飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

鎧が出来るまで その57 

2009-11-12 19:57:14 | ハーネス(HG harness)

Dscf0041 ここで、ハーネスにファスナーを閉めた後、そのラインがハーネス内に収納するためのショックコードを取り付けます。

これについては、EXEは独自のアイデアを採用しています。

皆さんは、EXEのハーネスには、このショックコードが二つあることに気づかれていますか?

まず、100中99人の方は気づかれていないと思います。しかし、これには重要な意味があるのです。

まず、他社ハーネスは、このショックコードが一つですが、この場合、問題が起きてしまいます。

それは、ファスナーを閉めるラインの引き込みを良くしようと、このショックコードの位置を、ハーネス後方へ移してしまうと、ランディング時、ヒザがラインをくぐってしまい、足に絡まってしまうのです。

このため、ショックコードの位置は、ヒザ位置よりも後ろに下げられないのです。

しかし、その位置にショックコードを取り付けると、ショックコードの引きしろが少ないために、ファスナーを締めるラインが全部収納できず、一部、ハーネスの外に出たままとなってしまいます。

そこで考えたのが、このショックコードを二つつける方法。

前方のショックコード(写真で前方のリング)は、ラインが足に絡まらないようにするためのもの、そして、後ろのショックコード(後方のリング)は、ファスナー開閉ラインの引き込みを行うものと、その役目が完全に分かれています。

このアイデアにより、EXEのハーネスはファスナーの開閉ラインがヒザに絡まることがなくなりました。

非常に単純で、効果のあるアイデアなのですが、他社ではまだこのことに気がついていないようです。

EXEのレッグストラップの方式が、ブラジルのネネローターハーネスに採用されたように、この方法も早く他社が真似をして、世界のスタンダードになって欲しいのですが、なかなか気がついてくれません。

只今のハーネス納期情報。 バックオーダー9着。

これからのオーダーについては、納期が来年になることは避けられない状況です。

申し訳ございません。

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鎧が出来るまで その56

2009-11-10 22:44:06 | ハーネス(HG harness)

Dscf0040 取り付けたファスナーをつないでみました。

EXEのハーネスの特徴である二つのバックルが良く分かると思います。

向こう側、下部のバックルは、最近、世界の流れでは、より上側にズラして取り付けられるようになっています。

この理由は、ランディング時に体を起こすと同時に体がズリ下がり、ファスナーが自然に開いて、体より起きるようになるためです。

もちろん、EXEでは一通りの実験は全て行っているため、このくらいのことは十年以上前に発見はしていました。

しかし、ランディング時のみならず、テイクオフ時もどうしてもファスナーが開いてしまい、閉めるのが面倒、あるいは、ランディング時にファスナーが開いて気持ちが悪い等の評価がお客様よりあったため、ファスナーがあまり開かないように、現在としては下の位置に取り付けています。

このようなことをしても、もともと、EXEのハーネスはVGF機構(ホームページ参照)により、他社のハーネスよりも起き上がりについては性能的に優位なため、あえて、お客様にとって違和感のあるバックルの位置、つまり、ファスナーがテイクオフ、ランディング時に開いてしまうような位置にすることは避けるようにしています。

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鎧が出来るまで その55

2009-11-06 20:32:40 | ハーネス(HG harness)

Dscf0039 うまくファスナーが縫い付けられたら、再度、二度目の縫いを行います。

ファスナーは二度縫いが基本。一箇所糸が入れても大丈夫なようにするためです。

只今のハーネス納期情報。バックオーダー9着。

製造効率はあがっていますが、現状としては、これからのご注文は今年中は難しいとお考え下さい。

大変申し訳ございません。

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鎧が出来るまで その54

2009-11-05 22:43:10 | ハーネス(HG harness)

Dscf0038 ファスナーの始まりと終わりを、部分的に縫製した後、全体を均一の調子に整えながら、ファスナーの本縫いをしていきます。

私はもう、15年以上工業用ミシンを扱っているので、それほどこの作業は難しく感じていませんが、慣れていない人は、ミシンのオクリ等の影響で、ひょっとしたら、ファスナーを均一に縫製できないかも知れません。

ともかく、私はこの方法で、ファスナーの縫製にかかる時間を、大幅に縮めています。

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鎧が出来るまで その53

2009-11-02 22:34:06 | ハーネス(HG harness)

Dscf0035 ファスナーの縫製の続きを説明します。

片方のファスナーについては、少し引張りの力を加えながら縫製しますが、残りのもう一方のファスナーの縫製が、前回でもご説明したように、ファスナーの始まりと終わりの位置がピッタリ一致していないと、左右のずれたハーネスになってしまうので、そうならないように工夫が必用になります。

ほとんどのメーカーは両面テープ等で仮止めをした後に、縫製しています。

しかし、私の場合は全く違う方法を取っています。

その方法とは、実は、最初にファスナーの始まりの位置と、終わりの位置を先に「仮縫い」して、ファスナーの位置決めをしてしまうのです。

そして、その後に、ファスナーを均等になるように注意しながら縫製していくのです。

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