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白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

バンコク・スクンビットまで水が・・・

2011-11-05 14:40:17 | 災害
 とうとうスクンビットまで水が来ました。これでは全市水浸しも避けられないかもしれません。

 それにしても「日本人が多く住む市の中心街」という報道の仕方も問題があるように聞こえます。

 あるいは企業駐在員のバンコクでの生活の仕方や振る舞いの方を気にすべきでしょうか。

 いずれにせよ洪水はひたひたとすべての上に広がりつつあります。


「洪水でバンコク日本人学校2千人が一時帰国

読売新聞 11月5日(土)10時36分配信

 洪水に見舞われているタイの首都バンコクにあるバンコク日本人学校(堤清司校長)で、全校児童・生徒の8割にあたる2000人以上が一時帰国していたことが4日、文部科学省のまとめで分かった。

 同省では、長期化の恐れもあるとして、帰国中の子どもが受け入れ先の学校ですぐに授業を受けられるよう、全都道府県教委に異例の要請を行った。

 タイの在留日本人は昨年10月現在、約4万7200人。バンコク日本人学校には小中学生2558人が通っており、世界にある日本人学校の中でも最大規模だ。

 4日現在、バンコク中心部の東側に位置する同校周辺に洪水被害は及んでいないが、タイ教育省が10月25日、今月14日までの休校を指示したことで、同校も休校を余儀なくされた。また日本人が多く住むスクンビット地区は一部で浸水した。
最終更新:11月5日(土)10時36分」

タイの水害―バンコク週報より

2011-11-02 18:23:18 | 災害
① 11/2

 浸水リスクが都内全域に拡大


 バンコク都内ミンブリ区でサムワ水門の開門幅が広げられたほか、同水門の一部が壊されて下流への流水量が増大していることから、ティラチョン副都知事は11月1日、「バンコクの全50区のうち浸水リスクのない区はなくなった」と述べ、「19区は大丈夫だろう」との前日の発言を撤回した。

 バンコク都内の運河は地下水路でつながっており、サムワ運河の下流に位置するセンセプ運河に水が流れ込むことで、バンコク全域に浸水が拡大する恐れがあるとのことだ。

 このため、スクムパン都知事は1日、防災法に基づいて、バンコク防災の最高責任者としての権限を行使して、下流域に流れ込む水量を減らすため、警察官の警護の下、都職員にサムワ水門を修理させる意向を明らかにした。

 これは、「水門の開放幅を1メートル広げよ」とのインラック首相の命令に反するものだ。

 同水門の開放を巡っては、長引く浸水に不満を募らせる住民の反発を懸念する政府と、浸水区域の拡大防止を最優先とする都庁が真っ向から対立する形となっている。


② 11/2

工業団地の排水、近くスタート


 タイ工業団地・戦略パートナー協会のアンチャリー会長によれば、冠水した工業団地7カ所では、このまま水位が下がり続けるようなら、10日以内に排水作業が開始される見通しという。

 費用は合計5-10億バーツにのぼるとみられている。

 また、地方電力公社とタイ発電公社は、水かさが50センチに下がりしだい電力供給を再開する予定で、これら工業団地では1カ月以内に電気が使用可能となる見通しだ。

 また、シーテクアジア社によれば、当初は11月16日にハイテク工業団地の排水を開始する予定だったが、水位の減少が予想より早く、11日にはスタートできる見通しという。


③ 11/2

被災者に職業訓練、避難所で雇用も


 政府は、避難所で暮らす洪水被災者のために、職業訓練やキャリア開発のプログラムを用意。受講者には1日あたり120バーツの手当てを発給すると発表した。

 このプログラムは被災者復興追加支援の一環として、11月1日に閣議決定された。

 プログラムを修了した被災者は、他の希望者とともに避難所内での仕事に就くことが可能となる。

 賃金については、地域ごとに規定された最低賃金が適用されるとのことだ。


④ 11/2

義援金が合計2億7000万


 政府の水害被災者救援センターは11月1日、これまでに市民や企業から寄せられた義援金が2億7098万1000バーツに達したと発表した。

 同センターでは10月8日から義援金を受け付けている。

 数日前には4人から45万バーツほどの寄付があったという。


⑤ 11/2

国防相「兵士に負担が集中」


 ユタサク国防相は11月1日、「兵士に大きな負担がかかっているため、政府機関はさらに多くの人員を洪水対策・被災者支援に割いてほしい」と訴えた。

 被災地では軍が主導的な役割を果たしているが、あまりに仕事量が多く、兵士は疲労、ストレスがたまっている状態という。

 また、「水害被災者救援センターが兵士にばかり仕事を押しつけるので国防相が怒っている」との一部報道に対して、同国防相は、「そのような事実はない」と反論した。

タイの洪水―バンコク週報より

2011-10-31 13:53:02 | 災害
バンコク週報のHP→http://www.bangkokshuho.com/


① 10/30

 被災エリアで住民の不満爆発


 バンコク各地で政府の洪水対策に対する住民の不満が高まっている。

 バンコク都内ドンムアン区ムアンエークでは1-2メートルの冠水が続いているが、一向に水が引かないことから10月30日、住民らがプレムプラパ運河の防水堤として置かれている土のうを無断撤去。このため、同エリアの汚染水が運河に流れ込むとことになった。

 プレムプラパ運河は浄水場に水を供給するための運河であり、ここに病原菌が大量に流れ込むなど、浄水能力を超えて汚れた場合には最悪、都内各地への水道水供給ができなくなる。そのため、水道公社、都庁などは住民に冷静な対応を求めている。

 11月1日以降、タイ湾の潮位が下がり、排水効率が高まることから、冠水状況は好転するが、それまでに住民の不満を抑えることができるかどうかは微妙な状況だ。

 一方、サンワ運河でも同日、長期間の冠水を不満とする周辺住民が、運河水門の開放を求めて、運河水門を壊そうとするトラブルが起きた。

 都庁は住民らとの話し合いの後、同運河の水門を短時間開放したが、
住民の求める水位まで下がらなかったことから、同日夜、再び住民数十人が
水門を破壊するため、集まった。午後10時30分現在、まだ水門の破壊行為は続いており、警察官も遠巻きで、制止する動きをみせていない。

 仮に同水門を住民の求めに応じて開放した場合、センセブ運河の水位が一気に高まり、ラートクラバン地区周辺が洪水となる危険性が高まる。

 同地区にはナワナコン工業団地に次ぐ歴史を持ち、日系企業20社が入居するバンチャン工業団地がある。バンコク都庁のティラチョン副都知事も、サンワ運河水門開放により、同工業団地浸水の可能性が高まるとして、住民の求めには応じない姿勢を示しているが、同エリアはインラック政権の支持者が多いことから、政府がどの程度、断固とした姿勢を見せることができるかは不透明な状況だ。


