日々の出来事

当院の出来事を紹介します

口鼻瘻のフラップ閉鎖

2011-02-09 16:44:52 | Weblog
今日は、左上の犬歯が歯周病で口鼻瘻になりそうな犬の歯科処置を行いました。

口鼻瘻とは、口の中(口腔)と鼻の中(鼻腔)が通じてしまう状態です。
正常ならば通じてはいません。
しかし歯周病がひどくなると、歯根周囲の骨(歯槽骨)が吸収されてしまいます。
犬歯の歯根と鼻腔は、2mm程度の薄い骨しかないため、重度の歯周病では穴があいてしまう場合がけっこうあります。

今日のワンちゃんは、知り合いの獣医さんからのご紹介でした。
手術の時間に見学にいらしたので、ちょっと緊張してしまいました。
一本だけ処理の予定が、他に歯周病の歯が3本見つかり、結局抜歯が必要となりました。
抜歯して歯肉のフラップを作成し、ちょっと出血は多かった(止まりにくかった)ですが、無事終了できました。

歯周病は全身に悪影響のある疾患です。
放置すると様々な全身疾患を引き起こします。
特に心内膜炎や糸球体腎炎などは、重要な病気です。

歯肉のフラップは、歯肉の欠損が大きいと、ちょっと一工夫が必要となります。
今日も近くの歯が歯周病だったので、フラップの作成ラインをどう切るのか・・・、
センスの問われる部分です。
フラップを引き延ばす技術も必要となります。
今までに専門家から習ってきた技術が、役に立ちました!

辛かったでしょう

2011-02-09 01:15:39 | Weblog
今日は、私個人はお休みをいただいていました。
しかし原稿書きがあり、朝から病院で机に(パソコンに)向かっていました。

予約の日でしたので、9時半頃初診のウサギさんが来院しました。
かなり遠方からホームページを見て、わざわざ来てくれたようです。
柳田先生はエキゾチック・アニマルの勉強もしているので、予約を受けていた模様でした。

脱水症状でかなり弱っていました。
検査のために鎮静をかけて口の中を観察したら、歯というか舌と頬粘膜がえらいことになっていました。
ウサギの歯は常生歯で伸び続けます。
臼歯(奥歯)がすり減って噛み合わせがズレた部分が尖ってしまい、舌と頬の内側の粘膜を傷つけていました。

歯科の仕事は私の担当です。
結局、急ではありましたが、麻酔をかけて切削する処置を行い、無事に終了できました。
尖った部分をドリル等で削り、平滑にして仕上げました。
ウサギの口は、大きくは開きません。
ちょっと独特な分野なので、毎回悪戦苦闘しています。

辛かっただろうと感じましたが、術後に干し草を食べ始めてくれました。
2週間ほどまともに食べていなかったそうなので、ちょっとうれしい気持ちになりました。