日々の出来事

当院の出来事を紹介します

恩師の思い出

2006-01-24 16:26:36 | Weblog
インフルエンザでくたってしまい、間をあけてしまいました。ごめんなさい。体調が悪い時、必ず思い出すのは幼小時のかかりつけ医だった阿部先生です。夜中や明け方に喘息の発作を起こすと、必ず診てくれた小児科医です。どんな時間でも、いれば必ず電話に出てくれましたし、診療してくれました。先生の印象はいつ行っても机に向かって勉強している、そんな感じでした。開業医魂を見せていただいた方の一人でもあります。私の結婚式に出ていただいた時は、感慨ひとしおでした。そんな先生もお年をめされ、今は週数回の診療しかできないようです。今でも母は信頼して通っています。一生勉強・生涯現役・・・、私の診療の原点がここにあるのです。

講習会

2006-01-15 22:36:47 | Weblog
今日は学術委員長をしている新潟小動物臨床研究会の講習会がありました。講師は日本大学助教授の亘敏広先生で、嘔吐と下痢の診断と治療についてたいへん有意義な講習でした。前日の夜は月岡温泉へご一緒し、親交を深めました。オフレコでおもしろいお話がたくさん伺えました。お互い翌日の準備もあり、お酒もほとんど飲まずに早く休みました。手が抜けないのはよくわかりますが、先生、お互いに診療上の無理はほどほどにしましょうね。

自宅で看取る勇気

2006-01-14 01:14:57 | Weblog
食欲不振で来院したウサギのSちゃんは急性の腎不全でした。検査値が悪く、重度の尿毒症になっていました。血液検査後すぐに血管点滴等の治療を開始しました。一晩必死の治療を試みましたが治療に対する反応はおもわしくなく、飼い主さんと相談の上であえてお返しして自宅で看取る選択となりました。まだ若い子なので特にかわいそうに思いましたし、飼い主さんもかわいそうでした。最後に残された大切な時間をいかに過ごしていただくか・・・、見込みの低い治療を継続するのか否か・・・、究極の選択がそこにはあるのです。今回は午前中にお返しして14時ごろ自宅で苦しむことなくお迎えが来たそうです。『看取れてよかった』と言っていただけて帰してよかったと思うのですが、癌の末期など完治がない病気の場合、どうするべきか本当に困ってしまいます。完璧な選択は無いのでしょうが、飼い主さんも獣医師もお互いに手を尽くしてあげた、そう感じられることが大切なように思います。看取ることができる飼い主の勇気に感服しました。

時間外診療について

2006-01-12 23:18:22 | Weblog
私共の病院では、時間外の連絡先として携帯電話を利用していただいています。学会のため県外へ出張していたり、県内での様々な勉強会に参加していて獣医師が病院に不在の場合でも、全く連絡がつかないという事態はほとんど避けられていると考えています。すぐに電話に出られない場合は折り返しかけなおさせていただいています。これは院長がまだ駆け出しの勤務医だったころ、日曜の夜だったこともあり、勤務先の他の獣医師たちともうまく連絡がつかないという事態の中、患者さんである動物がどこの動物病院にも連絡がつかないで亡くなってしまった、という苦い経験をもっているからです。その事を知ったのは、翌月曜日に出勤して飼い主さんから連絡をもらった時です。勤め先の院長も出掛けており、携帯電話が普及し始めたころでした。それ以来、全く連絡がつかない事態は避けようと思い、開業してからは診察券に携帯電話の番号を載せました。たまに24時間対応だと勘違いする方もいて困るのですが、本当に困った時は利用していただいてもいいと思います。ただし
「1週間前からかゆいんですが・・・」なんていうのはだめですよ。

