日本政府が,「慰安婦の強制性を示す資料はなかった」ということを閣議決定したのを受けて,韓国のマスコミが大きく報道しています。
朝鮮日報は,社説にとりあげた(→リンク)。
(日本政府は)「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」という答弁書を提出した。この閣議決定は、「慰安婦の強制性を証明する証言や資料はない」とした今月1日の安倍首相の発言を支持するものだ。
しかし実際には、現在も元慰安婦の女性たちから多くの生きた「証言」が出てきている。先月米下院で行われた聴聞会では、韓国人の元慰安婦だけでなく、インドネシアに住んでいたオランダ人女性までが出てきて証言した。
オランダ人女性のケースは,軍規違反で慰安所が閉鎖され,戦後は首謀者が戦犯として裁かれた戦争犯罪。軍規違反であったことは,日本軍の方針でなかったことを示しています。(→参考)
さらに「証拠」には日本人学者や日本軍当局の資料もある。中央大の吉見義明教授…,倉橋正直という学者…
吉見教授は,論争の途中でどうやら強制連行が行なわれなかったということがわかって,「狭義」と「広義」という概念を導入し,何が何でも「強制連行あった論」を主張した人ですね。
倉橋さんは,独創的な「証拠がないのがいい証拠論」を展開した人。
日本政府が、こうした数え切れないほどの証言や資料を前にしても、「資料はない」としていることは、問題が資料の有無ではなく、日本の良心にあることを示している。
韓国について言えば,強制連行を示すものは「証言」しかなく,その「証言」が疑わしいということです。
「強制連行あった派」の論文を「資料」といわれても…。
証言の疑わしさについて,以前,金学順さんのケースを取り上げたことがありますが,今回は別の例をご紹介します。
韓国政府は1992年7月31日,「日帝下軍隊慰安婦実態調査報告書」を発表しました。
同報告書は,同年2月25日から6月25日まで,各役所に設置した挺身隊被害申告センターに寄せられた証言をもとにしています。申告センターに申告できる対象は「女子挺身隊、女子愛国奉仕隊などの名で連行され,日本軍慰安婦生活を強要された人」に限定されています。
つまり,たんに慰安婦をしていただけでなく,「挺身隊などの名で連行された人だけ」が対象です。
そして,その期間に集まった74証言のうち13証言が発表されました。発表されなかった61証言は,強制連行ではないケースだったのでしょうか。理由は不明です。
そして,これら13証言のうち,日本の新聞でも7証言が報道されたらしい。これは,毎日新聞からの引用のある,次のページで見ることができます(→リンク)。
私は、この(1)の証言に疑問をもった。
(1)1938年8月、日本式の名前に強制的に変えさせる「創氏改名」に反対したことを理由に家族が警察に連行された。「愛国奉仕隊」に志願すれば父が釈放されると聞き志願した。しかし、すぐに慰安婦にされジャカルタに連れて行かれた。途中で不妊手術を受けた。46年、船で帰国した。
なぜなら,悪名高い「創氏改名」が行なわれたのは1940年で,その計画すら発表されていない38年8月に「創氏改名」に反対するということはありえないこと。
また「愛国奉仕隊」というのが「女子挺身隊」のことだとすれば,女子挺身隊の朝鮮半島での初めての動員(平壌女子挺身隊,平壌での工場労働)が行なわれたのが44年3月であって,これまた時期が大きく食い違うからです。
毎日新聞の誤訳かとも思って韓国の新聞記事を検索すると,二つのバージョンがあった。
一つは京郷新聞,もう一つはハンギョレ。ハンギョレのものは京郷よりも短く,要約されている。毎日の記事はハンギョレの記事を翻訳したものでした。
同じ証言を,京郷新聞の記事から訳すと…
〈京郷新聞〉
◇事例1=1938年8月,日本の警察の真鍮製食器上納要求を拒絶し,創氏改名に反対したという理由で家族がみな警察署へ連行された。このとき,里長が愛国奉仕隊に志願すれば父親が釈放されるかもしれないと勧めたので,自ら志願,その途中で従軍慰安婦として連れて行かれた。ジャカルタにある慰安所に連れて行かれる途中,中国の広東で不妊手術を受けた。1946年3月ごろ,米軍の助けでジャカルタから船に乗って帰国した。
