犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

親北勢力の常套手段

2007-03-17 14:57:58 | 韓国雑学
 産経新聞の黒田さんと朝鮮日報がけんかしてます。

 産経のこの記事(→リンク)に対して,朝鮮日報が応酬(→リンク)。

「北朝鮮に最も批判的な朝鮮日報でさえ、日本非難では独裁国家・北朝鮮の理屈に簡単に同調してしまう。」という部分が気に障ったらしい。

 またこの中の「ナカヤマ夫婦の場合」と題する長文の日本批判コラム(7日付)というのは,こちら(→リンク)。

 さらに,そのコラムを書いた本人が反論(→

 黒田さんの記事にある「故金学順さんの経歴のあいまいさ」というのは,このブログでもご紹介した通り(→リンク)。


「日本人拉致問題に関連し、過去の日本の朝鮮半島支配時代の出来事を取り上げて日本を非難し牽制しようとするのは、自らに対する非難を免れたい北朝鮮当局および親北勢力の常套手段だ。」

 私は記事のこの部分を読んで,かつて金大中が「太陽政策」を行なっているときに,韓国による教科書問題について似たようなことを書いたドイツ人を思い出しました。

 ノベルト・フォラツェンという,北朝鮮で医療活動をしたことのある医師です。

「ドルに換算するとおよそ三百ドルで買われる美しい北朝鮮の女性。栄養が足りないにもかかわらずまだ働けそうに見える少年。国境地帯の現代の「奴隷市場」は,裕福な中国商人にとって,さしすめパラダイスだ」

「小さな村でひとりの人買いブローカーに会った。彼は大まじめでそれを難民救済と呼び,人道援助者と称していた。注文を受けると,彼は北朝鮮に向かって出発し,お望みの「商品」を探す。たいていは若く美しい女性たちだ。彼女たちは,幸せにぜいたくに暮らせると誘いだされ,夜中に国境を越える。そうでなければ怖くて絶対に越えられなかっただろう。ブローカーは-この男はたまたま北朝鮮から逃げてきたそうだが-国境の役人と顔見知りで,賄賂を使ってぐるになっていることも多い。こうしてひとつの輪が形成されているのだ。そこには地元の警察官,中国の小さな町の酒場の主人やそのほかの有力者などが加わっている。若い女性は売春宿に,少年はベルトコンベヤーの前に。そのうちの何人かは-抵抗したり逃げだそうとしたところを見つかって-ゴミ捨て場に死体となって横たわる」

「ソウルでは数えきれないほどインタビューを受けただけでなく,学校や教会ではさらに多くのスピーチをし,韓国の議会でもスピーチをした-そして,あらたに奇異なことがわかった。それは,この南の兄弟国では北朝鮮の悲惨な状況について本心から関心のある人はだれもいないということだ。とりわけジャーナリストにあまり関心がなかった」

「金大中については次のような噂もある。自分の任期を延ばすために憲法改正までしようとしているのだ。中国政府および北朝鮮の独裁者金正日のすべての人権侵害について沈黙し,それどころかあの非人間的な政治によって人道に関する罪,および国民殺害の罪のあるあの残忍な権力者をソウルに招き,彼とともに第二回目の栄光ある首脳会談を開こうとするこの人物-彼を動かしているのはいったい何なのか? ナイーブさ,愚かさ,打算,それとも太陽政策なのだろうか?」

「一般的に言って,内政で行き詰まると外国との争いに救いを求めるのは,政治の常套手段だ。これはまさに現在の韓国にあてはまる。金大中政権が民主主義の原則をはたして守っているのかという疑い(ストライキをする人たちにたいする警察の対応の仕方,報道の自由,メディア・コンツェルンにたいする税務査察,金剛山プロジェクトにたいする融資などの問題),ひと言でいえば「太陽政策」全体についての批判が激しくなったため,韓国政府は新たな手に出た。それが,アジアの燐国日本の主観的な歴史教科書に対する批判だ。これは非常に危なっかしい感情的な動きとなり,教科書のみならず経済にまで影響を及ぼしている。それにしても,北朝鮮難民をこれまでわざと無視していた韓国政府が,この教科書問題に関してただちに国連の人権委員会に訴えようとしているのはおかしい」

 以上、ノベルト・フォラツェン『北朝鮮を知りすぎた医者 国境からの報告』(草思社、2001.11)より。

 フォラツェン氏はこの本を出したあとも脱北者支援の活動を続けていましたが,韓国社会からは常に「トラブルメーカー」と見られていました(→リンク)。

 私が金大中に始まり今に続く太陽政策に胡散臭さを感じているのは、こうした理由からです。

 韓国は、50年以上も前の従軍慰安婦神話の追及に血道をあげるより、北朝鮮、あるいは韓国に現在進行形で存在する「人肉市場」を追及すべきです。

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