現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

庄野潤三「尺取虫」絵合わせ所収

2020-11-23 15:38:06 | 参考文献

 「季刊芸術」昭和43年冬季号に掲載されて、短編集「小えびの群れ」に収められた短編です。

 この作品の構成は、以下の通りです。

1 尺取虫をめぐる家族のやり取り。

2 小学校六年生の下の息子である良二の友達の宇田くんの話。

3 ムラサキシキブをめぐる家族のやり取りと、良二のともだちの話。

 この時期になると、作者の家族小説のスタイルは確立されて、家族とその周辺(この作品の場合は良二の友達)に関する日々の出来事から構成されるようになっています。

 フィクション性はほとんど失われて、限りなくエッセイに近づいているかもしれません。

 しいて小説としての文学性をあげるとしたら、題材の組み合わせの妙や作者の滋味あふれる文章ぐらいです。

 

 

 

 

 

 


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