「豪エアーズロック 登れなくなります 19年秋から」朝日新聞 2017・01・02
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オーストラリア中部の世界遺産地区にある巨岩ウルル(エアーズロック)に登ることを禁止します—ー。
豪州の先住民の人たちなどで作る「ウルル・カタジュタ国立公園」の運営協議会が1日、こんな決定をし
た。
一帯が、先住民の聖地であることが理由で、「ウルルはディズニーランドのようなテーマパークではありません」としている。
禁止の開始は、観光業者らへの影響も考慮して、2年後の2019年10月26日からとした。
10月26日は、豪政府が1985年にこの地帯一体の所有者が先住民たちであることを認め、返還した記念日。
その後一帯を、先住民たちが国立公園にリースして、訪問者を受け入れている。
ウルルは高さ348メートル、周囲が9・4キロにもなる巨石。
以前から先住民たちが、登らないよう、求めてきたこともあり、近年は年間約25万人の訪問者のうち、実施に登るのは2割程度にとどまっていた。
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「豪州の日、入植は侵略か? 国民の休日、続く論争」 朝日新聞2018・02・01
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「「先住民の土地」各地でデモ」
英国の入植が始まった日を祝うべきか――。
オーストラリアでこんな論争が起きている。
先住民にとっては、「侵略」が始まった日とも言えるためだ。
その日から230年たった今年1月26日、恒例の記念行事を中止する自治体が出た他、大規模な反対デモもあった。
1788年1月26日、流刑者らを乗せた11そうの船団を率いた英海軍のフィリップ船長が、現在のシドニーに上陸し、英国旗を掲げた。
それを記念し、1月26日は「オーストラリアデー(豪州の日)」として休日となった。
政府は「大地や公正の精神、自由など、私たちが豪州を愛する理由のすべてを祝う」とし、自治体の式典では、新たに国籍を得た移民たちを祝う。
だが、メルボルン都市圏にあるヤラ市やダレビン市は、今年から式典を開かなかった。
ヤラのアマンダ・ストーン市議(前市長)は、「お祝いに相応しくない日だから」と説明した。
6万年~5万年前から独自の文化や信仰を受け継いできた先住民には、土地を奪われ、入植者との衝突や、持ち込まれた病気で多くの命を失う歴史が始まった日。
入植当時30万人~100万人いた先住民は、1920年には推計6万人まで激減したとされる。
ヤラでは、60年代に先住民の権利運動が起きた背景があり、ストーンさんは「ここは我々の歴史について、国民的な議論をはじめるのにふさわしい場所」と語った。
一方メルボルン中心部では、26日を「侵略の日」と名付けたデモがあった。
目抜き通りを200メートル以上に亘って埋めた参加者約3万人が、「過去も未来もここは先住民の土地だ」などと行進した。
デモはメルボルンの他、シドニーなど6つの州都すべてであった。
デモに協力した野党・緑の党のディナタレ党首は同日、「自分たちの歴史を認めなければ国民は団結して前に進めない」と述べた。
同党は、「豪州の日」を別の日に変える運動を進める方針を示している。
この祝日に疑問を投げかける動きは、他にも広がる。
FMラジオ局「トリプルJ」は今年、26日の恒例だった「年間ベスト100曲」を発表する人気番組「ホット100」の放送を27,28日の両日に変えた。
リスナーに意見をつのった結果、6割が放送日の変更に賛成だったと説明する。
賛成派「西洋文明 得られた」
1月26日は、19世紀には「創立の日」や「記念日」と呼ばれていた。
マッコーリー大学(シドニー)のブローウィン・カールソン教授によると、20世紀前半には「豪州の日」を7月や8月に設けたこともあった。
1月26日が国民の休日になったのは、1994年から。
1988年に「200年」を記念して祝った経緯から、政府が制定した。
シドニーの先住民グループのリーダー、ケン・カニング氏は「多くの政治家たちの考え方は入植時とたいして変わらない」と批判する。
「建国の日」という意味では、豪連邦が成立した1月1日(1901年)があるが、元日はすでに休日。
それ以外に、適当な日をみつけるのは難しい。
日程の変更を求める「緑の党」の動きに、他の主要政党は軒並み否定的だ。
与党保守連合には、「1月26日に欧州に西洋文明がもたらされた。先住民を含む誰にとっても良いことだった」(アボット前首相)といった意見も根強い。
シンクタンクの「オーストラリア研究所」が、昨年12月に行った世論調査では、84%が「豪州の日」のような国民の休日は大切だ」と回答。
一方で「1月26日は何があった日か?」との質問に、11の選択肢から正しい答えを選んだのは38%にとどまった。
1月26日は南半球の夏休みも終盤戦に近く、海水浴やバーベキューなどを楽しむ休日として定着している現実もある。
歴史を巡っては昨年、1770年に豪東岸に到達したクック船長の銅像も議論をよんだ。
公共放送ABCのジャーナリストで先住民の血を引くスタン・グラント氏が、「クック船長の「到達」を「発見」と記している銅像の説明を変えるべきだ」と問題提起した。
2年後には、「到達」から250年を迎える。
歴史論争は今後も続きそうだ。
先住民従来の呼称「アボリジニー」使わず
一方、先住民の呼称として、従来の「アボリジニー」は、近年豪州ではほとんど使われなくなっている。
代わりに使われるのは、「アボリジナルピープル」や、先住民を意味する「インディジーナスピープル」などだ。
その理由を、国立大学では教員向けの用語法の文書で、「「アボリジニー」という語は、先住民たちを「すべて同じ」とステレオタイプにとらえている」と説明。
「多くの言語集団に分かれて暮らしてきた先住民たちの、多様性への配慮を欠く」とする。
各州が出している指針も、「「アボリジニー」の表記は否定的な意味を含む」と明記する。
白人に同化させようと、政府が先住民の子供たちを親元から強制的に引き離すといった抑圧的な政策を長年続けてきた記憶を思い起させるためだ。
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オーストラリアの先住民「アボリジナルピープル」は、人間の本来的な在り方を教えてくれる大切な方達だと思います。
ちょうど北米インディアンがそうであるのと同じように、西洋の支配と迫害の憂き目に会い、壊滅的な被害をこうむってしまいました。
これから、少しずつでも人々の理解が進み、地球上の人間が本来の人間の姿に立ち返る選択をするために、彼らは大切な役目をおっているのだと思います。
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