② 10/30

 バンコク各地で防水堤が決壊


 バンコク各地で防水堤や土のうが決壊し、都内の浸水域が拡大している。

 イミグレーションなど政府の重要施設が集まるチェンワタナ通りでは10月30日、広範囲で50センチ近い浸水。エリアによっては1メートルを超えている。

 クロントイ地区の防水堤も同日午前8時ごろ決壊。スカイトレイン(BTS)オンヌット駅に近いスクムビット通りソイ50の一部が浸水した。

 ウィパワディランシット通りを南下している水は近くラートプラオ地区に到達する見通しだ。

 また、チャオプラヤ川の水位は同日、観測史上最高の2・53メートルを記録。防水堤の高さは2・5メートルのため、流域が広範囲で浸水した。

 一方、対策が後手に回っているとタイ・マスコミの批判が強まっているインラック政権であるが、アサンプション大学の行った世論調査では6割が「インラック首相に水害対策を指揮してほしい」と回答した。

 同首相は都心浸水が確実となった数日前、記者団の前で涙を流し、これが大きく報道されたが、このことが急増していたインラック政権への批判を緩和させたようだ。

 なお、政府へ要望では、電気・水道などライフライン復旧が73%、被災地での窃盗対策が65%となった。


③ 10/30

 首相、「11月3日以降、状況改善」


 インラック首相は10月29日、「バンコクの北部から都内に流れ込む水量が当初の予想より少ない」と指摘するとともに、「バンコクでは11月3日以降に状況が改善に向かう」との見通しを示した。

 一方、地理情報宇宙技術開発機関によれば、関係当局が排水できるのは、都内に流れ込んでいる水量1日当たり2億-3億立方メートルの最大70%だであり、これによって河川の水位が1日当たり平均5センチ上昇するという。

 これが4週間程度続いたあと、状況が安定するとのことだ。



タイの水害―バンコク週報より

2011-10-28 15:14:41 | 災害
タイの水害情報―バンコク週報より

①10/27

 バンコク冠水、最悪1カ月か

 水害被災者救援センターのトントン広報官は10月27日、バンコク中心部まで浸水被害が拡大し冠水が15日-1カ月続くという最悪の事態を想定して、都民を収容する避難所をチャチュンサオ、サムットサコンなど9県に設ける準備を進めていることを明らかにした。

 また、迅速な避難を可能にするため、地区ごとに住民の集合場所を決めておくよう呼びかけた。


②10/27

 主要施設防水に兵士5万人投入

 国防省のタナティップ報道官によれば、バンコクの浸水被害拡大が避けられない見通しとなっていることから、国防評議会は10月27日、首都圏の主要施設を洪水から守るため兵士5万人を動員するとのプランを承認した。

 このほか、同プランでは、ボート1000隻、トラック1000台が、内務省とバンコク都庁と連携して洪水対策や住民避難に当たるため投入されることになっている。

 住民の避難については、全50区のうち23区内の学校100カ所以上を避難所とすることが予定されている。収容可能な人数は最大で1万人という。


③ 10/27

 都知事、「28日、河川流域が広範囲浸水」

 スクムパン・バンコク都知事によれば、10月28日(金)、チャオプラヤ川の水位が防水堤の高さを超え、流域が広範囲で浸水する可能性が高いという。

 また、27日午前10時30分、都内サイマイ区の住民に対して、緊急避難を呼びかけた。

 ただ、避難所の収容人数には限りがあることから、可能ならば他県へ移動してほしい、とのことだ。

 27日現在、都内の避難所に避難している被災者は7503人。


④ 10/27

 首都圏の住宅修理は1300億バーツ

 不動産コンサルティング会社「エージェンシーフォーリアルエステートアフェアー(AREA)」によれば、バンコク首都圏で浸水被害にあった住宅は約33万戸にのぼっており、その修理費は使用する材料によって異なるが、少なくとも329億バーツ、最大で1316億バーツにのぼる見通しという。

 ただ、この試算に家具や家電品の修理・買い換えの費用は含まれていない。

 また、修理は破損部分が完全に乾くまで始められないため、水が引いてから20-40日待つ必要があるとのことだ。


⑤ 10/27

 黄色い水道水、「飲むなら煮沸を」


 首都圏水道公社(MEA)は10月27日、洪水の影響で一部の水道水が黄色に変色している件について、細菌や毒素などの心配は不要と発表した。

 ウィクロム副総裁は、「マハーサワット浄水場から供給を受けているチャオプラヤ川西岸地域では、水道水が黄色く変色しているが、細菌や毒素などの危険物質は検出されていない」と説明。「ただし、飲む場合には煮沸をするように」と呼びかけている。

タイの水害―バンコク週報より

2011-10-27 13:21:54 | 災害
① 10/26

 都知事、「バンコクは危機的状況」

 スクムパン・バンコク都知事は10月26日午後9時、ドンムアン区とバーンプラット区の住民に対し、早急な避難を呼びかけた。

 同都知事は「バンコクは危機的状況に陥った。特に、高齢者、病人、障害者、こどもは一刻も早く避難してほしい」と危機感を露にした。

 さらに、ラートプラオ区とワントンルアン区の住民に対しても、警戒を怠らないよう求めた。

 バンコクでは27日から31日まで長期休暇となることから、洪水を逃れるためパタヤに避難する都民が続出。このため、バンコク・パタヤ間の幹線道路は26日、各所で渋滞となった。


② 10/26

 首相「バンコク全域が浸水の恐れ」

 バンコク北部のドンムアン空港が浸水したことを受け、インラック首相は10月25日夜、テレビ放送を通じて、バンコク全域が浸水する可能性のあることを国民に伝えた。

 バンコクでは同日、チャオプラヤ川の水位が海抜2.35~2.4メートルに達し記録を再び更新した。都庁によれば、同川沿いの防水堤の高さは2.5メートル。これを超えて水位が上昇すれば、川沿いのエリアは浸水・水かさ上昇は避けられない。

 インラック首相は、「浸水の程度は当局がどの程度状況に対応できるかにかかっている」としているが、浸水被害がバンコク中心部にまで及ぶ可能性が高いという。


③ 10/26

 米空母帰還で外務省が釈明

 タニ外務報道官(外務省情報局局長)は10月25日、米政府が災害支援のためタイに派遣した空母ジョージ・ワシントンが艦載機による被災者空輸を行わずに帰還の途についたことに対し、「米政府はタイ国内の状況が深刻でないと判断した結果」と説明して、「タイ政府の反応がちぐはぐだったため」との一部報道を否定した。

