がんの情報Tips

海外のがん情報を紹介。『海外癌医療情報リファレンス』https://www.cancerit.jp/関連ブログ。

放射線治療中の体重減少を防ぐ

2005-11-29 | 支持療法
Wake Forest大学バプテストメディカルセンターの研究者らの米国放射線腫瘍学会(ASTRO)会議での発表によると、女性ホルモン、プロゲステロンの合成薬である酢酸メゲストロール(megestrol acetate)が肺癌、頭頸部癌の放射線治療による体重減少を防止、QOLを向上させた。この薬は本来乳癌の抗ホルモン療法に用いられていたが、体重を増加させるという副作用が見つかり、その後の試験でHIVや癌の悪液質への食欲増進作用の結果が出された。
肺癌と頭頸部癌の患者は放射線治療中に食欲不振や体重減少、吐き気、嚥下痛(飲み込む時の痛み)などが起こりやすく、さらに化学療法などとの併用治療によりこの副作用は悪化しやすくなる。これらの患者の8週間の放射線治療後、体重減少の中央値は12ポンド(約5.4㎏)である。「治療中は食事の重要な時期であるにもかかわらず、食欲不振を訴える患者が最も多い。体重減少は全生存率、QOL、治療への奏効率を低下させる。」と、発表者のファーマー医師は述べた。
「臨床試験は38人を被験者に行われた。2週間後、酢酸メゲストロール投与群では体重に変化はなかったが、プラセボ群では11ポンド(約5㎏)減少した。この結果はまだ十分なものではない。今回の試験では見られなかったが、癌患者は酢酸メゲストロールを服用した場合血栓が報告されているので注意すべきである。」Wake Forest大学バプテストメディカルセンター


コメントを投稿