飛行中年

空を飛ぶことに薪ストーブ、そして、旅をこよなく愛する一人の中年のブログです。

ハンググライダーの進化の歴史 5

2012-05-11 20:00:46 | ハング(hangglider)

今までは、ハンググライダーの歴史を遡ってご説明しましたが、近代のスポーツとしてのハンググライダーの始まりは、なんといってもロガロ翼でしょう。

ロガロとは人の名前で、NASAの研究員をしていた、フランシス ロガロという方が、宇宙船の地球帰還型のものを、ある程度操縦して滑空し、目的の場所に着陸させるため、重量が軽くシンプルで折りたためる翼が使えないかというアイデアを出します。

少し前に引退したスペースシャトルの軽量簡易型みたいなものですね。

そして、ロガロは凧に着目します。

「西洋凧の下を切り取ったらどうだろう‥」。

001 西洋凧は、揚力の多くを前半分で発生させています。

そして、下の半分は抗力を発生させ、凧としての安定をとるための役目を果たしています。

つまり、滑空機として使うには後ろ半分がいらないのです。

そこでカット!

ロガロ翼(ハンググライダー)の誕生です。

新しくロガロ氏が考えた翼はロガロ翼と呼ばれ、翼の角度を変えるだけで滑空をコントロールできることも分かり、ロガロさんはこの翼に対し特許を取得しました。

その後、このロガロ翼は残念ながら実際に宇宙船には使われなかったのですが、このアイデアを見て、リチャードミラーという人が、「人間が乗ったら面白いのでは?」と、考えたのです。

そして、実際にそれを製作し飛ばしました。

その後、それを見た世界中の若者が触発され、次々とロガロ翼を作るようになったのです。

スポーツとしてのハンググライダーの始まりです。

このようにしてハンググライダーは世界中にスポーツとして広がっていくことになり、今へとつながっていくことになります。

さて、ここで大きな疑問‥。

先ほどロガロ氏は、ロガロ翼について特許を取得したとご説明しました。

しかし、世界中のどこのハングメーカーも、ロガロ氏に対し、ロガロ翼の特許使用料を払ったことがないのです。

これは、ハンググライダー界最大の謎とされています。

結局ロガロ氏は、その特許のロイヤリティーをめぐって裁判をおこすでもなく、ハンググライダーの世界選手権等に特別ゲストとして招かれ、ニコニコしながらハンググライダーが飛ぶのを見ていたそうです。

そのうちロガロ氏も他界‥。

結局、ロガロ氏が特許使用料をなぜ請求しなかったか‥。

その謎は永遠にわからなくなってしまいました。

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