犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

07年8月一覧

2007-08-31 23:59:12 | 索引
070802韓国の国語教科書~外国文学の翻訳070804祖国(くに)ことばもてあらわせぬ070805韓国のニューメディア070807金素雲①~タイカンミンコク070809金素雲②~種痘としての親日派070810金素雲③~鉄甚平『三韓昔がたり』070812千里香070813免許更新①~失効070814免許更新②~長い長い一日070815免許更新③~中国の駐在員070816幻の三中井百貨店070817 . . . 本文を読む
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金素雲⑥~敗らすに惜しや

2007-08-29 00:07:16 | 日帝時代の証言
 これもまた金素雲の文章。 終戦の年の二月,月のない夜道を,私は中野の或る裏通りに知人を訪ねての帰りでした。二,三日降りつづいた雨がやっと上がったばかりで,あたりは灯火管制中の,鼻をつままれてもわからぬ真っ暗闇でした。「ぬかるみを踏んづけては大変だが――」 路地の角で私は進みかねてためらっていました。そのとき,(管制が終わったのか)向こうから来る提灯が一つ目に入りました。「そうだ,あの明かりの通り . . . 本文を読む
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一カ月ぶりの韓国

2007-08-27 00:00:01 | 韓国便り(帰任以後)
 バンコクから深夜便で成田に着き,荷物をピックアップしたあと,すぐさま仁川へ。 成田-バンコク-ソウルと飛ぶよりも,成田・バンコクと成田・ソウルをそれぞれ往復するほうが6万円も安い。それだけあれば,もう一回ソウルが往復できる,ということで,きついけれども成田-バンコク往復+成田-ソウル往復というルートでの出張です。 宿泊は2年ほど前にできたIBISアンバサダー。 安い。朝食付き,インターネット無料 . . . 本文を読む
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バンコク便り~合掌するドナルド

2007-08-26 09:11:28 | バンコク便り
 タイに来るといつも感じるのは,タイ国民の人当たりのやわらかさ。ほほえみの国タイと言われるように,こちらで会うタイ人は,空港職員もタイ支社の社員も,食堂のアガシたちも,おしなべて気持ちのいい笑顔で迎えてくれる。 そして,タイ式の挨拶。 顔の前で合掌し,軽く膝を曲げる。特にタイの子どもたちにこの挨拶をされると,なんともかわいらしい。 タイ出張も,今回が6回目ぐらいでしょうか。回を重ねるごとに新発見は . . . 本文を読む
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バンコク便り~国民投票

2007-08-25 01:55:03 | バンコク便り
 日本帰任後の最初の海外出張は,バンコク~ソウル。 異常な猛暑の日本から来てみると,バンコクが大して暑く感じられない。 常夏の国タイですが,上着は必須です。室内でクーラーをガンガン効かせているからです。寒い会議室で会議をしているとき,あるタイ人女性職員は,マフラーをしていたほどです。  これは,冬の寒い韓国で室内をオンドルでポカポカにして,半袖半ズボンで過ごすというのと似ています。 その点,日本の . . . 本文を読む
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金素雲⑤~日本の「善」を識る

2007-08-23 07:00:54 | 日帝時代の証言
 次は,鄭大均が「外国人が日本人の美徳について記した最も印象的な文の一つ」と評している文章です。 数えて十五年になります。そのころ私は京城に住んでいて,たまたま東京へ旅行中でした。 ある日,宿である東京鉄道ホテルに東京駅から電話がかかりました。東京駅から私へ電話のかかる用事などは思い当たりません。誰か名前の似た人へ掛け違ったのではないかと危ぶみながら,私はその電話に出ました。「実は,あなた様へ宛て . . . 本文を読む
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金素雲④~反骨精神

2007-08-21 02:56:30 | 日帝時代の証言
 金素雲は,自伝『天の涯に生くるとも』以外にたくさんの随筆を発表したようですが,今はどれも入手が難しい。 幸い,鄭大均『日本(イルボン)のイメージ』(中公新書,1998)の中に,相当部分が引用紹介されているので,そこからいくつかを再引用します。 私の生まれた牧の島(絶影島)と釜山の市街とは,いまは開閉式の鉄橋になっているが当時は八トンのポンポン蒸気が往復しながら人を運んでいた。 ある日,その渡船の . . . 本文を読む
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声調言語と遺伝子

