ぶつぶつ地蔵

地蔵 呟く ひーの言葉を。ぶつぶつと…。

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日光月光さまを追いかけて・・・ もうひとつの薬師寺展 編

2008-06-02 12:43:33 | ぶらり・・・旅
5月30日~6月1日にかけてのお江戸遠征。
何回かに分けてお送りいたします~♪


■もうひとつの薬師寺展■

五反田にある薬師寺東京別院。
寄贈された個人宅を別院としているので、いわゆるお寺のごとく大きな屋根に敷地・・・ではない。住宅街の中にそっと別院は建っている。
東京国立博物館で開催されている『国宝・薬師寺展』にあわせる形で開催されている宝物展なので、この『もう一つの薬師寺展』はこじんまりとしたものである。
出展数も30点にも満たない。しかし、内容は別格である。

遠征初日。先ず向かったのがこの『もうひとつの薬師寺展』
ミクシィにてある方から、五反田→上野と見るのが良いですよ、とアドヴァイスを頂いていたので素直にそれに従う。

別院で宝物を見る前に、先ずはお写経。
本来のお写経場は宝物展の会場となっているため、別のお部屋でのお写経であったのだが、集中力に欠けるオイラと致しましては、間仕切りの向こう側でお客さんとお話をされているお坊様の声が気になって気になって・・・^^;仕方ないんですけれどね。

ま、それなりに1時間半ほどで般若心経を書き終え、お写経場の外の書道の発表展示をずぃ~っと見た後、宝物展へと移動。
ちょうど加藤朝胤執事様のお話が始まったところだったので、いそいそとお話を聞く。
加藤執事師のお話の内容は、薬師寺とはどんなお寺か。薬師寺のお坊さんは何をしているのか。宝物に関して。仏様の教えとは。お写経との向き合い方・・・などなど。
お話の中でグッとオイラを捉えたのは、このお話。

ここに水がありました。
蛇はこの水を飲み、毒を作りました。牛はこの水を飲み、乳を作りました。
さて、最初にあった水は何だったのでしょう?
最初にあった水は、毒でも乳でも、良くも悪くもありません。
捕らえ方ひとつで、毒にも乳にもなるんです。
お釈迦様の教えは、そういっているのです。


深いですよね。人にとって毒でも蛇にとっては身を守る楯であり、矛でもある。
「そのもの」に絶対の形はありえない。
見る方向、捉える状況、いろんなもので「そのもの」は良くも悪くもなる。
さらに、一歩進んでこうおっしゃいました。

五反田の駅でね、来た電車に乗ろうと思ったんです。
そしたらね、満員で入れない。
(ちょっとづつ奥に詰めてくれたらいいのに)と思いながら、やっとの思いで電車に乗ったんですね。
そしたらどうでしょう。
後ろにも沢山乗るのを待っている人がいるのに、(もう満員やから、次の電車にのったらいいのに)と思ったんです。
人間って勝手ですね。扉一枚隔てただけで、思っていたことと正反対のことを思ってしまうんですね。


ご自分の体験として語っておられましたが、聞いてるオイラは、これはオイラのことを言われている・・・と、心がキュッと恥ずかしくなりましたさ。
お水の話と同じで、見方ひとつ。
30分ほどの短いお話でしたが、自分の心を見直す時間でございました。

お話終了後、宝物を見させて頂く訳ですが・・・人が集っている場所に来ると早くも「どいてくれたらいいのに」心がムクムク・・・しそうになったけれど、何とかこの日は押しとどめることが出来ましたよ(笑)お話を聞いていて良かった~♪

展示物の中で一番のお目当ては、大津皇子様の木像。
 
さすがに大津は一人隔離されてガラスケースに入っておりましたが(笑)、他の仏像や絵などはマンマ展示されているので、間近でじっくり仏様の姿を拝むことが出来ます。(巻物は陳列ケースに入ってたな^^;)
作成年代の違う3体の十一面観音さまが出迎えてくれるんだけど、お姿の特徴表情の違いなどを見比べることが出来たりなんかして拝む以外にも楽しみがイッパイ♪

驚きなのは東塔の内側に描かれている木像(天竜鬼神八部衆の一部)・・だとか、天井板に描かれている法相華だとかが、マジ触れる距離にプッと展示されていること。(でも触っちゃダメですよ)
さらに倍率ドン!写真OK。
 
1300年前の天井画を至近距離で見られるってー!大興奮ですがな。剥落も激しいけれど、それでも残っている顔料の美しいこと♪
さすがにフラッシュは自主規制致しましたがね^^;
写真OKなんて思ってもいなかったので、もちろんカメラはホテルに預けた荷物の中・・・この日は携帯でチョロッと写した訳ですが、もう一度6月1日の昼間にお参りに来たので、そのとき思う存分写させていただきました☆

大興奮でぶしゅるるる~って鼻息のまま、薬師寺東京別院を後にしたのでした。


『もうひとつの薬師寺展』は五反田・薬師寺東京別院にて6月8日まで開催されております。
お時間のある方は、是非、1300年前の色に触れに行ってみてください。