現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

小川洋子「竜の子幼稚園」いつも彼らはどこかで所収

2018-05-18 08:37:04 | 参考文献
 病院の調理助手を定年退職して、身代わり旅人になった女性の話です。
 身代わり旅人というのは、何らかの理由で旅行ができない人に代わって、その人に関する物を「身代わりガラス」という容器に入れて旅をする職業です。
 彼女は、幼い頃に幼稚園の滑り台で死んだ弟のことを、今もひきずっています。
 いくつもの卓越したアイデアをもとに、リアリズムとファンタジーの狭間が鮮やかに描かれます。
 児童文学でも、このような世界はよく書かれています(例えば、安東みきえの「夕暮れのマグノリア」など)。
 この作品も、子どもだけでなく大人(特に女性)も読者対象とした広義の児童文学といえるでしょう。

いつも彼らはどこかに
クリエーター情報なし
新潮社

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