白夜の炎

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福島の現状/日刊べリタから

2012-10-22 13:22:11 | 原発
「【たんぽぽ舎発】福島第一原発で何が起きているのか  鉄骨を落下させた、労働者の賃金を切り下げた、 海へ汚染水を放出している  山崎久隆


 3号機使用済燃料プールに瓦礫の鉄骨を落下させ、10日に規制庁により作業再開が「許可」されたそうだ。一体どうなっているのだろう。フライデーによると、この鉄骨は半分プールに落ちかけていたのを、遠隔操作のクレーンで持ち上げようとして、つかみ損ねて落下させたという。そのクレーンは驚いたことに500メートル離れた場所から鹿島建設のオペレータによりモニター画面を通じて遠隔操作されていた。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33715


「鉄骨落下 福島第一原発 3号機のクレーンは500m先から遠隔操作!」
 玉掛けを鹿島建設は知らないのだろうか。
 クレーンなどで鉄骨などを持ち上げる際には、バランスを崩して落下させないようにケーブルで固定することになっている。玉掛けというのだが、専門技術である。
 このようなことをしないとバランスを崩して落下するのは当たり前だ。激しく変形し、形状も一定ではない。水に入っている部分がどのような状態かもはっきりしない。そのうえ、がれきが落ちかけているのは使用済燃料プールだ。
 作業現場に緊張感が欠け始めていると危惧するのは杞憂か。

 聞けば、昨年末の野田佳彦首相による収束宣言以来、現場労働者の賃金や勤務条件は悪化の一途を辿っているという。

 例えば、収束宣言前月額22万円が収束宣言後に20万円、さらにその一ヶ月後に18万円などと引き下げられているのだそうだ。「収束したのだから危険地帯ではないから危険手当をカットする」原発労働者でなくても耳を疑う驚くべき現実。そうか、無理矢理の収束宣言にはそんな理由があったのかと、空恐ろしくなる。

 もちろん労働者の賃金が下がれば、東電の負担すべき費用が減るというわけだ。

 誰のための収束宣言だったのか。

 収束宣言後に発表されなくなったのは「環境への放射能放出量」だ。8月27日に東電が発表した「原子炉建屋からの追加的放出量の評価結果」では、毎時1000万ベクレルとし、敷地境界で0.02ミリシーベルト/年であるとされた。
 ところがこのデータには希ガスが含まれず、評価されていない。本当の放出量はこれよりも多いと考えられるが、要は「詳細不明」だ。

 海中に出ている量については、測定すらされていない。
 海底に地下水と共に出ている放射能は、相当の量になるだろうと想像はできる。
 8月30日に東電が公表した海底土の放射能量のデータを見ると、1号機に最も近い測定点は海底0センチから10センチで73,000ベクレル/kgに対して10~20センチ地点で19,500ベクレル/kg、20~30センチで
63,000ベクレル/kgと、深い場所が海底とほとんどかわらないほど極めて高い。
 同様の地点が3号機取水口沖で、20~30センチで320,000ベクレル/kgと、とてつもなく高いのに海底0センチでは180,000ベクレル/kgと低くなっている。(数値はセシウム134と137の合計)

 これは海底からセシウムが湧き上がっているとしか考えられない。他の地点は全て海底が最も高く30センチ下はほとんど測定限界以下か極めて低い。
 海底から湧出していると見るほかない。これを止めるには止水壁を入れる方法が考えられるが、東電は1000億円かかるとして、工事に着手すらしていない。

 海への汚染拡大は始まっている。すぐに止める取り組みが必要だ。

(出典:10/14脱原発東電株主運動ニュース-221号)」