大学教授のレベル

　朝鮮日報にまた次のような記事がでました（→リンク）。

慰安婦：「韓国人女性は強制と詐欺で慰安婦に」

　安倍晋三首相が「（従軍慰安婦の）強制性を証明する証言やそれを裏付けるものはなかった」と発言した内容は事実とは異なるというのが多くの識者の見解だ。

　日本の右翼勢力は一貫して日本軍による慰安婦強制連行の事実はなかったと主張している。これは、▲日本政府が直接強制連行を命じたことを記録する文書が発見されていない、▲被害者の証言に一貫性がない、などの点を前提としている。１９９３年の内閣外政審議室の報告書では、「強制連行が一部では認められるが、民間で行われたものであり日本政府とは関係がない」と記録されている。

　しかし慰安婦の強制連行を裏付ける資料は数多くある。２００２年の米国連邦政府記録保管所で発見された文書には１９４５年終戦当時の米軍による調査結果として、「中国昆明の韓国人女性２３人は全員が慰安婦で、強制と詐欺により慰安婦となった」と記録されている。

　誰が「強制と詐欺」を行ったかが問題なんですね。日本政府（軍）が行ったという証拠があったのでしょうか。

　さらに▲出国目的を「定住のため」と記載させる措置を行ったという１９４０年の日本の内務省文書、▲婦女子の募集などを取り締まるよう指示した１９３８年の日本の内務省警報局長の文書などは日本政府が強制動員を黙認したことを示す資料だ。日本政府が終戦の前後に文書の廃棄を命じたことを示唆する証言も、連合軍による日本兵捕虜への取り調べ記録などに残っている。

「▲婦女子の募集などを取り締まるよう指示した」文書が，なぜ「日本政府が強制動員を黙認したことを示す資料」になるんでしょうか。
「日本政府が終戦の前後に文書の廃棄を命じたこと」は事実で，そのために戦後，恩給の支給に支障が生じました。しかし，その文書の中に「従軍慰安婦関連の文書」があったはずだというのは，想像にすぎません。

　連合軍による日本塀捕虜（朝鮮人軍属）への取り調べ記録として次のようなものものあります。
　韓国の４４年夏、テニアンで米軍捕虜になった３人の朝鮮人（日本軍軍属）は、尋問官が「いままで尋問した１００人ほどの朝鮮人捕虜と同じく、反日感情が強」かったそうですが、慰安婦について次のように語っています。
「太平洋の戦場で会った朝鮮人慰安婦はすべて志願者か、両親に売られた者ばかりである。もし女性たちを強制動員すれば、老若を問わず朝鮮人は憤怒して立ち上がり、どんな報復を受けようと日本人を殺すだろう」（秦郁彦『慰安婦と戦場の性』）

　被害者の証言も強制連行を立証している。ソウル大学社会学科の鄭鎮星（チョン・ジンソン）教授が、１９９３年当時に生存していた被害者の一部１７５人が保健福祉部へ申告した内容を調査した結果、就職詐欺の被害者が８２件、強迫や暴力が６２件、人身売買４件、誘拐・拉致が５件、勤労挺身隊を通じた動員が８件、供出・奉仕隊などの名目が１４件だった。

　これらの証言が正しいことを立証しないといけないんですが。

　鄭教授は「２００４年にインドネシアの被害者から聞いた証言の内容は“無理やり髪の毛をつかまれてトラックに乗せられた”“映画俳優にしてやるとうそを言われて慰安所に連れていかれた”など韓国人被害者の証言とほぼ同じだった。強制連行の証言に非常に信ぴょう性が高い事実を立証している」と述べた。

　なんとすばらしい論理だ！
　インドネシアの被害者の証言と韓国人被害者の証言がほぼ同じだと，どうして強制連行の証言の信憑性が非常に高まっちゃうんだろう。

　参考に，インドネシアはアジア女性基金が発足し，補償がもらえそうだとわかったとき，実に２万２２３４人が名乗り出て失笑を買いました（２万２千人は，戦時中に駐屯していた日本軍の数に迫る人数）。

　本当にこの人，大学教授なんだろうか。

　もしかして，「立証」の意味が日本と韓国で異なるんだろうか。