前回はライト兄弟の飛行機について御紹介しましたが、みなさんは、ライト兄弟が飛んだ同じアメリカで、ライト兄弟よりも早く飛行機を飛ばした人がいたことをご存知でしょうか?
グスターヴ ホワイトヘッドという方です。
この方、その飛行に関し、写真を撮るなどの「証拠」を残さなかったため、ずっと歴史の闇に埋もれていた方です。
もともとはドイツ人で、グライダーの父と言われる、あのリリエンタールにも会ったことがあるようです。
また、はっきりしないのですが、ライト兄弟が自分たちの飛行機のエンジンを作るときに、その技術をグスターヴに教えてもらいにきたという話もあります。
いろんなことがはっきりとせず、グスターヴが飛んだことも目撃者の証言でしか残ってないのです。
彼の飛行機は、プロペラが二つあり、飛行方向の変更は、二つのプロペラに推力差を作ることにより行っていました。
旋回するときは、曲がりたい方の翼をたわませ、そして、同時に体重移動を行うことにより曲がっていたようです。
また、プロペラ以外にも車輪にもエンジンをつけていたという特徴もあります。
本当にこのグスターヴが飛行機で飛んだのか?
これについてはいまだに論争となっているようで、その証拠の少なさから「否定論」もあるようです。
私もネットでグスターヴについて調べてみましたが、見つけた写真は地上で写された2枚だけでした。
で、実際にこのグスターヴの飛行機が飛んだかどうかの私なりの意見なのですが…。
これ、はっきり言って飛ぶと私は思います。
もっとも、その飛行に際し、飛行に耐えられる強度と剛性を持っているという条件付きなのですが…。
まず彼は、リリエンタールの教えからグライダーでの実験を行っており、そのグライダーはちゃんと飛んでいたことから、動力のついた飛行機でも十分な強度と剛性があったと思われます。
エンジン馬力的には20馬力と非力ではありますが、ライト兄弟は12馬力で飛行に成功しています。
そして、何よりも飛行に必要な自立安定性がありそうなのです。
まず、翼に上反角があることから、ロールの安定はあったでしょう。
そして、垂直尾翼がないのですが、主翼と水平尾翼の取り付け角から、重心位置が結構前に位置していたことが予想され、その場合、重心より後ろの抵抗が増えるため、それなりに方向安定もあったと思います。
(これについては一番怪しいところではありますが…。)
そして、ピッチの安定なのですが、写真をみると、上に書いたように主翼と水平尾翼の取り付け角が、いつも私が申し上げているように浅い逆ハの字の関係がきちんと保たれてます。
つまり、むしろ、ライト兄弟の飛行機よりも安定して飛んだのでは?と、思えるところもあるのです。
ただ、グスターヴの場合、ピッチ、ロール、ヨー。3軸の姿勢の制御がまだしっかりとしておらず、その辺はライト兄弟の方に軍配が上がると思います。
でも、ただ飛行するだけならば、グスターヴの飛行機でもなんとか飛べたのでは?と、私は思います。
飛行機って、このブログで何度も申し上げているように、実は、決まった要点だけをしっかり押さえていれば、とりあえず飛ぶことが出来ます。
その要点とは…。
機体を浮かせる揚力が発生すること。
自立安定性を持っていること
上記の二つが維持できる、強度と剛性を持っていること
この三つです。
更に、「自立安定性」について、
ロールは上反角、あるいは、後退角があること
ヨーは垂直尾翼を持つか、重心より後ろの抵抗が大きいこと
そして、ピッチについては前後の翼の取り付け角の関係が
これだけ保たれていれば、どんな形の飛行機でも飛んでしまうんです!
今回ご紹介しているグスターヴの飛行機は、ちゃんと上記の飛行機が飛ぶ重要な要素が備えられているのです。
だから、私はグスターヴの飛行機は、ライト兄弟の飛行機よりも前に、おそらく、飛んでいたと思います。
某、自作人力飛行機で飛距離を競う番組の出場機を選定する「書類選考会」では、形だけ「飛行機らしい」形の図面を提出し、実は、本当に飛行機が飛ぶことに必要な上記の要素の記述が見当たらないものを多く見受けます。
特に、ピッチの安定性に重要な「翼の取り付け角の関係」の記述がない物が多く、正直、安全に飛べるかどうか、その判定が出来ないものがあります。
と、言うか…。
その記述がないということは、飛行機がなぜ飛ぶか、設計者はそれを理解していないという判定になり、大きな減点対象になります。
飛行機って、その形がどうのこうのという以前に、実は、上記の飛行に必要な要素が備わっているかどうか?ということのほうが、よっぽど大事なんです!
