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十七歳の経験…

2009-06-14 | 
今朝はどんより梅雨空です。
少し雨もパラついていましたが…なんとかもちそう。


お借りしていた『十七歳の硫黄島(いおうとう)』秋草鶴次著を読み終えました。
夏が近づくたびに、日本の歴史を振り返るようにしていたのですが、ここまで詳細に書かれた経験談というものを読むのは初めてでした。

今現在も各地で講演を続けていらっしゃるそうです。
凄い事です。
(数年前にNHKのドキュメントで拝見した事があったのを思い出しました)


硫黄島…日本に2箇所あるのをご存知ですか?
戦地となったのは東京都の硫黄島(いおうとう)。
屋久島に行ったときに、おじいさんに硫黄島が見えるんだよ!と言われた事があって…鹿児島にも硫黄島(いおうじま)があるのですが、こちらは島民もいる普通の島だそうです。

写真は硫黄島の最後の砦といわれた、摺鉢山です。
今現在でも島は自衛隊の基地として使用されているそうですが、こちらのHP(硫黄島探訪)で現在の様子をご覧になる事ができます。



言葉で表現することの難しさ。
想像すらできない事の連続で…表面的にしか理解できなかった。

戦争というものの悲惨さ、そこにどれだけの意味があったのだろうか?

秋草さんの言葉:

「死んでね…。意味があるんでしょうかねえ。だけど、無意味にしたんじゃ、かわいそうですよね。それはできないでしょう。“おめえ、死んで、意味無かったなあ”っていうのでは、酷いですよね。家族に対してもね。そして、どんな意味があったかというと……これは難しいんじゃないですか?
 まあ、(死んだ戦友たちに対しては)俺はこういう生き方しかできなかったんだ。勘弁してくれって言うだけです。これで許してくれ、これで精一杯なんだ、と」

さらに、
「どんな意味があったか、それは難しい。でもあの戦争からこちら六十年、この国は戦争をしないですんだのだから、おめえの死は無意味じゃねえ、と言ってやりたい」


とてもとても重い言葉です。

この言葉の意味を…考えていかなければなりません。
戦争は絶対にしていけない事なのです。


*これだけ壮絶な経験をされているからこそ、口に出せない事もある。
 思い出したくない事もある。
 しかし、あえて記録を残して、後世に伝えようとする彼の生き方はさらに壮絶なものなのかもしれません。








十七歳の硫黄島 (文春新書)
秋草 鶴次
文藝春秋

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手放せない思い出…

2009-05-10 | 
テラスでモーニングのお客様。
とっても気持ち良さそうで、珈琲のお代わりも注文いただきました!
なんだかちょっぴり羨ましいなぁ。


最近、本の整理をしているのですが…。


どうしても処分できない本が昨日出てきました。

ディヴィット・アンソニー「真夜中の女」
角川書店 角川文庫 昭和53年刊

なんて事ないハードボイルドの長編小説なのですが、
思い出があるんですよね。

パリに滞在しているときに、日本語に飢えて古本屋に行きました。
フランス語の中に埋もれて、この本を発見したときの嬉しさは今でも忘れられません。
現在パリにはブックオフがあったりするので、古本がすぐに手に入りそうですよね。
なんといっても新品は日本の3倍の値段はするんですよ…貧乏旅行では買えませんでしたから。

とにかく長持ちしそうな分厚い本で、奥付の上に書かれた15F(当時で300円ほど)で決めました!

これがまた面白くて…イタリアへの列車旅に持って出たのはいいのですが、すぐに読み終わってしまって。それでも帰国するときに、まとめて送った本の中にこっそり忍ばせて置いたんですねぇ。
あれから一度も読んでませんが…またゆっくり読んでみたいと思います。

