日々の出来事

当院の出来事を紹介します

祭壇

2011-02-28 00:49:06 | Weblog
ベルタの遺骨は、自宅の居間に祭壇を作りお花と一緒に安置しています。

病院の子たちのお墓を、そのうちに作らなくてはならないかも知れません。

元気だった頃のベルタの写真集を受付に置かせていただいています。写真をCDに焼いて、盲導犬協会にも差し上げました。

ベルタにお花!

2011-02-27 22:47:10 | Weblog
今日いらした馴染みの猫ちゃんの飼い主さんが、ブログでベルタの旅立ちを知ったと言って、お花をわざわざお持ちくださいました

感謝・感激です!

受付に来てベルタのことを知り、泣いてくれた飼い主さんもおられました。たくさんの方に気にしていただいていたことを痛感し、感謝の気持ちでいっぱいです。

麻酔学の講習会

2011-02-21 01:28:34 | Weblog
日曜日の午後は、麻酔学のセミナーに参加してきました。
講師は、日本大学の佐野忠士先生でした。


今回のセミナーは看護師向けの講義でしたが、知っている先生が講師でもあり、基本を確認する目的で当院の看護師と一緒に参加してきました。

すでに知っていて実践していることもあれば、勘違いや知らなかったこと、最近のアップデート等もあるため、得意な分野でもたいてい新しい発見が一つはあるものです。

講義終了後は懇親会に参加して、獣医麻酔学の現状と課題を伺うことができました。
麻酔は基本的には手術や検査のために行うものです。
動物たちの高齢化に伴い、ジビアな麻酔を要求されるケースも少なくありません。

持病がなくても麻酔リスクはゼロにはなりません。
しかし持病があれば、麻酔リスクは確実に上昇します。
それを乗り越えてこそ、大きなリターンが得られるのです。

麻酔は縁の下の力もち、それだけでは患者を救えませんが、そのための重要な分野であることは間違いありませんよね。うちのように麻酔をかける機会の多い動物病院では、極めて重要な分野であります。

学術委員長の交代

2011-02-19 19:13:02 | Weblog
先日、所属している勉強会の事務局から、「総会の議長をせよ」と連絡がありました。

持ち回りですから引き受けないわけにもいきませんが、積極的にしたい役でもありません。
やはり、議事進行をして行く中で、スムースに進行させられるかが問われるわけですので、不手際は許されないでしょう。当日まで、落ち着かない日が続きます。

3月は年度末であり、獣医師会など様々な同業者会の総会が行われます。
そのための準備は、当然2月中にあり、様々な報告書類を提出することとなります。
先日、打ち合わせをしましたが、総会の準備を進めている役員・事務局の方々のご苦労はたいへんだと思っています。自分は、こんなに丁寧に準備できないなあ・・・、と感心してしまいました。

新潟小動物臨床研究会は、お互いに協力しあう関係にある獣医師の勉強会です。
長いこと学術委員長を仰せつかってきましたが、次年度から若い先生に交代することとなりました。
少し寂しい気もしますが、マンネリを避ける意味でも後輩を育てる意味でも、重要な交代だと考えています。

総会の議長をする・学術委員長を退任する、なんだか齢をくった気がしてきます。
一兵卒として(どこかの政治家みたいだ)、今後も勉強会の運営には積極的にご協力するつもりです。
獣医師がお互いに切磋琢磨して、診療を通じて社会に貢献することが、非常の重要だと信じています。



輸血続き・・・

2011-02-17 19:23:25 | Weblog
連日、輸血が必要な子が続きます。

先日書いたDIC(播種性血管内凝固症候群)の犬2頭のうち、
交通事故の子は助かりました。

歯科処置後にDICを起こしてしまった子は、残念な結果となってしまいました・・・。
皆で助けようと必死の看病・治療を行いました。
新鮮血漿輸血で、止血がうまくいくところまで回復してくれてきていました。
しかし最後には肺水腫という状況がおきてきてしまい夜中に私と柳田先生、看護師の市橋で看取る結果になってしまいました。

今日は今日で、猫白血病ウィルス陽性のため貧血を起こしている猫に輸血をしました。
連日、輸血の必要な犬や猫が続きます。

輸血は対症療法に過ぎません。
原因を解決しなければ、また輸血が必要になるでしょう。
慢性腎不全やある種の癌など、治せない原因が背景にあることも多いのです。

血を取らせてもらうレシピエントの安全も配慮に入れなくてはなりません。
それでも輸血で助かる命が多いので、必要な場合には行っています。
不思議と同じ病気や、同じ治療が必要なケースが続くものなんですね。