ハンギョレ版と比較してみましょう。
〈ハンギョレ〉
(1)1938年8月、日本式の名前に強制的に変えさせる「創氏改名」に反対したことを理由に家族が警察に連行された。「愛国奉仕隊」に志願すれば父が釈放されると聞き志願した。しかし、すぐに慰安婦にされジャカルタに連れて行かれた。途中で不妊手術を受けた。46年、船で帰国した。
ハンギョレでは,次の部分がカットされている。
「日本の警察の真鍮製食器上納要求を拒絶し」
「里長が愛国奉仕隊に志願すれば父親が釈放されるかもしれないと勧めた」
(里は朝鮮の行政単位で,当時の里長は全員朝鮮人)
「真鍮製食器上納要求拒絶」と「里長が勧めた」を,なぜハンギョレがカットしたんでしょう。まず,里長のほうは,当時の里長が全員朝鮮人だということをどこかで調べ,それは隠したいと思ってカットしたのではないかと思います。
真鍮のほうは,年度と合わないからだと思われます。
日本が朝鮮半島で真鍮などの金属を供出させたのは1942年。まず商店や工場を対象に行なわれ,それが一般家庭に広げられたのが43年。「証言」にある「38年」とは合いません。
しかし,「創氏改名」や「愛国奉仕隊」のほうはよく知らなかったのか,そのまま記事にしたのでしょう。
とにかくこの証言はめちゃくちゃです。
「43年」の真鍮製食器上納要求と「40年」の創氏改名に反対し,「家族がみな警察署へ連行され」,朝鮮人の里長が「44年」に初めて登場する愛国奉仕隊に志願することを勧めた。これらすべてが38年に起きたことになっているのです。
「創氏改名」は年度がおかしいだけじゃない。「創氏改名を拒否して警察に連行された」などという話は,「創氏改名」の実証的な研究書をみても,どこにも出てこない。ありえない話です。
きっと,92年に申告するに際し,いろんな人が知識を持ち寄って,おばあさんに書かせた作文でしょう。
これを信じろと言われても無理です。
つまり,韓国政府はこの報告書をまとめるにあたり,証言をほとんど検証しなかったことがわかります。いや,検証したのかもしれません。検証の結果,74証言のうち61証言をカットしたのかもしれない。しかし,とっておきの13証言もこの有り様です。要するに杜撰なんですね。
この報告書が発表された際,朝鮮日報は92年8月1日の記事で,
「世界史上類例のない、国家機関の強制力によって運営された慰安所という公娼制度の実態とその残虐性が、今回の報告書を通じてはっきりと究明された」
と断定しました。
私は、検証されない証言に基づいた杜撰な韓国政府報告書を、とても受け入れる気にはなりません。
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この証言の杜撰さはもう目も当てられないですね。
韓国紙の記事まで当たっていただいてご苦労様です。
ただし、住民登録番号が必要です。
私は友人の番号を借りてます。
http://bbs.enjoykorea.jp/tbbs/read.php?board_id=thistory&nid=1839518
もうご存知かもしれませんけど。
昔の記事をあさればもっともっと
出てくるかもしれませんね。
とにかく当時はこんなことが当たり前だったんだ、
ということですね。
ここで紹介されてます。
http://www.youtube.com/watch?v=NGN8hEaHo7U
ちなみにこのサイト、今いろいろ話題になってます。
今晩のBSで下記の番組やるそうです。飲んで忘れなければ、見るつもりです。
BS特集 「インターネットと放送の新時代」-第1部 急成長する“動画サイト”-
売春は不法なはずなんですけどね。
http://blog.goo.ne.jp/bosintang/e/59a549a95ded20713df9d96bbd91e88c
酒飲んだので、見逃しました(笑