 米海軍太平洋艦隊のパーキンス報道官によれば、米海軍の艦船4隻が16日からタイ沖合で待機していたが、タイ政府から正式な支援要請がなかったため、21日にタイを離れた。

 タニ報道官の説明では、「被災者空輸は人命にかかわるケースに限られており、米側は空輸の必要なしと判断した」。だが、米海軍関係筋によれば、「タイ政府とのチャンネルは2つあるが、支援提供について、一方は『受け入れ』、もう一方は『不要』と伝えてきた」とのことだ。


④ 10/24

 被災者245万人、死者356人


 水害被災者救済センターは10月22日、洪水に見舞われたのは28県175郡、被災者が245万人、洪水関連死が356人と発表した

 また、道路は15県で77カ所が損傷、鉄道の北部路線は18の路線が運休している。

 東北部路線は運行しているが、ルートを変更しており、サムセン、バンスー、ドンムアンの3駅は経由しない。

 なお、海軍によれば、27-31日にかけ海の水位が海抜2・30-2・35メートルに上昇するため、警戒が必要という。

世界の地震多発地帯と原発立地

2011-10-25 19:30:41 | 災害
 改めてこの国には原発は作ってはいけなかったと思う。

 ⇒http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20110525/1306338295

 もともとは「新聞赤旗」のようです。

 タイトルをクリックしていただければ大きな図で見ることができます。

 ただ地震がなければ原発は安全、というわけでもないのでご注意を。

新潟県の放射能汚染地図

2011-10-25 18:38:18 | 災害

 タイトルをクリックしてください。

 改めて新潟県の放射能汚染地図です。

 森林汚染、水源への影響等、長期的な課題が極めて大きいように思います。

 http://www.asahi.com/national/update/1012/TKY201110120568.html からの引用です。

東電は福島の被災者に何と言っているのか

2011-10-25 17:50:49 | 災害
「福島 フクシマ FUKUSHIMA」からの転載⇒http://fukushima20110311.blog.fc2.com/

「住民が東電を追及   川俣町

 事故から7カ月以上経つ10月20日夜、川俣町で、東京電力が賠償問題について住民に説明する場が、住民の側の要求で、ようやく設定された。 

 川俣町は、福島第一原発の北西に位置し、東西を飯舘村と福島市に挟まれている。南東は浪江町に接している。浪江に接する山木屋地区は計画的避難区域に指定されている。

 この日の会場は、役場などがある中心街のバイクショップの倉庫だった。ここに住民約30人が集まった。
 東電の側は、5人でやってきた。2人が作業着、3人が黒のスーツ。


 
「事故の収束」? 住民にとっては何も「収束」していない

 東電は、どこの説明会でもやっているように、頭を下げて見せるところから始めた。しかし、その後の説明は、「『原発事故の収束』に向けて進捗している。もう危険はありません」。これを延々とやった。

 住民らは、これをいらいらしながら聞かされた。

 そして、説明が終わると、次々と住民が発言した。静かな口調だが、厳しい糾弾だった。

「事故で出た放射能がある。20ミリシーベルト/年を超える被ばくをしている。それなのに、『収束している』では話が違う」

「福島がフクシマにされてしまった。ヒロシマの180倍の放射能が吐き出された。福島に爆弾が落とされたみたいなもの。その残骸は全部、東電が持って帰れ」

 放射能がまき散らされ、その被害が継続している。住民にとっては、何も「収束」などしていない。それなのに、「事故の収束」を宣伝する姿勢に怒りの声があがった。


加害者ということを忘れてないか

 「除染」にたいする東電の姿勢にも批判が出た。
「『除染は、東電の責任です』と言っているけど、実際は、国が県に、県が自治体に、自治体が住民にぶん投げて、誰も責任をとらない。

 除染の話に、東電は全然出てこない」

 これにたいする東電の応答は、「東電としては、除染についての蓄積があるので、ノウハウを提供し、アドバイスさせていただいている」と。


 これには住民の怒りが。「なんで迷惑をかけた人が、やらないのか。なぜ加害者が自分のところの人間を組織して、やんないの? 家族総出でやんなよ。なんで被害者がやって、加害者がそれにノウハウを提供するという話になんの?」
「おまえら、加害者だろ。加害者ということを忘れてないか。東電の職員が身を削っているように見えない」。


なぜ東電の方から書類を持ってこない

 損害賠償請求についての東電の説明にも、住民は苛立ちを隠せなかった。

 「損害賠償請求の書類は、なんでこちらから要求しないと来ないのか?」と住民が質問。

 これにたいして東電は「誰がどこに住んでいるかわからないので、来てもらわないと」と答弁。

 加害者が大きな態度で被害者を呼びつけ、被害者は頭を下げて書類をもらいに行くという姿になっている。

 これにたいして「そんなもん、一軒一軒、訪ねて歩けよ」と住民の怒り。

 さらに、東電の損害賠償請求についてのコールセンターの対応にも住民の怒りが。

 実は、コールセンターの業務を東電は下請けに投げていて、電話で直接応対するのは東電の人間とは限らない。それをやらされる下請けの労働者もたまらないが、何より被害を受けて住民にとっては、実に不誠実な対応だ。

 「30キロ圏外の自主避難についても全部補償してほしい」という住民の発言がいくつも出された。

 これにたいする東電の答弁は、「検討しているが、まだ国の指針が決まっていないので・・・」と逃げる。




もし子どもの将来に・・」と悲痛な訴え

 若い男性は、思い詰めたような言葉で、「もし子どもに将来、健康被害が出たら、補償してくれるのか?」と問う。
 東電は、「それについては、今の段階では答えられない」。

 若い男性は、「納得できないまま、墓に入れということですね。・・・残念です」。

 隣の飯野町から小さい子どもを連れた若い女性は、ずっと不安に苛まれている辛さを吐き出した。

 「7カ月間、ずっと不安。子どもの将来を考えると辛い。この気持ちは、福島にいないとわからない。東電の人は、ここにいない。ここにいないと、この苦しさはわからない。

 私の家の庭は、まだ10~20マイクロシーベルト/時ある。でも動けない。自主避難しろということか。避難できる人とできない人がいる。支援がなければできない。

 東電は何もしてくれていない。民間のボランティアが支援の手を差し伸べてくれている」。

 この悲痛な訴えにたいして、東電が答えた言葉は、「そういう切実な話をきかせていただき、ありがとうございました・・・」。

 

殴ってやりたい気持ちだ

 この会場を提供するなど、この場の設定に尽力したSさん。何度も発言したが、最後に怒りを爆発させた。

「バイクショップをやっていた。ここは、銀行に借金して、去年やっとつくった倉庫。でもいまは、放射能汚染でバイクに乗る人なんかいない。いまは借金を返すのが大変。どうしてくれるんだ」。

