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膀胱癌、大腸癌ー治療の遅延は致命的になりうる

2007-02-16 | 癌全般
 手術を延期することは致命的かもしれない
米国がん協会 (ACS) 2006/5 (抜粋) ミシガン大学の新たな報告によると、進行性膀胱癌で手術が3ヶ月以上遅延した患者は癌の再発と死亡が起こりやすいことを示した。手術後3年の時点で、診断から3ヶ月以内に手術を受けた患者の死亡率が38%であったのに対して、3ヶ月以上待った患者の死亡率は51%だった。医師は専門医への紹介と患者のスケジュール確保をより効率的に行なう必要がある。患者のほうも、すみやかな病状の評価と、もし望むならばセカンドオピニオンを急かしていく必要がある。

 大腸癌に対する術後補助化学療法の遅延により死亡率が増加
(抜粋)術後化学療法がステージ3の結腸癌患者の生存を約30%改善することが無作為化試験で明らかにされている。
推奨される術後化学療法の開始時期は術後30~40日である。患者の26%が1ケ月以内、55%が1~2ケ月以内に、10%が3ケ月目、10%が3ケ月以上経過してから術後化学療法を受けた。
手術後3カ月以上経過してから術後化学療法を受けた患者では結腸癌に起因する生存率が50%減少し全生存率は60%減少した。他の因子として、結腸癌に起因する生存率および全生存率に影響する重要なものは、より年齢が高い事、より多くの併存疾患を有する事、低分化腫瘍、4つ以上のリンパ節に転移がある事、および大学病院以外での手術であった。
しかしこの研究における患者の多くは明らかに高齢であるか、病態が悪かったために適切な時期に術後化学療法を始めることができなかった。したがって術後化学療法の開始時期の遅延は調整可能な要因ではないかもしれない。

 


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