童話、児童文学、漫画、映画などの登場人物を借りて書かれた連作短編集の表題作です。
題名のクリストファー・ロビンは、有名なA.A.ミルンの「くまのプーさん」に出てくる少年で、ミルンの息子でもあります。
「くまのプーさん」はクリストファー・ロビンのために書かれた作品で、続編の「プー横丁にたった家」のラストで、他の登場人物がクリストファー・ロビンに別れを告げた時に、くまのプーさんだけはクリストファー・ロビンと一緒に旅立つシーンが印象的です。
少年時代の終わりと変わらぬ友情を象徴的に描いていて、あまたの児童文学の作品の中でも屈指のラストシーンだと思います。
この高橋の作品でも、世界全体が虚無に取り囲まれた中で、クリストファー・ロビンとくまのプーさんというフィクションだけが最後まで友情を保つラストシーンは、原作のラストを踏襲していています。
細かい点ですが、「くまのプーさん」の他の登場人物の名前が、日本でも古典になっている石井桃子の訳と異なっています。
高橋が原書を読んでこれを書いたのならいいのですが、「まさかディズニーじゃないよな」と少し気になりました。
この作品では、それ以外に「浦島太郎」、「七匹の子ヤギ」、「三匹の子ブタ」、「赤ずきんちゃん」、「不思議の国のアリス」といった古典的な童話や人気絵本の「あらしの夜に」のパロディもしているのですが、これらはもっと優れたパロディを知っているのであまり感心しませんでした。
また虚無に対するフィクションという対置も、ミヒャエル・エンデの「ネバーエンディング・ストーリー」のパロディなのでしょうが、どこまで成功しているかは疑問に思いました。
題名のクリストファー・ロビンは、有名なA.A.ミルンの「くまのプーさん」に出てくる少年で、ミルンの息子でもあります。
「くまのプーさん」はクリストファー・ロビンのために書かれた作品で、続編の「プー横丁にたった家」のラストで、他の登場人物がクリストファー・ロビンに別れを告げた時に、くまのプーさんだけはクリストファー・ロビンと一緒に旅立つシーンが印象的です。
少年時代の終わりと変わらぬ友情を象徴的に描いていて、あまたの児童文学の作品の中でも屈指のラストシーンだと思います。
この高橋の作品でも、世界全体が虚無に取り囲まれた中で、クリストファー・ロビンとくまのプーさんというフィクションだけが最後まで友情を保つラストシーンは、原作のラストを踏襲していています。
細かい点ですが、「くまのプーさん」の他の登場人物の名前が、日本でも古典になっている石井桃子の訳と異なっています。
高橋が原書を読んでこれを書いたのならいいのですが、「まさかディズニーじゃないよな」と少し気になりました。
この作品では、それ以外に「浦島太郎」、「七匹の子ヤギ」、「三匹の子ブタ」、「赤ずきんちゃん」、「不思議の国のアリス」といった古典的な童話や人気絵本の「あらしの夜に」のパロディもしているのですが、これらはもっと優れたパロディを知っているのであまり感心しませんでした。
また虚無に対するフィクションという対置も、ミヒャエル・エンデの「ネバーエンディング・ストーリー」のパロディなのでしょうが、どこまで成功しているかは疑問に思いました。
さよならクリストファー・ロビン | |
クリエーター情報なし | |
新潮社 |
僕は、オマージュだとかパロディの分野に疎く、またこの物語になるほどと感心した者の一人です。
できれば、より上等なパロディ作品の名前をお教えいただけないでしょうか?個人的に、とても読んでみたいです。