 「眼のガンで、放射線治療を受けている。3月18日に眼が腫れた。福島医大で診てもらったら、最初は『被ばくの影響』と言われた。しかし山下(長崎大教授から福島医大副学長)が来てから、対応がコロッと変わった」。

 「東電の住民をなめた態度が許せない。ほんとに殴ってやりたい気持ちだ」。


被害住民を切り捨てる

 東電は、これだけの重大事故を起こし、住民をこれだけ苦しめている。

 しかし、東電には、加害者としての自覚はほとんどない。住民にたいしてまもとに応対しようという気持ちさえ見えない。何を言われても、法律をタテに「できない」といい、「国が決めるので」と国の下に逃げ込む。マニュアル通りの答弁をくり返す。

 住民の前に出てくる東電の社員が、こういう対応に何の疑問も感じてないように見える。こういう場に出されて辛いだろうという気持ちに最初はなったが、全く同情する必要もなかった。

  賠償にしても、避難にしても、除染にしても、この間の国や東電の姿勢から見えることは、被害を受けて苦しむ住民を切り捨てて、国と東電と原子力政策を守るという方向に突き進もうとしていることだ。


 住民は、このような東電に冷静に怒りをぶつけ、国や法律によって守られている所から、東電を、何とか捕まえて、引きずり出そうとしていた。

福島の叫びを孤立させてはならない

 
「通販生活」というカタログ雑誌に以下のような文章が載っているということを、知人に教えていただいた。


ー原発を語るときー

廃止論であろうと

再開論であろうと

原発を語るときは

心を福島に置いて語る習慣を身につけよう

福島でつくられた原発電力は

東京で消費されたから

つまるところ

福島の子たちは

東京の子たちの身代りになった

福島の親たちは

東京の親たちの身代りになった

大阪で消費される原発電力は

どの県でつくられているのだろう

五年後の甲状腺ガン

十年後の白血病が

春夏秋冬気にかかる

福島の子たち親たちを棚に上げて

原発を語ることの

恥ずかしさよ


 福島の人びとの叫びを孤立させてならない。

「避難を求める住民に避難を。補償を求める住民に補償を」という声を、全国からあげてほしい。」

山本太郎と田原総一郎の対談―文章で

2011-10-25 17:29:53 | 災害

 山本太郎氏と田原総一郎氏の対談。⇒http://news.livedoor.com/article/detail/5955455/?p=1

「「放射線量の高い福島で、女子中高生が中心に走る駅伝をやるのは納得行かない。」

「反原発」活動を様々な形で行っている、俳優の山本太郎氏が、ニコニコ生放送の「田原総一朗 談論爆発!」に出演し、山本氏は福島からの子供達の避難の重要性や政府の対応の遅さ、マスメディアの報道体制などについて訴えた。田原氏もヒートアップし、怒鳴り声を上げるなど、熱い議論が交わされた。
【取材:田野幸伸(BLOGOS編集部)】


■視聴者の質問に答える両氏

-今の報道をどう思う?

山本:最低だと思いますよ。大本営発表をいろいろな角度から検証する必要があるのに、そこまで踏み込んで行っていない。

 TV・新聞からしか情報を得られない人が多い。ネットには本当にいろんな情報があって、自分達で取ってこられるけど、そういう人はごく一部。だからTV・新聞で本当の事が流れないと、危険だという事が分からずに殺されていく人が沢山いると思いますね。


田原:もっと具体的に言います。3月の12日に東電の1号機で水素爆発が起きた。

   このとき政府は建屋で水素爆発が起きたと発表した。新聞もみんなそう書いた。TVも。発表したのは当時の官房長官、枝野幸男。(僕は)枝野幸男に「おかしいでしょ」と直接言った。建屋で爆発が起きるという事は、建屋の気圧に異常があるという事。異常があるという事は、核燃料器か圧力容器に異常があるという事。

 実はこのときメルトダウンは起こっていたのだけど、僕はその時まだ(メルトダウンが起きていることを)知らなかった。「なんでそういう事を言わないんだ!」と言ったら、「田原さん、あなたの言っているのは推測だ。政府が推測を真に受けて発表すると、危機感を煽る。

 だから推測を交えないんだ」と言うのが枝野の答えだった。これも問題なんだけど、もっと問題なのはマスコミ。当時何人もがメルトダウンが起きていると指摘していた。朝まで生テレビでも言った。ところが、そういう「危ない」という人の意見は一切聞かないで、「安全、安全」という事をTVも新聞もやった。大問題だよね!?

山本:大問題ですよ。それによって避難しない人がいるわけですよ。マスコミに殺されたたも同然の人が多いと思いますね。この先の健康被害が出てきた時に。その責任を取れるのかって話ですよ。取らないと思いますけど。だから・・・ひどい話ですよね・・・。


-反原発活動で新たに取り組みたいことは?

山本:今一番応援したいのは、郡山の集団疎開裁判。賠償しろ!とかではではなく、14人の子供達を安全な地域に疎開させて勉強させてくれっていう。ここを突破口として開かないと、他の子供達まで手が回らない。

田原:「疎開したい」って言えば、国も東電もそれは当然OKだよ?

山本:でもそれには、国のバックアップが必要じゃないですか?お金の問題があるから。この裁判についてね。そんなに多くは流れて(報道されて)ないんですよ。

田原:マスコミが流さないんだ。

山本:そうなんですよ。どうやったらそれ上手くアピールできますかね、田原さん?

田原:朝生に出て言ってくださいよ。

山本:その頃(大晦日の朝生特番)には裁判終わってるんです(笑)


■放射線の中を女子中高生が走る駅伝

山本:それともう一つ。福島市で2週目の日曜日に東日本女子駅伝ってのがあるんですよ。

 女子駅伝ですよ? まだ放射線量が高い場所です。下は13歳、中学生から高校生ぐらいがメインのランナーなんですよ。

 その子たちに、まだ復興もしてないのに「復興しました」というハッタリの看板を上げるために走らせると言うのが、どうも納得行きません。

田原:どこが主催なの?

山本:ケーズデンキがメインスポンサーです。

田原:主催は?

山本:わからないです、ごめんなさい。

※主催は福島テレビ(フジテレビ系列)と東北陸上競技協会
・東日本女子駅伝11月13日開催-福島民報

田原:県とか市とかからんでるんじゃないの?

山本:もちろんですよ。ただ、マラソン大会を中止に追い込むというのは大変なことなんですかね?

田原:それよりも、その地域の線量がね、どれくらいかって事を発表するかが大事だよ。

山本:TVがそれを報じますかね?

