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松本清張と「天城越え」

2008-11-30 | 映画
先日本屋で見つけた本「天城街道」の冒頭に、松本清張の「天城越え」が載っていた。
著者は故板垣賢一郎さん、以前河津町長をされていた方です。
初版は昭和58年というから随分と昔の作品になる。

原作とともに松竹で映画かされた「天城越え」についての感想も書いてあったのでここに少し紹介したいともいます。

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 最近私は松竹映画、田中裕子主演の「天城越え」を見て驚いた。あまりにもポルノ映画じみた感じだった。さらに少年が土工を殺す場面の長ったらしい非現実的な描写はどうであろう。
 作者松本清張氏の小説のストーリーに対してどうこういうものではない。この映画のシナリオライターに対して、あるいは演出者に対し、あまりにも商業主義製作的な態度に心から憤りをかんずるのである。
 わが愛する天木さんがこんな低劣な映画の舞台になったことは感慨に耐えない。
 優麗古拙の天城山をバックにどんな映画ができたのかと期待して行った私は、最後まで見ないで殺人の場面で映画館の外に出た。見るにたえなかったからである。
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「天城越え」(1983年)映画は、主演の田中裕子さんがブルーリボン賞を受賞するなど、意外とファンの多い作品だと思いますが、ご覧になった方はどんな感想をお持ちでしょうか?
実際に出演されている俳優さんも今では有名な方が多いので驚いたほどです。
それにしても伊藤洋一(少年役)の演技は素晴らしかったなぁ。
渡瀬恒彦・田中裕子・平幹二朗・金子研三・吉行和子・小倉一郎・石橋蓮司・樹木希林・坂上二郎・柄本明・北林谷栄・佐藤允・山谷初男・伊藤克信・車だん吉・榎本ちえ子・中野誠也・加藤剛など豪華な顔ぶれです。


天城トンネルの薄暗い少し不気味な様子や、峠を越える少年がだんだんと不安になってくるのも良く分かる。(まぁ私も歩いていると良くある事なので)

それにしても若かりし頃の憧れというのはパワーがあるものだと再認識されられたなぁ。

映画も良いですが、私は原作が大好きです。



*湯ヶ島名物「イノシシコロッケ」をいただきました!
 濃い目の味付けなので、臭みはまったく無いんですよ…逆にそれが残念な気もしますが。