ボランティア活動

2006-01-12 22:45:29 | Weblog
私たちは通常の診療業務の他に、いくつかのボランティア活動にも関わっています。老人ホームへ伺って行なう『ふれあい訪問活動』、小学校へ伺って行なう『ふれあい訪問教室』、小学生への飼育指導・講演や新しい飼い主を捜す動物愛護協会の活動などがあります。どれも診療の合間をぬっての活動であり仲間たちとの役割分担がありますから、けっこうたいへんではあります。知識を高めたり技術を磨くことは当たり前に大切だと思いますが、それだけではいけないとも感じています。やはり他人様に喜ばれたいし、プロとして協力したいこと言いたいこともある。こういうことは、やはりお金の問題ではないのですね。HAB(ヒューマン・アニマル・ボンド:人と動物の絆) がそこに存在しているか・・・、これが大切なんだと痛感する機会でもあるのです。

いい加減・いいかげん

2006-01-08 19:21:49 | Weblog
私の恩師の教えで、診療していく上での信条の一つが、この『いい加減・いいかげん』です。ある意味での適正な加減は許されるが、いいかげんな診療は許されない、という意味です。実際、熱があるために風邪です、と検査もなしに断定されていて、調べてみたら白血病などというケースはけっして珍しくはないのです。なんでもかんでも難しく考えるのは良くないでしょうが、最低限の確認は必要かと思っています。動物たちは症状や苦痛を表現できないからこそ、検査による病態の見極めが重要である、と日々痛感しています。

動物の歯科治療

2006-01-07 20:10:16 | Weblog
この数年間、特に力を入れてきた分野の一つが動物の歯科処置です。駆け出しの新人獣医師だったころ、たまたまバイトで専門書の『歯科疾患と呼吸器疾患の関連』について和訳したことから興味をもって勉強を始めました。特に歯科疾患と全身性疾患との関係に強い興味をもっています。動物の歯科処置には常に全身麻酔が必要なので、ある程度のリスクが伴います。それでも口の中の痛みや口臭から解放された時の動物や飼い主さんの顔を見るたびに、がんばってよかったなあ、と獣医師の喜びを味わうことができるのです。まだまだ修業中ですが、素晴らしい先輩方(専門家)の指導を受けながら、経験を積み上げていきたい、と考えています。とにかく作業が細かいので、たいへんなんだよなあ。でも、好きな分野なのもまた事実なんですね。

藤原直哉・講演会

2006-01-06 20:45:11 | Weblog
今日の午後はお休みをいだいて、長岡市で経済アナリストの藤原直哉氏の講演を聞いてきました。O先生のお誘いで12月に日本動物病院福祉協会の講演会で拝聴し、すっかりファンになってしまいました。動物病院の運営の参考になったのはもちろんのこと、今後の生き方・価値観の変化等について考える機会になりました。何のために獣医師として働いているのか、今後いかに活動していくべきか考えて、明日からの診療に役立てたいと思いました。

専門医・大学病院との連携

2006-01-05 15:45:37 | Weblog
当院では、手に負えない症例や専門家の判断が必要な症例、専門的な設備が必要な症例が発生した場合は、獣医大学をメインにその分野の専門家を紹介しています。先日も脳幹という脳のたいへん深い部位に脳腫瘍ができていた犬を、大学病院で放射線治療していただきました。毎週車で東京まで日帰り往復で治療に通ったAさん、本当にお疲れさまでした。真の家族愛を見せていただきました。治療にはリスクも伴ったのに、よくやりぬいたものだと感激しました。元気になってよかったです。ここまでやれる時代が来たんですね。

スタッフ増強計画

2006-01-04 21:19:11 | Weblog
当院は、次年度に獣医師1名とトリマー1名を増員する予定です。獣医師は今いる筋師(すじし)先生に加えて1名増員して3名に、動物看護士兼トリマーは4名に、NARDアロマアドバイザーの資格を持つ鍼灸師が1名、在席して診療にあたります。院長が学会等で不在の場合でも、診療がつながるようにしていくための拡充です。各自の持ち味を活かして、『人と動物に優しい獣医療』を実践していきたい、と考えています。