田原:やるよ、少なくとも僕の番組でやる。

山本:それは田原さんだけですって、他のTVはだんまり決め込みますよ。

田原:やるよ。行ったら教えて。



■デモは「一人じゃない」と感じる場所

-デモにはどれくれいの効果があったと思います?

山本:僕が思うデモというのは、沿道の人にアピールすると言うよりも、集まっている人たちが「一人じゃない」と感じる場所だと思うんですよ。

 普段一人ひとりが出来る事をやっていて、デモに行ってこんなに沢山仲間がいると勇気をもらって、また次の日から同じ方向を向いて頑張っていく、という場所だと思っています。

また、田原氏は放射能に対する法の抜け穴も指摘した。

田原:水銀とか、カドミウムとか、空気中に出しちゃいけないっていう法律がいっぱいあるの、日本は。当然放射能も出しちゃいけないっていう物質だと思っていたの。でもそういう法律ないの。

山本:上手いことやりますねー。

田原:放射能を出しても、法律に違反しないの。で、「何でだ!」って聞いたの。環境庁や厚生労働省に。

 そしたら「放射能が出るなんてことは想定してなかった」って。

 もっと言うと、ロシアは、(当時ソ連)あのロシアがよ、チェルノブイリが起きて1ヵ月後にはこれ(放射能)は違法だと。違法だから、病気になった人は国が全部補償すると。

 日本は未だにやっていない。どこがやるんだ!といろんな省庁に聞いたら、環境庁がやるんだと言うわけ。そこで、環境庁の課長に電話したの。「あんたのところやるんでしょ!?」と。そしたら「・・・そういうふうになってるんですかねえ」と言ったのよ。他人事。けしからんよ。


-原発に対して、政府に対して言いたいことは

山本:うーん・・・すぐ補償、すぐに賠償。さっさとやれって話ですよ。
何をとぼけてるんだと。じりじりいつまでもやるつもりですよ。やって欲しいですね。やるべき事を。

そして生放送終了後、山本太郎氏は報道陣の取材にも答えた。

-東日本駅伝のコースの線量を測るスタッフにメドは立ちましたか?

山本:何人かはやってくれると言ってくれていますけど、みんな仕事も他の事もあるので・・・ニコ生でも汚染マップを作っているらしいので、そういう所からも勉強したいと思います。

 ただ、そんな線量の高いところで若い子走らせて、駅伝やるなよ、だけではなく、そんなところで駅伝をやることが異常事態だと。じゃあそこに住んでいる人達は、子供達はどうなんだという事を投げかけるためにも、しなくてはいけない事の一つだと思っています。

-佐賀県での告発はその後どうなっていますか?

・原発抗議で俳優山本太郎さん告発 佐賀県庁侵入容疑-47NEWS

山本:地検が受理してそこまでです。

 タイミング狙ってるんじゃないですか。告発って言ってもTVを見ながらサラサラっと書いたようなものなんですから。

 そんなものを地検が受理しただけでもビックリで。でもそれが受理されたことによって、僕は確実に経済的影響を受けている訳で。これこそ風評被害です。目に見えるものとしては、原発と関係ないイベントなんてめったに呼ばれないのに、たまたまひとつ呼ばれていたのがなくなりましたね。


山本太郎氏は番組終了後の夜、ツイッターで

・有難うございました!3・11デビューですが上手に噛みつける様、勉強しておきます
・必ずリベンジしに行きます!田原さんが長生きしてくれる事、祈ります笑

と、発言。大晦日に福島から放送される「朝まで生テレビ」への出演は実現するのだろうか。楽しみである。」

大うそつき―原子力委員会の原発事故を踏まえたコスト計算

2011-10-25 12:59:38 | 災害

「原子力発電の事故コスト、1キロワット時当たり最大1・2円 原子力委が試算

産経新聞 10月25日(火)11時35分配信

 原子力発電の経済性を検証している、国の原子力委員会「原子力発電・核燃料サイクル技術等検討小委員会」の事務局は25日、損害賠償など原発事故でかかる費用を考慮した発電コストの上昇分について、1キロワット時当たり0・0046~1・2円とする試算案を示した。原発事故コストの試算は国内で初めて。

 これまで、原子力の発電コストは電源別で最も安い同5~6円とされていた。だが、福島第1原発事故を受け、「事故費用が含まれていない」との批判があり、小委員会が事故コストを試算していた。

 小委員会は、政府の「東京電力経営・財務調査委員会」がまとめた福島第1原発事故の報告書をもとに、事故を起こした原発の廃炉費用を約3200億円と推定。避難や風評被害などの損害賠償費用と併せ、原発事故の損害額は計約3兆9千億円に上ると試算し、出力120万キロワットの大型原発のコスト上昇分を算出した。

 その結果、事故の発生確率を国際原子力機関(IAEA)の安全目標の「10万年に1回」とした場合、事故コストは1キロワット時当たり0・0046~0・0062円に。一方、福島第1原発事故を踏まえた国内の実績値「500年に1回」で試算すると、0・92~1・2円となった。

 ただ、今回の試算案では、森林などの低線量地域の除染や、除染で出た廃棄物を保管する中間貯蔵施設の費用などを含んでおらず、今後コストが上昇する可能性がある。試算は政府のエネルギー・環境会議に報告され、電源別のコストの検証に使われる。

 エネ環会議のまとめでは、電源別の1キロワット時当たりの発電コストは、石炭火力が5~7円で原発に次いで安く、液化天然ガス火力が6~7円、石油火力が14~17円。また、再生可能エネルギーでは大規模水力が8~13円、風力が11~26円、太陽光が37~46円-などとされていた。ただ、算出の条件や基準が統一されていないため、同会議が検証を進めている。」

 前提があまりにも恣意的ででたらめ。

 廃炉費用が三千二百億円は安すぎる。

 また発生確率で、いまだにIAEAの安全目標十万年に一回を参照したり、「国内実績値「五百年に一回」」としている等論外。

 大規模事故は1979年スリーマイル島、1986年チェルノブイリ、そして2011年福島と、1954年の旧ソ連での原子力発電開始からでも、60年に三回も発生している。20年に一回である。

 原子力委員会のメンバーは福島事故の前も後も変わっていない。

 事故の前はそれこそ原子力推進万歳という方向を推進していた。

 今はそれを多少修正しているようだが、このようなところに本質が見える。

 役人に与えられた資料を上手にこなして、政府の方針や財界の動向、そして今は鳴りをひそめているがたいした反省もしていない原子力村の仲間の意向を踏まえた結果を出してきた。