グスターヴ ホワイトヘッドという方です。
この方、その飛行に関し、写真を撮るなどの「証拠」を残さなかったため、ずっと歴史の闇に埋もれていた方です。
もともとはドイツ人で、グライダーの父と言われる、あのリリエンタールにも会ったことがあるようです。
また、はっきりしないのですが、ライト兄弟が自分たちの飛行機のエンジンを作るときに、その技術をグスターヴに教えてもらいにきたという話もあります。
いろんなことがはっきりとせず、グスターヴが飛んだことも目撃者の証言でしか残ってないのです。
彼の飛行機は、プロペラが二つあり、飛行方向の変更は、二つのプロペラに推力差を作ることにより行っていました。
旋回するときは、曲がりたい方の翼をたわませ、そして、同時に体重移動を行うことにより曲がっていたようです。
また、プロペラ以外にも車輪にもエンジンをつけていたという特徴もあります。
本当にこのグスターヴが飛行機で飛んだのか?
これについてはいまだに論争となっているようで、その証拠の少なさから「否定論」もあるようです。
私もネットでグスターヴについて調べてみましたが、見つけた写真は地上で写された2枚だけでした。
で、実際にこのグスターヴの飛行機が飛んだかどうかの私なりの意見なのですが…。
これ、はっきり言って飛ぶと私は思います。
もっとも、その飛行に際し、飛行に耐えられる強度と剛性を持っているという条件付きなのですが…。
まず彼は、リリエンタールの教えからグライダーでの実験を行っており、そのグライダーはちゃんと飛んでいたことから、動力のついた飛行機でも十分な強度と剛性があったと思われます。
エンジン馬力的には20馬力と非力ではありますが、ライト兄弟は12馬力で飛行に成功しています。
そして、何よりも飛行に必要な自立安定性がありそうなのです。
まず、翼に上反角があることから、ロールの安定はあったでしょう。
そして、垂直尾翼がないのですが、主翼と水平尾翼の取り付け角から、重心位置が結構前に位置していたことが予想され、その場合、重心より後ろの抵抗が増えるため、それなりに方向安定もあったと思います。
(これについては一番怪しいところではありますが…。)
そして、ピッチの安定なのですが、写真をみると、上に書いたように主翼と水平尾翼の取り付け角が、いつも私が申し上げているように浅い逆ハの字の関係がきちんと保たれてます。
つまり、むしろ、ライト兄弟の飛行機よりも安定して飛んだのでは?と、思えるところもあるのです。
ただ、グスターヴの場合、ピッチ、ロール、ヨー。3軸の姿勢の制御がまだしっかりとしておらず、その辺はライト兄弟の方に軍配が上がると思います。
でも、ただ飛行するだけならば、グスターヴの飛行機でもなんとか飛べたのでは?と、私は思います。
飛行機って、このブログで何度も申し上げているように、実は、決まった要点だけをしっかり押さえていれば、とりあえず飛ぶことが出来ます。
その要点とは…。
機体を浮かせる揚力が発生すること。
自立安定性を持っていること
上記の二つが維持できる、強度と剛性を持っていること
この三つです。
更に、「自立安定性」について、
ロールは上反角、あるいは、後退角があること
ヨーは垂直尾翼を持つか、重心より後ろの抵抗が大きいこと
そして、ピッチについては前後の翼の取り付け角の関係が
これだけ保たれていれば、どんな形の飛行機でも飛んでしまうんです!
今回ご紹介しているグスターヴの飛行機は、ちゃんと上記の飛行機が飛ぶ重要な要素が備えられているのです。
だから、私はグスターヴの飛行機は、ライト兄弟の飛行機よりも前に、おそらく、飛んでいたと思います。
某、自作人力飛行機で飛距離を競う番組の出場機を選定する「書類選考会」では、形だけ「飛行機らしい」形の図面を提出し、実は、本当に飛行機が飛ぶことに必要な上記の要素の記述が見当たらないものを多く見受けます。
特に、ピッチの安定性に重要な「翼の取り付け角の関係」の記述がない物が多く、正直、安全に飛べるかどうか、その判定が出来ないものがあります。
と、言うか…。
その記述がないということは、飛行機がなぜ飛ぶか、設計者はそれを理解していないという判定になり、大きな減点対象になります。
飛行機って、その形がどうのこうのという以前に、実は、上記の飛行に必要な要素が備わっているかどうか?ということのほうが、よっぽど大事なんです!