ヴァールブルク氏による「蛇儀礼」のご紹介を続けさせていただきます。
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(引用ここから)
ワルピの人々の「蛇」崇拝は、彼らのコスモロジーの中での出祖伝説に遡ります。
ある伝説では、ティヨという英雄についてこう語られています。
ティヨは、皆が渇望している水の源泉をみつけるために、地下への旅に出ます。
ティヨの右の耳にはいつも見えない「雌の蜘蛛」がいて、彼のお供をしています。
いわば地獄までダンテのお供をするヴェルギリウスの、インディアン版です。
ティヨは、地下の王様達が支配している地下礼拝堂をいくつも通って、西と東にある二つの「太陽の家」を過ぎ、大きな「蛇」の地下礼拝堂(キバ)に至ります。
そこで彼は天気を司るための「魔法のハポ」を授かるのです。
伝説によると、ティヨはこの「ハポ」を携え、二人の蛇娘を連れて下界から地上に戻ります。
そしてこの二人との間に生まれた子供たちは、「蛇」の形をしています。
この子ども達は危険極まりない生き物で、最後には部族全体が住む場所を変えざるをえなくなります。
こうしてこの神話には、「蛇」は天気の神であると同時に、部族の移動を引き起こす祖先動物としても組み込まれることになります。
今述べた「蛇舞踏」で、「蛇」が生贄にされることはありません。
「蛇」は聖別されて、様々な模倣舞踏の働きによって、雨乞いの使節へと「変身」させられ、送り出されるのです。
そして死者たちの魂のいる所に戻り、稲妻と化して、空に雷雨を引き起こすのです。
未開の人々の間で、神話と魔術行為がどのように絡み合っているかがわかります。
(引用ここまで)
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