『シグマフォースのグレイ・ピアース隊長の目の前で一人の男性が射殺された。著名な神経学者であるその男性、アーチボルド・ポークは、致死量の放射線を浴びていた。デルポイの神殿が描かれた硬貨と、不思議な能力を持つ少女の手による絵を手がかりに、グレイたちシグマの隊員は、ポークの娘エリザベス、ロマの男性ルカとともに、インドへと向かう。一方、ロシアのウラル山脈で記憶を失った一人の男性が目を覚ました。彼は不思議な能力を持つ三人の子供から、「僕たちを救い出して」との依頼を受ける。その頃、ロシアではニコライ・ソロコフ上院議員とサヴィーナ・マートフ少将を中心に、チェルノブイリ原発を利用したロシア再興計画が進んでいた。その計画に参加させられていたのが、不思議な能力を持つ子供たちだったのだ。子供たちの能力を増幅させる人体実験には、シグマの存在を疎ましく思うアメリカのグループも関与していた…。 』
『インドでポークの同僚、ハイデン・マスターソンと出会ったグレイたちは、パンジャブ地方でギリシアの神殿の遺跡を発見する。しかし、デルポイの巫女から現代へと連なる血筋の謎を解明したものの、ロシア側に捕えられてしまう。三人の子供たちと行動を共にする記憶喪失の男性も、カラチャイ湖の放射線に怯えながら、追っ手の猛獣の恐怖と戦っていた。廃炉となったチェルノブイリ原発四号炉を「新しい石棺」で密閉する式典が進むにつれて、ソロコフとマートフによる二つの作戦―世界各国首脳を抹殺する「ウラヌス作戦」と、地球の生態系を壊滅させる「サターン作戦」―の開始が迫る。グレイと記憶喪失の男性は、作戦を阻止することができるのか?デルポイの巫女の預言「世界は燃えてしまう」は、現実のものとなってしまうのか?人類の運命は、グレイでも記憶喪失の男性でもなく、ある一人の少年の手に委ねられることとなる…。 』
シリーズ4作目。
相変わらず嘘とほんとを上手くからませた波乱万丈ジェットコースターのストーリーで、、上下2巻飽きさせずに読ませる。
本書では、放射能汚染をテロに使おうとする敵と戦うのだが、ソ連で放射能汚染されているのはチェルノブイリ(ウクライナ)だけではなく、チェラビンスクや、湖畔に1時間居るだけで死ぬというカラチャイ湖などいくつもあるそうで、フクシマなど世界的に見れば小さい問題と思われているのかもしれないという気がした。
普通の人でも3秒後までは予知できることは実証されているそうだ。
人間の脳はまだまだ未知の世界だが、研究が進むのもよいのか悪いのか。