始まりに向かって

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とても古い人類としての日本人、について・・・DNA型解析

2008-10-16 | その他先史文明

ヒトのDNA型を分析して、人類の歴史を調べる方法があるという。

この方法を用いて日本人のDNA型を分析して、日本人の古代の歴史を調べた研究がある。

その研究によると、日本人は、
人類が始まったころに近い、とても古いDNAをもっていること
また、
とても多くの種類のDNAをもっていること
が明らかになったという。


どのくらい古いかというと、人類が登場したのは14万年前のアフリカであると考えられているが、
日本人のDNAは12万年前に発生したDNAを含んでいるという。

これは、アジア人の先祖と考えられているモンゴロイドが現れるよりも前の時代である。

また、ヨーロッパの人のDNAは主に2種類であるのに比べて、日本人はありとあらゆる種類のDNAを含んでいる。

アフリカから出発した人類は、何万年もかけて東に移動した。
北側のルートで進んだ人類はヨーロッパ、アジア大陸を進み、
南側のルートで進んだ人類は沿岸を進み海洋を開拓した。

日本人はその両方の人類の要素を持っていると同時に、それらが分岐する以前のDNAも持っているというのである。

前回まで、日本の先住民族の主張をとりあげていたのだが、このような観点から見ると、
世界の先住民族としての日本、という見方がうまれる。

これはDNAに残っているというだけのことで、日本人が先に生まれたとか古い方が偉いというわけではないのだが、
人類の記憶がDNAというデータとして日本人の中に保存されているとしたら、それもまた興味深いのではないかと思った。

日本は大陸の端だから、人類の歴史の経緯が、塵が積もるように堆積してきたのであるらしい。

文化の吹きだまり、ということだろうか。

それにアジアの源泉がモンゴロイドより古い、というのはパラドックスで面白い。

アイヌ&沖縄→縄文
という暗黙の図式があるが、DNA型分析ではこれは否定的に見られている。

DNA型の分析からは、アフリカから最初に分岐したDNAが、日本人の基底としてあるとされる。

非常に古い人類が日本にきており、それがDNAに残されている。

そこにアジア系のモンゴロイドのDNAが加わっているとされる。

縄文は新興勢力と考えられている。

アイヌも沖縄も、イコール縄文ではなく、それ以外の要素を含んで成立していると考えられているようだが、定説はわからない。

(下に紹介する崎谷氏と宝来氏の見解も、別々である。)

一部東北地方のヒトのDNAからはかなりはっきりヨーロッパ型のDNAがみられるともいう。

だから、アイヌが先か松前藩が先か?などという問題ではなく、日本列島はDNAレベルでは
多民族国家であり、かなり堂々たる世界の先住民族である、と考えられるようだ。


これらの観点からは、いろいろな考察がうまれる可能性があると思う。

以下はwiki「日本人」の説明文。
(ただしこの欄は“検証中”に分類されています。)

         ***

分子人類学による説明・Y染色体による系統分析
崎谷満による説明)

以下、前掲崎谷の分析に依拠して説明する。

最初に日本列島に到達し、後期旧石器時代を担ったのは、シベリアの狩猟民であるC3系統である。
バイカル湖周辺からアムール川流域およびサハリンを経由して、最終氷期の海面低下により
地続きとなっていた北海道に達した。また一部は沿海州を南下し、朝鮮半島を経由して北部九州に達した。
細石刃石器を用い、ナウマンゾウを狩っていたと考えられる。

その後、一万数千年前に、大陸からD2系統が入ってきた。これが縄文人である。D2は日本だけで見られる系統であり、
アイヌ人88%、沖縄人56%、本土日本人42~56%で、朝鮮半島では0%である。近縁のD1,D3がチベットで見られる。
D系統は華北で東西に分かれ、東がD2、西がD1,D3になったと考えられる。

同じ頃、経路は不明であるがインドに起源を持つC1系統が南方から入ってきた。貝文土器を用い、
縄文人とは異なる文化を南九州に築いた。

O1系統は台湾が起源であり、オーストロネシア語族との関連が想定されている。台湾と近いにも関わらず、
日本列島ではO1はごく少数に過ぎない。

O2a/O2b系統は長江文明の担い手だと考えられている。O2b系統が移動を開始したのは 2800年前である。
長江文明の衰退に伴い、O2aおよび一部のO2bは南下し、百越と呼ばれた。残りのO2bは北上し、
山東省、朝鮮半島、日本列島に達した。長江文明の稲作を持ち込んだと考えられる。

O3系統は黄河中上流を起源とし、漢民族に典型的に見られる他、周辺の諸民族にも広く見られる。
歴史的にO3は一貫して拡大しており、このためにD系統およびO2系統が駆逐されたと考えられる。

日本列島の特異な点は、D2やO2bなど、大陸では敗者となった集団が、絶滅せずに混じり合って
存在していることである。
その他にもC1,O1,O3など多様な遺伝子集団を吸収し、保持し続けている。

一方ミトコンドリアのハプログループに注目すると、日本には世界で日本人にしか見られない
M7aというグループがある[要出典]。
これは台湾付近で発生したと考えられ、沖縄・アイヌに多く本州で少ないという特徴的な分布をしている。

          ***



参考

HP「古代で遊ぼ」DNA分析による日本人形成・・川上しのぶ
http://www.asahi-net.or.jp/~vm3s-kwkm/kodai/dna/dna.html
(大変分かりやすい。図表がとても貴重なので、ご一読をおすすめします)

「DNAでたどる日本人10万年の旅」崎谷満・YomiuriOnlinehttp://www.yomiuri.co.jp/book/review/20080212bk05.htm

「DNA人類進化学」 宝来聴 岩波書店

Wiki日本人
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA

wiki古人類学
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%AD%A6
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