あぁ~読みたい本だらけで困ってしまうな。



現在は絶版状態のようです。


古本からのメッセージ

2009-05-07 | 
すっかり連休の雰囲気もこの雨で終わった気がします。
そして種まきした畑の土には湿っていい感じかもしれません。


古本好きな私がたまに出会うことがある奇跡について今日は書きたいと思います。

インドヘ行く前に古本屋で購入した本。
「インド風まかせ」鈴木美保子

女性一人で旅した紀行文で、思わず手にとって購入していました。

家に帰って表紙をめくると…まず出てきたのは切り抜いた新聞記事。

昭和59年11月19日(月)朝日新聞。
「著者と一時間」というコラムでした。

放浪の旅から得た
 生きることの意味
              鈴木美保子さん

===
通訳という仕事柄、海外へはよく出かけていたが、どういうわけかインドには縁がなかった。
「こんども、ヨーロッパだけ三ヶ月ほど旅してかえってくるつもりだったんです。それがインドに半年近くも居ついてしまって、自分でもびっくりしているんです」

「私が捜し求めていたものは、結局、自分自身の中にある、ということがようやくわかってきました」
===
といった対談の内容が紹介されている。

なんでも鈴木さんは早大文学部でイスラエル建国史を学び、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語と語学も堪能らしい。

それと一緒に出てきたのが1枚の便箋。

「お姉ちゃん 二十二歳のお誕生日おめでとう」というメッセージが書かれていた。
人の手紙とは知りながらついつい読んでみると、

===
遅くなってごめんね。
この本をずぅ~っと探していたものだから、
中身は読んでないから分からないけど、お姉ちゃんの一つの夢であるインド旅行のお役に立てたらと思い、この本をプレゼントいたします。
===

その後は、自分の近況や姉を心配する内容などがびっしり書き込まれていました。

なんだか素敵な姉妹愛をたまたま購入した古本から見る事が出来て、とても幸せになりました。


そしてページをめくっていくうちに、あちこちに赤線が引いてあるのが目に付きました。
きっと一生懸命読み込まれたんでしょうね。

たとえば、
「生きたいように生きている人たちは、社会的地位や何やらに関係なく、皆んな輝いて見える」
というような一行に。

古本との出会いというのも楽しいものです。
誰が購入し、どのような経緯で誰が読んで、私の手に渡ったか。
行間には読んだ人たちの思いでさえも、含まれている古本。

私はこの本を手放すべきなのか?
留めて置くべきなのか?

ちょっと迷っています。


*本の最後には鈴木美保子さんが「ミルク・アンド・ハニー」というジョンレノンとオノヨーコのアルバムについてのエッセイが掲載されているのですが、これまた読む価値あり!でした。







インド風まかせ―女ひとり放浪の記
鈴木 美保子
連合出版

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人生って。

2009-04-28 | 
先ほどまで晴れてたのに?
すっかり薄曇になってしまった。


今日は読書感想文を。

「血の味」沢木耕太郎著

ノンフィクション作家の初めての長編小説。
それも沢木さんの著書…ちょっと読むのを躊躇していたけれど思い切って読んでみる事にした。

帯を見ると「中学3年の冬、人を殺した」とある。

今では中学生が殺人を犯すというニュースも珍しくは無くなったが、ちょっと衝撃的…。

主人公が更生して人生を振り返ったときに、何を思うか。

少年の危うい青春時代…何を感じて考えていたのか?

少年でも少女であっても大人とのハザマで悩みも多く、考え方も危うくて仕方がない。
今となってはそう思うけれど、当時気がつくことは無いし、小さなことでも100倍もの凄い事件となって降りかかっているのが青春な気がする。

それを処理することも出来ないまま、爆発しそうになる心と体。

「人を殺す」

現実とすることは考えられないが、「殺す」という言葉を意外と軽々しく使えたような気がしてならない。
これは「自分を殺す」というのも当てはまる。
テレビゲームも流行してたし…言葉は使えば使うほど麻痺してしまう。

若い時の悩みって必要なのか?と疑問に思う事があるけれど、人生に悩みは付き物だし、現実的な大人の悩みよりよっぽど頭も心も使って一生懸命だったような気がする。

儚いけれど、濃密な時…。


少年には分からない両親の言う「あそこ」とは。

「…戻りましょう」
「あそこに戻りましょう。みんなが待っています」

そして母と妹だけが行ってしまった。


難しかったなぁ~この本。

最後に父が残した「黒い革の本」
そして最後まで戻る事の無かった「父がいた場所」とは?


