始まりに向かって

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「チベットの死者の書」(1)・・いかにして、輪廻から抜け出すか?

2018-04-21 | メディテーション



「チベットの死者の書」という本を初めて知ったのは、うんと若い頃でした。

わたしが持っているのは、初版1974年とありますが、わたしが手にしたのはもう数年、後のことでした。

この本は、非常に手ごわいので、なかなか上手に説明はできないのですが、「精神世界」というジャンルが日本の文化に登場した最初の時には、この本は中心的な位置を占めていた、と言うことはできるのではないかと思います。

そしてもちろん今も、仏教書のコーナーにも、スピリチュアル系のコーナーにも、心理学のコーナーにも、大学の先生が訳し直したものや、解説をしたものや、仏教研究家の方が書いたものなどが、並んでいます。

わかりやすい説明としては、「心理学者のユングが、大絶賛した思想書だ」と言うと端的だと思いますが、

歴史的にどのような経緯で、この本が書かれ、英語に翻訳され、ドイツ語に翻訳されたり、日本語に翻訳たりしてされてきたのか、

を辿ることは、もう人類史全体を旅するようなものであると言える、とすら言いたいと思うほど、わたしにとっては、思い入れが深い本です。


この「チベットの死者の書」によると、人間は、死ぬ時に、意図と知識を持っていれば、自分の死を認識し、さらに、輪廻をするかどうかを選ぶこともできるということです。

その旅は、死後49日続き、新しい子宮に入る旅が続く。

しかし、新しい子宮に入らない、という選択をすることもできる。

そのように、強い意思を持って選択すれば、輪廻の輪から抜けることができる。


本には、死ぬ時、死んだ直後、死んで数日、人の意識がどのような旅を行うかが、チベットの文化の言葉で力強く書かれています。

そして、目指すのは、二度と再受肉してこの世に生まれない、ということを、しっかりと考えながら、死出の旅路を歩むべきであり、歩むことができる、と書かれ、そのための細かい技法が述べられています。


エジプトの「死者の書」は、死後には、現世とよく似た世界があり、そこに到達するために、まわりの人々は、死体をミイラとして、いかに保存するかを研究しましたが、

「チベットの死者の書」は、現世、および、現世に似た来世、輪廻、どれも否定するべきであると考えられています。

この本は、チベットでは、広く知られており、家族が死ぬ時には、枕元で、この本を死者の耳元で大きな声で読んできかせるという風習があるそうです。

日本にもある、「まくら経 」というものが、いかに由緒ある伝統であるか、チベットの仏教が、日本にも深く浸透しているのだ、と思うこともできます。

日本の、49日という儀式そのものをかえりみる機会を与えてもらえます。

今日は、ここまでで終わりにします。

続きは、追って、投稿したいと思います。


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