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菅首相は財務省に取り込まれたのか?

2010年06月19日 17時57分05秒 | Weblog
菅首相は財務省に取り込まれたのか? (永田町異聞)より

こういうのを「抱きつき戦術」というらしい。

菅首相は一昨日のマニフェスト会見で、自民党の消費税10%アップ公約を「参考にしたい」と語った。

自民党案に対立せず、ぴたり同化して、自民党の放つ色彩を消す。参院選前の策としてはみごとである。

しかしその分、官僚・メディア連合に取り込まれ、自民党化しつつあるかのような印象も色濃くなってきた。

増税論の根城、財務省を発信源として、国家の切迫した財政事情を告げる報道や専門家の警告が後を絶たない。

世論も何となくそれに影響され、消費増税を受け入れる空気が広がっている。

菅首相としてはこの機に、選挙前の消費増税言及というタブーを打ち破り、自らの理想とする「トップダウン型」のリーダーシップを見せつけたかったのだろう。

それでも、党内で合意を得ておらず、意見を二分する恐れのある政策だけに、前のめり感は否めない。

小沢一郎前幹事長は、鳩山内閣のころから、閣僚がしだいに官僚に取り込まれつつある状況を憂えていた。

官僚のサボタージュ、メディアを使った世論操作、そして支持率低下。この負のスパイラルを見てきた菅首相の現実路線とは、官僚と手を握りつつ改革を進めることであろうが、それは自民党化の危険をはらんだ策でもある。

国民新党は消費増税に反対しており、郵政法案に異論の強い現政権が参院選後の連立組み換えを視野に入れているという見方もできよう。

ところで、消費税率が二倍にもアップされると筆者のように小売を本業とする者は大変、困ったことになる。

商品の価格表示はかつて外税方式で、1000円の商品なら1000円と表示すればよかった。レジで50円が加算され1050円をいただいた。

ところが、今は消費税を含む内税方式の価格表示を義務づけられ、最初から1050円と表示しなければならない。

今のようなデフレ経済で値下げ競争が激しいなか、1050円で売るのも大変なのに、さらに5%アップの1100円の価格にして通用するかというと、なかなかそうはいかない。

むしろ、他店との競争のなかで1000円とか980円とか、場合によっては900円に値下げして売らねばならないこともある。そのなかに、いずれ徴収される消費税分も含まれているのである。

つまり、消費税率が2倍になっても、その上昇分を商品価格に反映できない現況では、小売業者は消費税の納税で大幅なコスト負担増を強いられるというのが実感であろう。

零細小売業者の淘汰が進み、財務基盤の強固な大規模店舗ばかりが生き残る。

むろん、小売業者の視点だけで、国全体の経済や社会保障を論じることは慎まなければならない。

消費増税により、年々1兆円増加するといわれる社会保障費が賄え、雇用対策も進んで、この国に安心して住める基盤ができればそれでいい。

ただし、増税により国の財布の中身をふくらませたい財務省の論理だけでうまくいくとも思えない。「生きた金」の使い方ができなければ、消費を冷やし、企業をさらに疲弊させるだけである。

資金が一部の官製事業のように無駄なものに化けず、将来にわたって富を生み出す装置に注ぎ込まれるとき、「生きた金」となる。

財務省をはじめとする省庁の、膨張した組織やOB共同体と、親方日の丸意識を改革することなしに増税すれば、霞が関に「死に金」があふれ、街は干上がって死屍累々となろう。

財務省はつねに国家財政の危機ばかりを強調し、政治家や、学者、評論家、記者クラブにレクチャーを重ねる

そのため、例えば、国の借金は900兆円近い、このままでは国債を買い支える1400兆円の個人金融資産を上回る日がやってきて、財政は破綻するというような説明をメディアは繰り返す。

ところが、一方で国の資産が約600兆円あることには、どのメディアもほとんどふれようとしない。

独立行政法人、特殊法人などへの貸付金、出資金、有価証券、所有不動産・・・。荒っぽいことを言うと、それらの資産600兆円を一瞬にして清算できれば、国の借金は一気に300兆円に減る計算である。

消費税については、特別会計や行政組織、制度などの抜本改革とあわせて、慎重かつ十分な議論が必要だといえよう。

筆者は国民の勝利とも言うべき昨年の歴史的政権交代を、実りあるものにするため、少なくとも次の衆院選までは、民主党に安定した政治基盤で十分に仕事をしてもらいたいと考えている。

「民主党政権再生」をかけて、鳩山、小沢というツートップが自発的に身を退いた思いを大切に受けとめたい。

その意味で、菅首相が官房長官や幹事長人事で「脱小沢」色を出したことなどから、内輪もめをすることはあまり賢明とはいえない。

今回の消費増税路線についても、党内政局の火種にすることなく、堂々たる議論を今後、展開していってもらいたい。

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