勝手な想像だけど、この方はきっと牧師さんだったのかな~って思った。
なんで戻れないかは分からないけれど、毎日めくっては読んでいる「黒い革の本」は聖書にしか思えない。
そして自分は「死んだ…」と言い切り、静かに生きている(というか生かされている)
自分を殺す事は出来ないからなぁ~。


息子の人生と父親の人生…。

最後は重なって一つになり、人生はつづいていく。


皆さんはどんな感想を持たれるだろうか?



血の味 (新潮文庫)
沢木 耕太郎
新潮社

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村上春樹作品との出会い

2009-04-18 | 
昨日、近所のおじさんが亡くなった。
……つい数日前までおしゃべりしていたのに。
おじさんの顔は日に焼けて、笑うと深い皺が印象的だった。
「昔、船に乗ってたからなぁ~」って言ってたな。
熟睡しているような顔は穏やかで…ちょっとホッとした。
「ゆっくり休んでね…」と声をかけ、お線香をあげさせていただいた。
ご冥福をお祈りいただいます。



先日、未だに読んでなかった「海辺のカフカ」という村上春樹作品を読みました。
一言で「傑作!」と言えると思います。

15歳のカフカ少年。
猫や石とおしゃべりできるナカタさん。

美味しい食べ物。
素敵な音楽。
不思議なキャラクターたち。
私にはちょっと難しかった文豪たちの残した言葉。

印象的な場面が多く、想像を掻き立てられる。

もともと学生時代に出会った「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」という作品の影響で、ずいぶんと長編作品を読んできたような気がします。
独特の世界観に冒頭から引き込まれ、ずっしりと重い本を抱きしめながら村上ワールドに浸かっているのが大好きでした。

本に囲まれた幸せな生活、猫との会話など幼き頃から経験してきた彼自身の世界もこの作品に大きく影響しているんでしょうね。


1ページ1ページをめくる瞬間のドキドキ感やその感触、紙擦れの音。
そんな時間を過ごしている贅沢感。

やっぱり読書はいいものです。





「IQ84」という2000ページに及ぶ長編作品が(上・下巻)で5月下旬に新潮社より発売される予定だとか。
これまた楽しみですね♪


*写真は奇跡的に満開の夜桜を見ることが出来た。
 こんなときに限ってカメラは無く、あえなく携帯で撮影。
 でもこんな桜は二度と見られそうになかったなぁ。


短歌集とマリア観音

2009-03-29 | 
先日、東京の木蓮社という出版社から発売された短歌集。

「わが家の天使」後藤瑞義

が、伊豆新聞にも昨日掲載され紹介されました。


短歌という限られた語彙の中で、表現される内容はとても重いものが多く、読んでいてもご苦労された様子がよく分かります。

ほとんど歌集というものを手に取ることがないのですが、著者の方が河津出身ということと、出版社の方のご好意によって読ませていただくことができました。


表紙に使われた写真は下田「海善寺」にある石仏でマリア観音と呼ばれているそうです。
まだ詳しく調べてはいないのですが、こちらも複雑な歴史がありそうな感じがします。


一般的にマリア観音とは豊臣秀吉のバテレン追放令や江戸時代のキリシタン禁止令で弾圧を受けた者達によって造られた観音菩薩像を模した聖母マリアの像の事を指すらしいです。
マリア観音といっても、その形状は地域によってさまざまあるようで、手に十字架を持っているものや、子供を抱く母親の象、今回表紙に使われた千手観音のような像などなど。

ちょっと調べてみたら、長野県木曽郡大桑村の妙覚寺庭園内の石室に安置されている石仏は、下田のものとそっくりな気がするんだけど…。
気になるなぁ~。
ちなみにこちらは「天保三辰年」(1832)に作られたようですね。



きっとどこかに同じマリア観音が存在している気がします。


「わが家の天使」というタイトルですが、芥川龍之介「わが家の古玩」からきているのだろうか?
今度ぜひ伺ってみたいものです。


後藤瑞義さんのHPはこちら→人徳の部屋

ガイドブックに求めるもの…

2009-02-02 | 
今朝一番のお客様は中国からの観光客でした。
年々、アジアからのお客様が増えているような気がしています。
日曜日は天気も良かったので、桜見物や峰に出来た大噴湯公園のオープンにあわせていらっしゃった観光客の方も多かったようです。