2007-08-20 02:07:48 | 言葉
 今,タイのバンコクに来ています。クーデター政権の憲法の信任投票が行われ,即日開票の結果信任。年内に総選挙が行われるそうな。 ところで,なんかわけのわからない記事があった(→リンク)。 中国語など抑揚によって単語の意味が異なる声調言語が存在する背景に遺伝学的要因があるとの説が、米科学誌「サイエンティフィック・アメリカン」9月号に掲載された。 英エジンバラ大学のロバート・ラド教授(言語学)らによる研 . . . 本文を読む
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四川料理&ダーツ

2007-08-19 00:01:30 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)
 暑い。 暑さを吹き飛ばすには,辛い料理で!ということで,池袋の四川料理を食べてきました。 上海出身の中国人が太鼓判を押す本格中華。店は汚いですが,それがまた期待をさせる。メニューに並ぶ見慣れぬ料理はどれも辛そう。 まずは,連れの中国人お勧めの,「豚の血のスープ」。これは「ソンジヘジャングク」で慣らした私にとって,なんのことはない。レバー状に固まった豚の血のこごりに混じって,牛の何番目かの胃(セン . . . 本文を読む
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李箱と三越百貨店

2007-08-18 00:50:13 | 韓国雑学
 日本の芥川賞に匹敵する権威をもつ文学賞に,李箱文学賞があります。 李箱は韓国音で「イサン」。イサンは「異常」に通じます。「へんな奴」という意味で,このペンネームを選んだとも言われ,その作品は前衛的で難解。 李箱の代表作が,「翼(ナルゲ)」。 売春婦の情夫として,寄生生活を送る主人公。自分にあてがわれた部屋の中で妻の化粧品の臭いをかぎながらすごす。妻に客がつくと,お駄賃をもらって街にほうりだされる . . . 本文を読む
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新大久保コリアンタウン

2007-08-17 08:49:19 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)
 韓国では光復節の8月15日,新大久保のコリアンタウンにでかけました。 知り合いとの待ち合わせ時間より1時間ほど早く来て,歌舞伎町からコマ劇場裏,さらに職安通りへ向いました。 異常な残暑,汗がだらだらと流れます。 あるある,ハングルの看板が。 ドンキホーテの脇の道,妻がよくソウル駐在時代のお仲間と行くという,オジャッキョ(烏鵲橋)。「烏と鵲の橋」とは,韓国版七夕伝説で,年一回,織り姫と彦星を逢わせ . . . 本文を読む
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幻の三中井百貨店

2007-08-16 07:47:43 | 近現代史
 かなり前の話ですが,韓国の新聞に,林廣茂著『幻の三中井百貨店-朝鮮を席巻した近江商人・百貨店王の興亡』が取り上げられていました(→リンク)。 ところで、韓国の読者がこの本を一読すると、非常に不愉快な気分にさせられるはずだ。まず著者は、三中井が朝鮮の市場と商業構造に及ぼした悪影響について、まったく関心がない。 はて,どんな悪影響があったんだろう。朝鮮の地場の商店を圧迫した? 民族資本の「和信百貨店 . . . 本文を読む
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免許更新③~中国の駐在員

2007-08-15 00:08:44 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)
 ところで,私といっしょに学科試験を受けた男性と,結果待ちの間,しばらく話をしました。 容貌といい,いでたちといい,埼玉の農家のおじさんという感じだったのですが…。「免許,失効したんですか?」「ええ,ちょっと海外に行っていて」「ああ,私と同じだ」(!)「どちらですか?」「中国です。香港から1時間ほど中に入ったトンガン(東莞?)」(どうりで垢抜けないと思った)「私は韓国です。11年いました」「11年 . . . 本文を読む
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免許更新②~長い長い一日

2007-08-14 10:19:58 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)
 明け方五時前に家を出て,最寄りの八高線の始発に乗り,川越線,埼京線,高崎線と乗り継いで,はるばる鴻巣駅に着いたのは朝7時前。 今風ファッションの学生さんたちにまじって,まずはヘッドホン講習。そして講師による直前チェックポイント指導を受けます。「試験は,前は10パターンでしたが,今年の4月から8つ増えて18パターンになりました。新たに追加された問題は…」と,実に実戦的な指導をしてくださる。ひっかけ . . . 本文を読む
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免許更新①~失効

2007-08-13 23:02:57 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)
 実は私は無免です。 韓国にいる間に失効しちゃったんですね。国際免許をとっていけばよかったんだけど,赴任時バタバタしていてそんな暇がなかった。 失効したあとも,一時帰国のときなら視力検査だけで簡単に更新できたらしいのですが,それもしなかった。 そして,韓国駐在11年。 妻も同じ状況で失効していた。失効後,3年までは学科試験に受かればよく,実技試験は免除。しかし,3年以上経った場合は救済措置なし。実 . . . 本文を読む
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