 どうしても原発を安くしたいらしいが、もう一回事故が関西であれば亡国だ。国が滅んで原発が残って、どうするんだ。

中越沖地震・柏崎刈羽原発の事故に際しての、明石昇二郎氏の発言

2011-10-25 12:36:06 | 災害
 中越沖地震の時、東電柏崎刈羽原発は重大事故を起こした。

 その際きちんと教訓に生かしていれば、今回のようなことはなかったと思われる。

 ⇒http://www.magazine9.jp/interv/akashi/akashi.php


「「原発崩壊」の危機

 日本全国を震撼させた、新潟県中越沖地震による柏崎刈羽原発事故。

 テレビに映し出された、黒い煙を上げ続ける原子力発電所を見て、不安な気持ちにおそわれたことは、記憶に新しいところです。原発問題に詳しいジャーナリストの明石昇二郎さんにお聞きしました。

あかし・しょうじろう

[東京生まれ。87年『朝日ジャーナル』に青森県六ヶ所村の核燃料サイクル基地計画を巡るルポを発表し、ルポライターとしてデビュー。以後『フライデー』『週刊プレイボーイ』『週刊現代』『サンデー毎日』などで執筆活動。94年日本テレビ・ニュースプラス1特集「ニッポン紛争地図」で民放連盟賞受賞。著書に『ニュークリア・レインのあとに』(白水社)、『六ヶ所「核燃」村長選』(野草社)、『黒い赤ちゃん カネミ油症34年の空白』(講談社)、『原発崩壊 誰も想定したくないその日』(金曜日)ほか多数
原発と活断層の問題を追って
編集部
 『原発崩壊』(金曜日刊、1500円+税)を読ませていただきました。とても面白いノンフィクションでしたね。]
 

明石
 ありがとうございます。

編集部
 これは、2007年7月16日に発生した「新潟県中越沖地震」による柏崎刈羽原発の被害と、それにまつわるさまざまな出来事、そして、それ以前に取材した島根原発の活断層をめぐる問題などを、克明に追ったものですよね。

明石
 そうです。『週刊プレイボーイ』の4回連載分と、『週刊金曜日』に2回書いたものがベースになっているんです。それから、第3章のシミュレーション・ノベルは、『サンデー毎日』に連載したものです。

編集部
 精力的に原発問題を追い続けているんですね。

明石
 これだけ発表の場があるということは、メディアの関心も強い証拠だと思いますけど。まあ、メディアといってもごく一部だし、残念ながらテレビではほとんど取り上げてくれませんが。

編集部
 そうですね。特にテレビは、電力会社が巨大スポンサーですから、原発批判はまずやりませんからね。それで、本の売れ行きはいかがですか?

明石
 こういった硬派のノンフィクションとしては、まずまず順調に売れているようです。やっと、じわじわと世の中に存在が知られ始めたというか…。大出版社じゃないので、宣伝なんかもあまりできないし、クチコミやネットなんかで広がり始めたというところでしょうか。

編集部
 内容は、面白いというよりも、とても怖い本でしたね。

明石
 そうですね。読んでいただければ分かると思いますが、これまで原発推進とか賛成の立場であった方たちも、この本では強い憤りを述べておられます。それほど怖い。研究者たちでさえ、危機感を持っているということですね。

編集部
 印象深いのは、実名でいろんな方たちが発言なさっていることです。特に、地震と原発の問題ですね。

明石
 ええ、最初の取材は、一昨年の秋ぐらいから始めました。もちろん、中越沖地震の前です。あの地震の1年ほど前から、実は、原発と活断層の問題に取り組み始めていたんです。

 島根原発と活断層の関係ですね。僕は原発の問題に関してはずっと追いかけていたし、地震についても、静岡の浜岡原発の事故シミュレーションでかなり勉強していたので、それなりの知識はあったのですが、活断層の話は完全に素人でしたから、大変でしたね。

 浜岡原発は、必ずしも活断層云々とは関係ないのです。フィリピン海プレートが日本列島の下へもぐりこむという巨大なメカニズムの話ですから。

 でも、島根や柏崎刈羽に建つ原発のケースでは、まさにその直近に活断層が走っている。それをどう評価するか、という問題になるわけです。僕が取材し始めた段階では、柏崎の地震はまだ起こっていないわけで、その評価をめぐって専門家や地元住民の間で議論がたたかわされていた、という状況だったんです。

編集部
 そこで、住民側と電力側の専門家の意見が対立するわけですね。たまたま運が良かっただけの“柏崎刈羽”原発。

明石
 実際、裁判の場では、住民が「これは活断層だ、活褶曲だ」と指摘している箇所がいっぱいあった。それが、現実に地震が起こってみると、専門家と称する学者や電力会社の説がことごとくぶち壊されて、住民たちの言っていたことのほうが正しかったということが分かってしまったわけです。

 例えば、柏崎刈羽には7基の原発があるわけですが、地震以前から、地盤に歪みがあって原発自体が傾いていた事実も指摘されているんですよ。

編集部
 えっ、地震以前にですか?

明石
 そうです。それが、今回の地震で決定的に傾いた。不幸中の幸いで、とりあえず暴走事故には至らずに済んだわけですが。でもね、これはたまたま運がよかっただけですよ。だってね、例えば排気筒から放射性ヨウ素が漏れ出してしまった7号機なんか、本当の岩盤ではない「人工岩盤(マンメイド・ロック)」の上に建っているんですよ。

編集部
 人工岩盤?

明石
 そうです。東京電力は「原子炉建屋は岩盤の上に直接建てています」と言いながら、岩盤がなければ「人工岩盤」を造ってまで、むりやりその上に建てていたんです。つまり、この土地の地盤の強度に、東京電力自身も不安を持っていたということです。それを補強するために、人工岩盤を造って、その上に原発を建てた。

 柏崎刈羽原発は、ほんとうに危険な原発です。地震の規模を甘く想定していたことから、数千ヵ所で崩壊や破壊が起きていたわけで、これをなんとか修復して運転再開しようなんて言っていますが、僕には正気の沙汰とは思えない。

 原発を建てる上での大前提である「想定」自体が間違いだったのだから、当然、ほかの原発だって想定の見直しが必要になっているはず。でも、例の浜岡原発の裁判でも分かるように、地震規模の想定見直しによる原発の停止を、国も電力会社も行おうとはしないんですね。ほんとうに、この国の原発行政は歪んでいます。それに裁判所までお墨付きを与えている。

編集部
 そんな状況では、幸運が2度も3度も続くわけがない…。今度また、巨大地震が起こったら。そう考えると、ほんとうにぞっとしますよね。特に、活断層の問題は避けて通れない。その視点から、この本では、島根原発の活断層問題が大きく取り上げられていますが・・。