いよいよ今週の土曜日7日から河津桜祭りが始まります。

***

観光地に行くときには必ずガイドブックを見るか購入することが多い。
ほとんど知らないことが多いし、地図が必要だから…。

ロンリープラネットには情報量は多いものの、あまり細かいことは書かれていない。
それはあまりにも情報を載せすぎると、何のために旅をしているのか分からないから…。
「○○の歩き方」なんかは細かすぎるほどの情報が日本人向きなのかもしれない。
「何番バスに乗って…」とか、目印は「○○の建物」とか。

未知の世界に行くときは、やはり不安ですからね~。
私も何度となく助けられました。


ちょっと変り種で面白いガイドブックを発見したので紹介したいと思います。

今年生誕100周年という記念の松本清張が書いた「今日の風土記」シリーズ。
文庫になっているものを手に入れました。
「鎌倉(箱根・伊豆)の旅」

彼の言葉をそのまま引用すると、
「とにかく現地を見る人の目になって、おもしろい手引書になることを第一とした。また、じっさいには行かなくとも、これだけでも興味ある紀行読物になることを心がけた。読者がこれによって愉しい地理と歴史の径に分け入り、詩趣と旅情を得られるなら、その旅はさらに豊かとなり、また、家にあっても遊心おのずから起こることと信じる。」


旅を何十倍に楽しませてくれるのは、歴史だったりする。
知ってるのと知らないとではぜんぜん違うんだろうなぁ~。
だからガイドさんという職業が必要になる。

この本には下田と天城山と伊東などが載っているけど、河津については残念ながら無い。
春になったら鎌倉や箱根も一読してから出かけてみようっと!


深夜特急再び…

2009-01-26 | 
今、地レモンが最盛期です。
無農薬で見栄えは少々悪いですが、安全で新鮮なので嬉しい限りです。
先ほどレモンをたっぷり入れたケーキをオーブンに入れました。
皮を摩り下ろす柑橘系のケーキは無農薬が一番です!


***


ふと立ち寄った本屋で、懐かしいタイトルを見つけた。
「旅の力」という沢木耕太郎さんの最新作だった。
まだ学生の頃、彼の書いた「深夜特急」を読み、旅への憧れがさらに膨らみ、彼の旅が始まった26歳という年齢と同じ歳に、私も長期海外旅行へと行く事になった。
そして今でも、海外へ行くときには読み返すことが多い。

「デリーからロンドンまで乗り合いバスで旅する」という計画がどのような形で実現に至ったのか…この本を読むと、旅とは出会いと偶然の産物なのだと思わざるを得ない。


今ではインターネットをはじめ、旅のマニュアル本、ガイドブックが溢れているけれど、情報のない旅を続ける勇気は相当なものだと思う。
私の場合は時間がないのもあるけれど、行き先についての情報はなるべく日本にいる間に調べるようにしている。
そうでないと不安ばかりが先行し、旅先で楽しむ前に帰国…ということになりかねないからだ。


どのようなきっかけで旅に出るかは、ひとそれぞれ違うと思うけれど、旅は幾つになっても楽しいものだと思う。


海外で立ち寄る古本屋には必ずといっていいほど深夜特急の文庫本が売られている。
中には人の手を何度なく渡ってきたのかボロボロの物も多い。

時代は変わっても、旅好きの人が必ず一度は手に取る本なんだろうなぁ。







旅する力―深夜特急ノート
沢木 耕太郎
新潮社

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インドへ旅する前に

2008-12-13 | 
川沿いを散歩していると、桜祭り用に蒔かれた菜の花が咲いている。
なんだかその一角だけは春を感じさせてくれました…それにしてもちょっと早いけど。


旅に出るときには文庫を1冊~2冊持っていくことが多い。
今回も何を持っていこうかと考えていたところ、やはり遠藤周作の「深い河」にしようと購入しておいた。
しかし、どうにも気になって読み始めてみれば、あっという間に完読してしまい…しまったなぁ~という思い。
なぜなら、この本の舞台は今回行くことにしているベナレス(バラナシ)なのだ。

きっとガンガーを眺めながらこの本を読めばひとしおだと思うから。

バックパックに入れた本を意外と読みきれずに、誰かにあげるか持って帰ることが多いのを考えると、読んでおいて良かったのかもしれない。
だって、読むとインドへ行ってみたくなる…誰でもそう思うんじゃないかな?


