がんの骨転移治療などに用いられる骨粗鬆症薬ゾレドロン酸が、腰部骨折を防ぐだけではなく、免疫機能を強化することで延命に貢献している可能性があるとデューク大学医療センターの研究で明らかになった。
2007年にデューク大学の研究者は、腰部骨折の手術後にゾレドロン酸(Reclast)を投与した患者では、死亡率が28%低下すること、試験の参加者では、その後の骨折が35%少なかったことを報告している。その報告は、生存率に関する初の報告であったが、なぜ死亡率が低下したかの原因は明らかではなく、皆、その後の骨折が減るからだろうと考えた。
しかし、今回の研究(Journal of Bone and Mineral Research)誌で、骨折の減少は死亡率のうち8%しか寄与しないと報告された。その他の骨折による死亡の原因を除いたとしても、ゾレドロン酸投与患者では、まだ23%死亡率が低かったのだ。このことは、他にも何か原因があることを示している。骨粗鬆症が死亡に繋がることは以前からわかっている。米国では毎年、腰部骨折で入院した患者のうち最高25%は骨折後1年以内に死亡する。最も多いのは、心筋梗塞や不整脈、脳卒中といった心血管系疾患、肺炎などの感染症、および癌である。ゾレドロン酸を投与された患者は、これらの疾患があっても良好に生き延びる。ただし、骨折前に、老人ホームにいた人々や、認知症を患った人々は、同薬による生存のメリットを受けなかった。
ゾレドロン酸がどのような役割を果たしているかはいまだ明らかでない。「われわれは、同薬が免疫機能や炎症と関係があることは分かっており、それらは感染症や心血管系疾患2喪中ようだものである。おそらく、同薬はこうした体の力をよみがえらせるものであるとみられる。
(研究者はノバルティス社と関係がある。)
原文記事
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過去チップ1、ビスフォスフォネート
2007年にデューク大学の研究者は、腰部骨折の手術後にゾレドロン酸(Reclast)を投与した患者では、死亡率が28%低下すること、試験の参加者では、その後の骨折が35%少なかったことを報告している。その報告は、生存率に関する初の報告であったが、なぜ死亡率が低下したかの原因は明らかではなく、皆、その後の骨折が減るからだろうと考えた。
しかし、今回の研究(Journal of Bone and Mineral Research)誌で、骨折の減少は死亡率のうち8%しか寄与しないと報告された。その他の骨折による死亡の原因を除いたとしても、ゾレドロン酸投与患者では、まだ23%死亡率が低かったのだ。このことは、他にも何か原因があることを示している。骨粗鬆症が死亡に繋がることは以前からわかっている。米国では毎年、腰部骨折で入院した患者のうち最高25%は骨折後1年以内に死亡する。最も多いのは、心筋梗塞や不整脈、脳卒中といった心血管系疾患、肺炎などの感染症、および癌である。ゾレドロン酸を投与された患者は、これらの疾患があっても良好に生き延びる。ただし、骨折前に、老人ホームにいた人々や、認知症を患った人々は、同薬による生存のメリットを受けなかった。
ゾレドロン酸がどのような役割を果たしているかはいまだ明らかでない。「われわれは、同薬が免疫機能や炎症と関係があることは分かっており、それらは感染症や心血管系疾患2喪中ようだものである。おそらく、同薬はこうした体の力をよみがえらせるものであるとみられる。
(研究者はノバルティス社と関係がある。)
原文記事
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過去チップ1、ビスフォスフォネート
多発性骨髄腫においては、ゾレドロン酸に限らずビスホスホネート製剤には何らかの抗腫瘍作用があるみたいです。多分破骨細胞の抑制に関係した免疫調節効果があるのかもしれません。私自身、同種移植後の再発で、ビスフォナールというBP剤を使用して腫瘍が激減したのを実際に経験していますし、今生きておられるのもBP剤のおかげかもしれません。今後の研究によって、まだ知られていない作用機序が明らかになればいいですね(^^)
追記:
「ミエローマ(多発性骨髄腫)の資料館」のリンク先変わっていますので、変更していただければ幸いです。
http://web1.kcn.jp/ikyu3/myeloma/index.htm
ビスフォスフォネート剤、何らかの抗腫瘍作用は当初から、特にゾレドロン酸には報告されていましたが、ご自身で証明済みだったのですね。
なんとかあごの骨壊死を解決することができれば・・
ところで、サイトはまた強化されて立派になっていますねー
URL変更させていただきます。
私も、情報で救える命はあると痛感します。
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/cancer_reference/index.php?page=article&storyid=640
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/pubmed/index.php?page=article&storyid=436
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/cancer_reference/index.php?page=article&storyid=311
確かに、乳癌が主ですね。
多発性骨髄腫はあまり私も存じていませんが、もしご協力いただけるようでしたら、ちょっと尋ねてみます。
PubMed抄録も、出版社からの掲載制限要請があって・・・困ります。他国にも紹介されるべきと思います。
骨髄腫に対する抗腫瘍効果については、タイミング良く、今日PubMedに登録された論文があります[PMID: 19621390]。初めて動物モデルで直接的な抗骨髄腫効果が確認されたようです。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19621390
窒素含有ビスフォスフォネート剤((N-BPs)は多発性骨髄腫の患者において有効な骨融解抑制剤である。前臨床試験で、これらの薬剤はin vitroで直接的抗腫瘍効果を有し、さまざまな動物モデルでの全身腫瘍組織量を減らすことも示されてきたが、これらの効果が腫瘍での直接作用によるのか、骨吸収の阻害によるものかは明らかでない。N-BPsは破骨細胞内のファルネシル・ピロリン酸シンテターゼ酵素を阻害し、それによりシグナル伝達タンパク質である低分子GTPアーゼのプレニル化を阻害することで骨髄腫での骨破壊を抑止する。この試験では骨格病変を合併していない骨髄腫異種移植モデルを用いることで、ゾレドロン酸での治療によるヒトINA-6形質細胞を接種したSCIDマウスの有意な生存延長が示された。ゾレドロン酸の臨床使用量での治療後、腹腔からのINA-6腫瘍の組織学的な解析により、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)切断に関連した広範囲のアポトーシスを認めた。さらに腫瘍ホモジネートのウエスタンブロット分析により、非骨格性腫瘍のゾレドロン酸取り込みとファルネシル・ピロリン酸シンテターゼ阻害を示すプレニル化されていないRap1Aの集積が示された。これらの結果はN-BPsがin vivoでの形質細胞腫瘍における直接的抗腫瘍効果を有し、破骨細胞で観察されるものと類似の分子機構が働いていることの明確なエビデンスを与えるものである。
この結論からすると、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(FTI)に似た作用機序みたいですね。MMに対するFTI剤の臨床試験での効果はいまいちでしたので、ゾメタに抗腫瘍効果があるといっても、それほど期待できるものではないかもしれません。
早速、論文を見つけていただき、ちゃしば先生が翻訳くださったのですね。
ありがとうございました。
これは、サイトでアップするように回しますね。
ゾレドロン酸、記事のような臨床データをみると、期待できなくないと思えますーね。製薬会社関連のデータであっても。
遅ればせながら、これから、リサーチしますね。
またいつでも、情報聞かせてください。
ちゃしば先生、日記でもリクエスト歓迎~と広報してくださって、ありがとうございました。