タンデム講習は、お客様の肉体的な負担を大幅になくし、しかも、精神的不安、負担をもやわらげてくれる、素晴らしい講習方法です。
しかし、現実はそんな素晴らしい講習方法を用いても、後に残って一人前のフライヤーになる方はかなり少ないと言えると思います。
かりに、一日体験で来た講習生の方が、皆さんグライダーを購入するまで育てることができたら、日本のハング界は大変な賑わいを見せることは間違いありません。
そこで、まずどうすれば一日体験のタンデム講習のお客様が後々残ってくれるか、いろいろと考えてみましたので、私の意見で恐縮ですが、そのことを述べてみたいと思います。
何かの参考になれば幸いです。
まず、どうして一日体験のタンデム講習のお客様が残らないのか?この問題について考えてみたのですが、その理由は、「お客様の目的が、そもそも空を飛ぶことだけだから」ではないでしょうか?
初めてのお客様は、そのたいていがハンググライダーがどういうスポーツなのか、まだその詳細を知りません。
そして、そんなお客様の希望は、ただ単純に「空を飛んでみたいから」だと思います。
つまり、一日体験でいきなり空を飛んでしまったら、その希望がかなってしまうことになり、それ以後ハングを続ける意味がなくなってしまうのではないでしょうか?
だから、私は一日体験のタンデム講習生は、後に残りにくいのだと考えています。
それではどうすれば、その一日体験のお客様が残るようになるのか?
私なりにアイデアを考えてみましたので、ちょっとご紹介いたします。
まず、一日体験できたお客様に、ハンググライダーの楽しみを余すことなく伝えること!
ハングは何時間も何キロでも飛ぶことができること。素晴らしい景色、誰も見ることができない景色が見られること。多くの仲間ができること。そんな仲間と遠征に出かけたり、また、時には海外にまで飛びに行ったりできること。また、毎週末、そんな仲間たちと心地の良い時間が過ごせること等、紹介できることはいくらでもあると思います。
そんなことを一日体験のお客様に伝えることが、私は重要なことだと思います。
このことにより、一日体験できたお客様の目的が、ただ単純に空を飛んでみたかったことから、もっとハングの奥深い楽しみに触れられるレベルまで自分も到達してみたい…。そのよう思わせることが大切だと思います。
そして、お客様のただ単純に空を飛んでみたいたいという目的を、初日から変えていくことがもっとも重要だと思います。
そのためにも、雰囲気作りとして、ショップ内には迫力のあるフライトの写真や、綺麗な景色の写真なども飾ったり、また、クラブメンバーの日ごろの楽しい体験記なども直ぐに知るようにできたりと、工夫は必要だと思います。
また、フライト後は初日の人も含めて、クラブ員でバーべキューをしたりなどして、楽しくなじみやすい雰囲気を作っていくことが重要だと思います。
このような努力により、初めてスクールに来た方が、ハングの奥深い楽しみに興味を持ち、やがてはハングを続けてみたいと思うようになるのではないか?私はそのように思います。