人それぞれいろいろな思いでインドへ旅行へ出る。

本当に人生いろいろだ……。


私は遠藤周作の宗教観に共感を覚える。
彼はクリスチャンだから私とはまた違うとは思うけれど。
でも人生を考えたときに、奇跡というものが無くても自然と納得できる…なんでだろう?


お釈迦様の生まれた国で、ヒンドゥー教の神々が存在し、マザーテレサの家があり、アッラーもいる国。


私はインドで何を感じられるだろうか?










深い河 (講談社文庫)
遠藤 周作
講談社

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過酷すぎる冒険記…

2008-09-25 | 
昨日の定休日はほんとに気持ちの良い秋晴れの1日となりました。

あまりの晴天に勢いづいて、山に行ったのですが…その報告はまた後日のお楽しみに。
そんなきっかけにもなった1冊の本を今日は紹介したいと思います。


「脱出記 シベリアからインドまで歩いた男たち」

シベリアからインド?
いったいどれだけの距離があるのだろう?
モンゴルを越え、ゴビ砂漠…チベット…ヒマラヤ…。
普通に考えても、完璧な装備で行ったってこれだけの距離を歩き通すのは不可能じゃないかな。

私が山を歩くときは、どんなに小さな山でも地図にコンパス、ザックに食料と水1リットル、ゴアテックスにヘッドランプくらいは持って歩く。

本の帯を見ると踏破距離6500キロ、所要日数12ヶ月余!と書いてあった。
1年ほどで済んだことに驚いたが、その道中には厳しい自然と仲間たちの結束の強さ、そしてなによりも土地土地の人々の優しい施しに感動して泣けてくる。

第二次世界大戦のさなか、ポーランド陸軍騎兵隊中尉だった著者はソ連当局にスパイ容疑でシベリア強制収容所に入れられることになる。
その時の尋問や投獄されているときの様子も過酷過ぎるし、シベリアまでの道のりもかなり強烈だった。
収容所で仲間を見つけ、無事に脱出成功する。
しかし、それからが厳しい本当の冒険のはじまりだった。


著者はたった1冊に経験をまとめていているけれど、何百冊と書いたってきっと書き切れないほどの内容があるはずだ。
今まで、戦争体験や収容所での話も多く残されてきたがこの本はまた別の意味で過酷な人生を送ってきたのが分かる。
「自由の国」インドですぐに回復できずに、大変な思いをしてきたのも最後のほうに少しだけ書かれているが、これこそ自分には想像すらできない経験なんだと思う。


「生きる」目的だけ失わなければ、人間はどれだけ過酷でも耐えていけるのかもしれない。
自分にそれだけのものがあるのだろうか?



明日は映像化されたノンフィクションを紹介したいと思います。



脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち
スラヴォミール ラウイッツ
ソニーマガジンズ

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■お知らせ

10月18日沼津の視聴覚ホールにて映画が上映されます。

貴重な1日、昼・夕2回だけの上映です。
ただいま前売り券発売中。
(大人1000円、小人500円)
ぜひこの機会にご家族でいかがですか?
(当店でも購入できます)

沼津市立図書館(沼津市三枚橋町)
問合せ(芹澤)→moanayumi@yahoo.co.jp

地球交響曲 ガイアシンフォニー 第三番』
1997年/日本映画/カラー/スタンダードサイズ/2時間30分/ドキュメンタリー
英語題名:GAIA SYMPHONY III

「地球交響曲第三番」では、1996年8月8日にロシアのカムチャツカで熊に襲われて亡くなった写真家、星野道夫と行くはずだったアラスカの大自然の旅を縦軸にして宇宙的なスケールで人類の未来を語る宇宙物理学者フリーマン・ダイソン博士を太古からの鬱蒼とした森に囲まれ、野生のオルカ達が集まってくるカナダ・ハンソン島で撮影。また、ハワイからタヒチ島までの、かつて祖先達が渡ってきた外洋カヌーの航海を復活させた、ハワイ先住民族ナイノア・トンプソンを登場人物としています。