ベルタの火葬

2011-02-16 23:00:06 | Weblog
今日は午後から、元盲導犬ベルタの火葬をしてきました。

元のユーザー石塚さんもかけつけて下さり、一緒立ち合っていただきました。

大きな喪失感がありますが、たくさんの花に囲まれて、旅立っていきました。

遺骨を石塚さんと分骨して、お別れしました。今は自宅に安置しています。たくさんの思い出と共に、冥福を祈りたい…そう思っています。合掌

二日続けてDIC・・・

2011-02-15 21:59:36 | Weblog
昨日、事故で出血の止まらない犬が来たことを書きました。

今朝、歯科処置後で入院中の別のワンちゃんが、朝イチで診た際は普通にしていましたが、柳田先生が出勤したら傷から出血がにじんでいたそうです。私がみたら、歯茎の縫合部分から出血が・・・。
昨日と昨晩は止血されていたのですがね。

圧迫しても、止血剤を注射しても出血が止まらない、むしろ悪化してくる。
まさか!と思って再検査したら、術前に正常値だった凝固系の検査値が吹っ飛んでいました。
DIC(播種性血管内凝固症候群)の発生と判断しました。

供血犬のエース・ジャック君には、(ついでに?)もうひとがんばりしてもらいました。
ジャックの血液を輸血しましたが、やはりまだ止まらないという状態が午前中続きました。
ピンチの時は、別の仲間犬に頼るしかありません。
供血犬としてボランティア登録していただいているティンクちゃんに、電話して来ていただきました。

ジャックからの輸血だけでは止血にいたらず多血傾向になったため、ティンクちゃんの血液は遠心分離して、「新鮮血漿輸血」として使わせていただきました。おかげさまでかなり検査値が改善してきています。

今晩は寝ずの管理になります。
まさか二日続けてDICが起きるとは・・・、治療がけっこうたいへんなんですよね。
明日の午後はベルタの火葬の日なんですが、今は生死の際にいる子たちの対応で手一杯です。
お迎えの来たベルタは、私の家族と共に過ごしています。
いろんな方々からお花をいただきました。
この場を借りて感謝申し上げます。

近所のそば屋のおばさんは、わざわざ病院まで会いに来てくれました。
「ご苦労さんでしたね・・・」
散歩で近所を歩いていた時には、おばさんによく声をかけていただいていたのです。
「ベルちゃん、ベルちゃん」とよく撫でていただいていたのです。

横浜で盲導犬として生き、新潟で余生を送ったベルタ、たくさんの花に囲まれ、手紙も添えていただきました。
そういうおつきあいの中で、旅立っていきました。

今は、目の前の患者さんを救うことに専念せざるを得ない、院長・浅井でした。




緊急輸血

2011-02-15 02:17:22 | Weblog
昨晩、交通事故の犬が急患で来ました。

傷からの出血が止まらず、調べてみたら血液凝固の異常が起きていました。

病院のレニー君から輸血を入れましたが全く出血が制御できません…。DICという状態が疑われました。困ってしまったので、供血犬のリリーフ、親友ジャックに電話しました。

お母さんが電話に出てくれて、ジャック君の緊急出動をお願いしました。本人は遊んでくれると勘違いして大喜び、頼み込んで友達のために400mlの血液を恵んでもらいました。

おかげさまで何とか危険な状態は脱しつつあります。まだ予断は許しませんが、ジャック君の血液のおかげで、また一人犬仲間が助かりそうです。ジャック、今日はゆっくり休んでね。

ベルタ旅立ちました

2011-02-14 20:10:18 | Weblog
元盲導犬で引退後うちの動物病院の看板犬だったベルタ…今日の午後に旅立ちました。

この数ヶ月間、寝たきりになっていましたが、スタッフの献身的な介護受けて頑張っていました。

いよいよ危なくなっていましたので待機していました。穏やかな旅立ちでした。さみしくなります。

日曜日の夜は鬼門

2011-02-13 23:03:58 | Weblog
今日は、柳田先生がお休みを取ったので、朝から一人で診療でした。

昨晩は、遅くまで遠方でエコー実習に参加していたため、朝からしんどかったです。
それでも午前中の診療はたいして忙しくなかったので、なんとか体力保存。
午後はそこそこ忙しかったので、夜は結局9時すぎまで残業となりました。

終わり頃に初診でいらした猫が、かなり難しい病態でしたので、方向性が見えるところまで検査や治療で看護師共々残っていました。そこの時間外で食欲不振と吐き下痢の猫から電話がきました。日曜日の夜は、ホントに動物病院がやってないようですね。うちは毎日診療していて時間外も受けているため、日曜夜は鬼門なんですね。おまけに今日は一人診療・・・、とはいえ手を抜くわけにはいきません。

結局、一生懸命に診療すれば、件数をたくさんこなすことは無理なんですね。うちは診療件数はそんなに多くありませんが、一件一件しっかり診ているため、今の2倍はこなせないと感じています。件数をこなしている動物病院でクオリティを維持していくことは、すごくたいへんなことだと思っています。うちは、医療のクオリティを落とすことはしたくないのです。時間が延長しても、基本に忠実に、一つずつしっかりと、「手を抜かない」診療をしていいたいと考えています。