原子力安全委員会の謎

明石
 国の原発の耐震指針の改訂を議論するのが、原子力安全委員会というところなんですが、その専門委員のお一人の石橋克彦神戸大学教授(地震学)が、この会議のあまりのひどさに激怒して、専門委員を辞任しました(06年8月)。

 「安全委員会は4月に改訂案を発表し、それに対し一般からの意見を公募した。最終案にはその公募意見も取り入れるべきだと、主張した。だが、それがまったく反映されない。それでは、意見を寄せた人たちへの背信行為になる」というのが、石橋先生の辞任の理由でした。
僕が取材したとき、特に大きな問題として石橋先生が指摘なさったのが、改訂案発表後に発覚した島根原発近くの活断層の問題だったんです。

編集部
 そこから、明石さんの執念の取材が始まった。

明石
 そこで、島根原発の直近を走る活断層の問題を指摘した、広島工業大学の中田高教授(自然地理学、地形学)を取材したわけです。

編集部
 『原発崩壊』に、まるで主人公のように出てくる先生ですね。

明石
 そうです。素人の僕が、すっかり学生のようになってしまって、中田先生のご指導のもと、一から活断層の勉強を始めたわけです。その上で、国の原子力安全委員会の議事録を読み込んでいくと、妙なことに気づくんです。

編集部
 妙なこと?

明石
 審査をお願いするほうと、その審査を行う側に、同じ人物が関わっているという事実です。電力会社が原発建設の申請を国に出しますよね。その申請に関していろいろとアドバイスしている人物が、実は国の審査会の委員でもあった、ということです。

編集部
 それは、隠れてやっていることなんですか?

明石
 いいえ。その証拠に、さまざまな書類にちゃんと氏名まで載っているんです。

編集部
 ん…(絶句)。

明石
 そのうちのお一人が東京工業大学の衣笠善博教授です。

 この方は、中国電力が島根原発3号機の原子炉設置許可申請前に実施した活断層調査に関わっています。


 そこで、中電に対して技術指導を行っているんです。もちろん、そのこと自体に問題があるわけじゃないですよ。

 でも、衣笠氏は、中電からの申請を審査する経済産業省の原子力安全・保安院の委員も兼ねていたんです。国が島根原発の安全審査を実施した際、保安院の委員として、国の審査にまで関与していたんですよ。

編集部
 つまり、許可申請を出した原発側と、申請を審査する国の機関に同じ人物が加わっていた、と?

明石
 そういうことになります。自分が書いた書類を、自分が審査して許可を出す、ということですね。

編集部
 そんなことが許されるんですか?

明石
 許されるも何も、それが事実なんですから。だから、むちゃくちゃなことが起こります。


一部の学者が牛耳る、原子力における活断層研究

明石
 島根原発2号機が運転開始した1989年ごろまで、「原発の耐震性に影響を与えるような活断層は、近くにはない」と、中国電力は言っていました。

 ところが、98年になって、中電は突然「原発から2キロ離れたところに8キロの長さの活断層があった」と発表します。しかし「10キロの活断層が引き起こす地震の規模はマグニチュード6.5だから、それに耐えられる耐震設計であればいい、というのが国が定めた耐震設計審査基準だ。それには合致している」として、8キロの長さは10キロ以下だから問題なし、としたんです。このとき、中電へのアドバイザーとして、衣笠氏が関わっていました。

 それが2004年には「10キロだった」と訂正されます。

編集部
 まるで、活断層がじわじわ成長しているみたいですね。

明石
 ね、おかしな話でしょ?  この10キロ説については、異論が多かった。先ほどの広島工大の中田先生をはじめとする活断層専門家の方たちは、20キロはあるのではないかと考えていました。2005年に、中田教授たちは、原子力安全・保安院からの委託でこの地でトレンチ掘削調査を行い、「活断層が確認された」との報告書を国に提出しています。ところが、島根原発3号機の安全審査では、なぜかこの報告書は完全に無視されるんです。

 さらに、翌年には、中電が「活断層はない」と断言していた場所で中田教授たちが同じトレンチ掘削調査を実施し、実はこの活断層が18キロ以上にも及んでいることがわかったんです。ところがこの調査結果も、やはり無視されます。

 ここで、さきほどの衣笠氏の果たした役割が大きいんです。石橋教授が言っています。「原子力における活断層研究は異常です。非常に特殊なごく一部の人が牛耳っている。電力側と審査側の双方に、同じ少数の専門家が深く関わっているという、信じがたいことがまかり通っている」


編集部
 う~ん、信じたくない話ですね。

明石
 調べていくと、驚くべきことが続々出てくるんです。衣笠教授は、島根原発の活断層過小評価だけではなく、北陸電力の志賀原発(石川県)でも、活断層の長さの過小評価に加担していたんです。

 その証拠が、『原発崩壊』にも掲載した「能登半島西方海域の新第三紀~第四紀地質構造形成」(『地学雑誌』114巻5号、2005年)です。衣笠教授と北陸電力社員らの共同執筆の論文です。ここでは、能登半島の沖合いを走るのは、3本の小さな活断層だ、と結論付けています。


 しかし、07年3月の能登半島地震で起きた想定外の揺れにより、そのデタラメさが暴露されます。地震後の調査で、この活断層は、小さな独立した3本ではなく、実はつながった1本であり、その長さは18キロにも及んでいたことが判明します。しかし、衣笠教授は自分が書いた論文については、その後、まったく触れようとはしません。頬かむりです。その論文と衣笠教授を信じて原発を造った北陸電力は、いったいどうすればいいんでしょうね。

編集部
 その衣笠教授というのは、一体どのような経歴の方なんですか?

明石
 衣笠氏はもともと、通産省工業技術院地質調査所(現・独立行政法人産業技術総合研究所)の地震地質課長という、研究職の公務員だった方です。

編集部
 なるほど。それでとにかく国策に関しては、徹底的に協力をしていく、というお役人意識が強いわけですか。

明石
 まあ、どういう感覚の方かは知らないですが、何が何でも原発を建てたいと考える電力会社にとっては、とても都合のいい学者であることは間違いないですね。



原発事故における危機管理の問題

編集部
 (その1)では、ずさんな国の原子力安全委員会のあり様についてお聞きし、不安というか恐怖を感じてしまいました。しかし、さすがに国も地震と原発の関係には不安を感じ始めたようで、原発の耐震指針を見直しましたよね。

明石
 そうですね。2006年ですか。でもね、だからと言って現在稼動中の原発で、その新耐震指針に従っているものなんか1基もないんですよ。

編集部
 えっ! そうなんですか。

明石
 稼働中の原発は、すべて新指針ができる前に運転を始めていますし、新指針に沿って補強されたものもないわけですから。これから建てるものについては、その新指針を適用しようというだけです。
 
編集部
 では、もし東海大地震などが起きたら、いまのままでは耐えられない?

