がる

どうしよう、何にしよう、
シーズンだからビッシュもいいな
あ、レッスンとちょうど日程が重なれば
そのままビッシュショコラ横流しでもいいなー

とか考えてたら数日後
ゾノさんから

ごめんなさい
彼女さん、小麦粉と卵と砂糖と乳製品は
食べられないんだそうです

それはとっても残念です・・・
と言ったものの
やっぱり一度お引き受けしたし
何より、お祝いしたいと思ったので

それを使わないで作れるお菓子を
模索することにした

まずはネット検索
世の中には彼女さんと同じような人が
たくさんいるんだなということに驚く
よく使われているのは
小麦粉じゃなくて米粉
お砂糖じゃなく蜂蜜やメープルシロップ
卵の代わりはどうにもならないけど
スポンジを作るんならベーキングパウダーや重曹
生クリームじゃなくて、豆乳ホイップというものが
存在するのだと初めて知った

そして試作その1




米粉と豆乳、コーンスターチ、グレープシードオイル
ベーキングパウダー、りんご酢でスポンジを作り
そこに蜂蜜と豆乳ホイップをかける

ところが、出来たスポンジは
およそスポンジとは程遠い
ずっしりみっちりもっちり感
2枚にスライスっていうのすら難しいねとねと

試食したムスメともども
うーん・・・

試作その2



生地に抹茶を混ぜ、少し薄めに焼いてみた
豆乳ホイップにドライフルーツを漬け込んで
生地の上に盛り上げ、上からサツマイモベースのクリームを
モンブラン風に配してみた

味のバランスは悪くないんだけど
ねちっとした生地の食感がどうにもならない

試作その3
米粉のミルクレープ
を作ろうとしたら
クレープ生地がどうやっても
フライパンにベチャっとくっついて
どうにもこうにも

なんだか悲しくなってきて
ふと

これってもしかしたら
無駄なあがきなのかなあ
とか考え込む

だってもしかしたら
彼女さんはケーキなんか
まるっきり欲しいと思ってないかもしれないし
ただ私が押し付けちゃうだけの結果に
なるんじゃないか
ましてやさほど美味しくもないお菓子

ゾノさんにメッセで泣きを入れてみた

押し付けちゃってるんじゃないか、というのは
いつもゾノさんがカフェやるときに
心配することなんだ、と返事があり
とてもびっくりした
だって、ゾノさんのカフェに来て
美味しくて幸せで全細胞が満たされて
帰らない人なんていないのに

そう言ってみると
ゾノさんは

もしそう思ってくれるんなら
チカさんのお菓子だっておんなじで
押し付けられただなんて思う人はいない
でもくれぐれも無理はしなくていいから

なんかもうちょっといい方法を
探してみよう、という気持ちになり
そもそも米粉はふんわりさせるのには向いてなさそうだし
サクサクカリカリを目指してみようと
タルト生地のレシピを探した

混ぜて寝かせることもなく即敷き込み
中温でしっかり目に焼きを入れて
出来上がったタルト生地は
香ばしさと歯ざわりがとても良い

豆乳ホイップは近所に売ってないので
試食用に生クリームといちご、ラズベリー



ムスメが18センチをハーフで平らげたので
これでいこうと決断

そして当日
前もって焼いておいたタルト生地に
会社の休み時間に買い込んでおいた
豆乳ホイップといちごを持って
定時に飛んで帰って仕上げ
エプロンをつけたまま
上着を着てカフェにお届けに

ピンポーン、菓子屋でーす!
と言ったら

あれその声はもしかして?!

一緒に鍋食おう、って誘っていただき
図々しくも二人の愛の食卓に割り込んで
おしゃべりしながら美味しいマグロしゃぶを堪能
ご飯が終わって作ってきたタルトをお見せしたら
じゃあこれ持って二人で写真撮ってもらおう、って

カメラ渡されながら、それ手ぶれ補正ないからね、って
いつも使ってるのが5軸補正のカメラの私に
無茶振り甚だしいけど
とりあえず何枚か撮って
ま、こんなもんだよ、って言ってもらった

そしてこのタルトの決定的にダメなところは
美しくカットできないところ
かなりワチャワチャになったタルトを
美味しい!って言っていただけて
心からほっとした

その後さらにワチャワチャになった残りを
ゾノさんさとみにゃんとつついて食べた
ゾノさんが
あ、なんだこれ、おいしー
って言ってくれたから
本当に美味しいものが出来たっぽい
姿はアレだけどね

お客様の彼氏さんは
友人が寄ってたかって僕らのために
なんかしてくれたのが何より嬉しかった
って

それは彼氏さんが普段
友達を大切にしてあれこれ気を配って
一緒にいる時間を楽しめる人だからに
他ならず

そんな友達のために
お菓子作れる自分でよかった
お教室に通ってたのも
今日みたいな日のためだったのかもしれない

今度はカットしても美しいお菓子を探そっと

楽しいトライをさせてくださった
彼氏さん、彼女さん、
ゾノさん、さとみにゃん、
ありがとうございました!

そして
小麦粉卵砂糖バターのみんな
おまいらえらいよ・・・


メモ いちごのタルト Kちゃん仕様

*タルト生地
         (単位 グラム)
米粉 70
アーモンドパウダー 50
コーンスターチ 20
塩  3
グレープシードオイル 60
メープルシロップ 60
  
粉類をざっと混ぜ、オイルとシロップを合わせたものを混ぜる
ひとまとまりにしてラップで挟んで5ミリくらいにのし
タルト型に敷く
焼成 170度 25分

*フィリング

(ベリーのジャム)
 いちご 100
 ラズベリー 30
 蜂蜜 50

 合わせて弱火にかける

 (ホイップクリーム)
  豆乳ホイップ 250
  蜂蜜 10
  ラム 5

 泡立てたホイップに蜂蜜とラムを混ぜる

 (いちご、ミントの葉)
  適量をカットして水気を切っておく

*組み立て

タルトにジャムを敷き、ホイップクリームを盛り
いちごとミントの葉を飾る
いちごにジャムのソースを刷毛で塗る