敏腕気象予報士Nの一言で今年も始まった、クロカン騒動…。
クロカンとは、ハンググライダーでどれだけ遠くまで飛べるか?
その記録を競うものです。
いままでの国内記録は、茨城県石岡市より、仙台までの230キロメートル。
昨日は、記録狙いで、せっかく集まったハングフライヤーの期待も空しく…。
でも、記録が狙えそうな日は、一日でとどまらず、その翌日まで続く予定でしたが…。
…。
…。
私の野生の感…。
今日は、気温減率悪いよね!
気温減率とは、高くなるほど空気の温度が下がる、その度合いを表したもの…。
これが悪いと、上昇気流が弱くなってしまうんです…。
「どうせ今日も、ちょっと飛んで終わりだろう。」
みんなを回収する役割を担った私でしたが…。
そこら辺を読んで、ゆっくりと出発することにしました…。
案の定…。
今日も、気象予報士のNを一番に回収…。
昨日とほとんど同じ場所です…。
「いや~、やっぱりシブかった!」 注。シブいとは、上昇気流が弱いの意。
…。
次に益子町まで飛んだM氏を回収。
やはり、飛行距離は延びません…。
この次は、ちょっとここより飛んで、H氏を回収。
場所は烏山で、飛行距離は30キロほど…。
やはり、記録は伸びませんが、まだ二人飛んでいるはずです!
と、ここで、O氏より連絡が!
大田原に降りたらしい。烏山より、更に20キロほど距離を伸ばし、50キロの距離を飛びます。
この日の気象条件で、よくここまで飛べたものです。
O氏を回収。
でも、まだ一人は飛び続け、距離を伸ばしています。
とりあえず、ここより先に飛んで行っていることは分かっているので、そのまま後を追います!
と、最後の一人から連絡が入りました!
なんと、郡山の先まで飛んで降りたとのこと!
130キロ以上飛んでいるではありませんか!
よく、こんな条件の悪い時に、そこまで飛べたものです。
私たちがその時いた場所から、更に80キロ以上先です!
思いのほか飛んでいたため、急いで高速道路に乗り換えて、最後の一人を迎えに行きます!
最後まで飛んでいたのは、Iガキでした!
日本のハング界を引っ張っている張本人!
やっぱりやりますね!
ちなみに、私とはタメ年です。正直、このバイタリティーは尊敬します!
最後にIガキを回収しますが…。
ハイエースの屋根の上には、今まで回収した5機のハンググライダーが…。
今回は、この機体すべてが「固定翼」と言われる、高価で高性能な機体ばかり…。
値段を合わせると、1500万円を越えます!
おそらく、一台の車の上に乗せたハンググライダーの、合計価格の記録を作ったのでは?
(なんの自慢にもなりませんか…。)
こうして、私たちのクロカン騒動は幕を閉じました。
正直、この日の気象条件で、ここまで飛べるとは思っていませんでした。
これはやはり、機体性能の向上、それと、フライト技術の向上があったからでしょう。
でも、まだまだ今年のクロカンは終わっていません。
ゴールデンウィークが終わるまでは、チャンスはあるでしょう!