明石
 そうなりますよね。特に、静岡の浜岡原発なんか、大地震の想定震源域のど真ん中に建っていますし。しかも、この30年以内にマグニチュード7以上の大地震がこの地域で起きる可能性は80%以上だともいわれています。

 どうしてそこに、思いをはせないんでしょうね。裁判所だって、この前の浜岡原発訴訟でお分かりのように、国や電力会社の言い分を追認するだけですし。  

編集部
 原発事故に対する危機管理体制にも、問題は多いようですね。

明石
 それはひどいもんだと思います。とにかく、国や電力会社の情報操作がひどすぎます。

 情報を、ほんとうに細切れに出す。それも、真偽のほどが定かじゃない。一度出した情報を、すぐに訂正する。発表内容がくるくる変わる。その矛盾を突かれると、何とかごまかそうとして、よけいわけが分からなくなる。

 先日の、柏崎刈羽の地震による原発火災のときの対応なんて、どうしようもなかったですよね。

 あれが、運よく暴走事故にまでつながらなかったからよかったようなものの、もし、チェルノブイリのような炉心溶融にまで至っていたら、それこそ、地震で被災した地元住民はほとんど全滅です。

 風の向きによっては、東京や大阪、名古屋なんかの大都市も壊滅です。『原発崩壊』の中の、第3章をお読みいただければ、納得してもらえると思うんですけどね。

編集部
 ほんとうに、あれは怖かった。あれは確か休日でしたね。私は、テレビで黒煙を上げる原発を見ながら、どうすればいいのか、離れて暮らす娘たちにはどう連絡しようか、なんて真剣に考えていましたからね。


放射能被害の怖さをわかっていないこの国のリーダー

明石
 危機管理の面からいえば、あのときの安倍首相の対応もひどかったです。安倍さんは、事故当日、ヘリで現地入りしています。これはどう考えても、救援活動の最高指揮官としてとるべき行動ではない。新潟県の泉田知事は、住民の避難を考えていたほどだったんですよ。東電から送られてくるはずの環境放射能データが、モニタリングポストのダウンで、まるで入らない。これも問題ですけどね。事故のときにダウンする機器なんか、何の役にも立たない。

 JCO事故の際、東海村の村長が住民を避難させましたが、新潟県知事は、それと同じことを考えたんですね。情報がないのなら、最高責任者が決断するしかない。そういう状況の中では、まず住民の安全を考えるのが行政です。

 ところが、支持率低下で苦しんでいた安倍さんは、パフォーマンスとして現地に乗り込んだ。このとき、微量とはいえ、放射能漏れが始まっていたんです。それを承知で現地入りしたとするなら、その勇気はリッパと言えないこともないけど、しかし、指揮官が放射能に晒されて指揮できなくなったらどうするんですか。この辺が、安倍さんはまったく分かっていなかった。支持率の低下で、正常な判断ができなかったかもしれませんが。

 でも、放射能漏れの情報は安倍さんには届いていなかった可能性もある。東電の情報は、なかなか届かなかったようですから。それならば、まず情報を確かめてから現地入りかどうかを決定するべきでしょう。そんなことさえアドバイスできる側近がいなかったとすれば、低レベルな能力の政府だと言わざるを得ませんね。


編集部
 まあ、最近の自衛隊のありさまを見ても、そういう危機管理の緩みは、電力会社や政府中枢だけではないことが分かりますけどね。

明石
 僕は数多くの原発関連の取材をしていますが、事故後すぐに現地入りするなんてことは、絶対にしませんね。まず情報を精査してから行動する。原子力事故は、ほかの重大事故とは、まったく質が違うんです。放射能は目に見えません。

 どこからどういうふうに襲ってくるか、匂いもなければ痛みも感じない。そんな危険があるところへ、確かな情報もないまま突撃するなんて、決してやってはいけないことですよ。たとえ、「現地報告」を書くルポライターであっても。
 だから、今回も柏崎へ入ったのは、事故後3日目でした。


本当のことを知らせ、知っていくことから始まる

編集部
 事故が起きて、原発が停まるような事態になると、必ず電力不足が騒がれます。実際、昨年の夏は猛暑でした。電力会社はしきりに電力不足を言い立て、省エネを宣伝しました。でも、結局は電力不足による停電は発生しなかったですね。

明石
 まあ、いろんな手当てをして、何とか乗り切ったというのが真相でしょうね。原発のような集中型電源は、普通に考えるとデメリットが多いんですよ。事故なんかがあってひとつがダウンしてしまったら、ポッカリ穴が開いちゃう。大きな穴だから、なかなか補充が利かない。だから、分散型にするべきなんですよ。要するに、石油や原子力にだけ頼るんじゃなく、分散型電源を考えるべきときにきているってことですよ。

 僕はそのいい例が、燃料電池だと思っているんです。発電機を、家庭に一つずつ据え付ければいいんです。一つがダウンしたって、街中が停電することもない。それに、大都市から離れたところに造られている原発と違って送電ロスもない。僕は、次第にそういう技術が浸透していくと思いますよ。

 コジェネレーション技術、ガスタービン発電、どんどん技術革新が進んでいます。例えば、原発の場合は発生させた熱のせいぜい3割しか発電には使っていない。あとの7割は捨てているんです。もったいないでしょ。その上、例えば新潟や福島から東京まで送電するわけだから、膨大な送電ロスが生じます。ものすごく効率が悪い技術なんです。ところが現在のガスタービン技術では、60~70%の効率に達していると言われています。

 こう考えていくと、なんでそんなに原発に国や電力会社が固執しているのか、どうもよく分からない。まあ、その建設には巨大な資金が投入されますから、そのカネをめぐる噂なんか、取材しているといろいろ聞きますから、そんなことも影響しているのかなあ、なんて。

編集部
 もしそういうことで、利権やカネが絡んでいるとしたら、悲しい話ですね。

明石
 ほんとうに、最後は政治の問題に行き着かざるを得ない。だから、僕はとにかく懸命に取材して、情報や真実を掘り起こして伝えることで、それが政治の場で議論されるための材料になればいいと思っているんです。それは、与党とか野党とかという次元の問題ではなく、僕も含めて国民の生命の安全に関わることなんですから。そのためにも、みんなに本当のことを知ってほしい。すべてはそこから始まるんです。だから、国も電力会社も、本気で情報公開に取り組んで欲しい。

編集部
 それがまず第一ですね。私たち『マガジン9条』も、人間の命がもっともだいじだと思っています。その意味で、これからも原発の問題には関心を持ち続けたいと思います。
 今日は長い時間、ありがとうございました。」