星野道夫さんについて(公式HP)

自転車で凄いな…。

2008-08-15 | 
今日からすでに都会へ戻る人が出てきているようです。
休みの疲れを取るのにも1日はかかりますよね。
昨夜は風呂上りにテラスで一杯やりながら涼んでいたところ、遠くの海の上で花火が上がっていた。
そろそろ夏の終わりを感じています…。


旅好きな人間としては一生に行ける場所が限られているので、誰かの旅行記を読むのがやめられない。
椎名誠さんもそのようにおっしゃっていた。
そしてその椎名さんが解説しているこの石田ゆうすけさんの「行かずに死ねるか!」は絶対自分には出来ない旅のスタイルなのであっという間に読んでしまった…。

まず自転車で大陸横断は出来ない。
レンタサイクルはしても自転車で国境越えはなかなか出来ないと思う。
本の中には同じような志しで自転車で旅する人々が多く出てくるのに驚いた。
なんだかんだで7年以上も世界中を旅していた。
なかなか出来ないことだと思うけどな…。

世の中は広いなぁ~。

いろんな人がいるもんだ。

ほかにも数冊出版されているらしいので、ぜひそちらも読んでみようと思う。


今度生まれ変わったら、男がいいな。
そして荒野を走り抜けるのだ!




行かずに死ねるか!―世界9万5000km自転車ひとり旅
石田 ゆうすけ
実業之日本社

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怖いけどラストがいまいち…。

2008-08-10 | 
曇り空でも海には人が大勢出ています。
すっかりお盆モードですね。

海の遊びに疲れたらこんなところはいかがでしょうか?

河津ブルーベリーの里は今年オープンしたばかりの河津のニュースポットです。

40分間食べ放題で一人500円。
8月20日までとのことですが、果実がなくなり次第終了になるそうです。
時間は9時~4時まで。

近くには「わくわくの森」や「三段滝」など自然で遊べるところがたくさんあります。
虫よけスプレーと日焼け対策して、ドリンク片手に出かけましょう!


「雷鳴の館」D.Rクーンツを読みました。

久しぶりにスリリングなサスペンスでしたが、冒頭から一気に読ませてもらえたものの、最後のほうはちょっと雑なつくりになり、せっかくの怖さも無くなってしまいました。
できれば、最後に「おぉ~」と唸らせてくれるようなものが読んでみたいな。


起きたときには病院のベッドの上だった…それも記憶喪失で…そんなことは自分にはないとは思いつつ、実際になったらこんな恐ろしいことはないですよね。


今まで読んで一番怖かった本はなんだったろう?
文字で読むホラーで怖かったのは意外と「リング」だった気がする。




雷鳴の館 (扶桑社ミステリー)
細美 遥子,ディーン・R. クーンツ,Dean R. Koontz
扶桑社

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青空について…

2008-07-22 | 
昨日は目の前の川で60センチもあるスズキが釣れたそうだ。
燃料の高騰により、漁に出れない船が多い中、食卓にあがる魚も値がどんどんあがるだろう。
また来月ガソリンが値上げし、ますます生き難い日々が続く……。

そろそろ釣りの勉強もしておこうかな?


原田宗典さんの作品は今まで手にとって読んだものはどれも面白かった。
「青空について」は詩集・散文詩として初めて書いたものだそうだが、この作品を知ったきっかけになったのは屋久島での出会いだった。


屋久島の素泊まりの宿「晴耕雨読」で出会った一人の女性。
彼女はとても自然体でなんだかいい感じだった…。
なんだろう?
とっても素敵な人だったなぁ。

かとうゆめこさん。
画家。

ちょうど鹿児島で個展があったそうで、そのまま足を伸ばして屋久島に来てみたと言っていた。
本当に残念だったのは宿泊が重なったのがたった1泊だけだということ。
もっとたくさん色んな話を聞いてみたかった。

ちょっとだけ披露してくれたアフリカンダンスは彼女の足が床に触れると、まるでアフリカの大地にいるような錯覚さえ覚える。聞こえないはずの太鼓の音さえ感じた。
まだ行ったことのない未知の大地を…あぁ~いつかは行ってみたい!と思ってしまった。


私は彼女と一緒に食べた青いパパイヤを一生忘れることはないだろう…。



旅をすると多くの出会いに元気をもらって帰りますが、この本は、読むだけで元気をもらえますよ。
もちろん絵からもね♪

お勧めです!


*詩なのであえて内容は書きませんでした。
 ぜひ手にとってみてください…。

青空について
原田 宗典,かとう ゆめこ
光文社

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一度は行ってみたい…

2008-07-08 | 
昨夜は星も見えず…梅雨空が続いています。
ここ数日、霧が発生するのですがこんなに続くのは初めてです。
静岡県では死亡事故が増え続け、ただいま全国3位になってるそうです…。
これから夏休みに向かって、県内の事故が減ってくれるといいのですが。
飲酒運転は減ってますが、携帯電話で通話しながら走行している人を本当に良く見かけます。
自分だけは大丈夫とは思わずに、不意の事故にも対処出来るようシートベルトもきちんとしましょう!
携帯電話はやめましょうよ……ね。


先日から読み始めた本「インド旅行記1」は賛否両論のようですが、私は好きです。
中谷美紀さんの旅行記なのですが、あの美しい人がどのような旅をするのか?それもインドを…ですよ、興味がありました。

日常の食生活の様子や潔癖すぎるほどの清潔好き。
飾らない彼女の旅の様子で人間性が垣間見えます。

食中毒にならないために、怪しいものを食べた後、わさびのチューブを口に入れたりする人はそういないとは思いますが、サンダルで出かけた後、手足を除菌ウエットティッシュで拭くあたりは共感する人も多いのでは?

メインはヨガとアーユルヴェーダの体験談。
最近では、菅野美穂さん他女優さんがインドでヨガを体験するのをTVで拝見しましたが、皆さんポーズも様になっててとても美しい…。
なんとなくヨガというものを勘違いしていた自分がいました。
自分の中で繰り返される訓練はまるで禅僧のようです。
ちょっと興味が沸いてきます。

今回のサミットはインドからも参加していますが、環境問題を考える上でのヒントもこの本を読むと多少理解することができるかも。
国が抱えている難しい問題は山積し、解決の糸口さえ見えない状況はインドだけではなく、多くの発展途上国は抱えています。

自分に何ができるか?
とにかく興味を持って、何かを始めてみたり、止めてみたりしてみませんか?



霧の中って

2008-07-05 | 
朝からガスがかかってて、視界の悪い河津河口です。
ちょっと車の運転も気をつけないと危ないくらい。
なんとも不気味な感じがしています。


霧にちなんで今日は1冊紹介したいと思います。


新本格ミステリー(というジャンルがあるらしい)で有名な綾辻行人さんの「霧越邸殺人事件」です。


ミステリーにはまっていた時に綾辻さんの「館シリーズ」を読んでいました。
新作が出るのが待ちどおしくて……。

探偵や活躍する人物が魅力あるとついシリーズで読みたくなるものです。

この「霧越邸殺人事件」は館シリーズではないのですが、逆に新鮮な感じがしてとても面白く読んだ記憶があります。
とにかく風景描写が美しく、想像し、まるでそこにいるかのように感じることで物語に入っていけました。

緻密なトリックやどんでん返しのエンディングに期待することの多いジャンルですが、この不思議な「霧越邸」については分からないまま終わってしまいます。

どこかに存在していそうな…そんなことを期待してしまいます。


ほかにもホラーになるのかな?ちょっと恐ろしい「殺人鬼シリーズ」や「囁きシリーズ」なんていうのもあります。


今年、「深泥丘奇談」という怪談集を発売したのですが、あの祖父江慎さんが装丁しているんです。
とても斬新なデザインで情熱大陸でその過程を紹介していたのが印象的です。
ぜひ新たなジャンルにチャレンジした作品を読んでみたいと思います。






霧越邸殺人事件 (ノン・ノベル)
綾辻 行人
祥伝社

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