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内視鏡での異物摘出・・・

2015-07-08 13:24:26 | Weblog
一昨日の夜、時間外の初診・急患で、人の靴下を誤食してしまったポメラニアンが来ました。
たまたま他の子の検査もあって病院にいたのですが、このサイズの犬が大人の靴下を飲み込むんだ・・・
そういう印象でした。

竹串のように尖っていたらできませんが、異物は吐かせて終わり・・・が大半です。
うちでは胃内異物をエコーで確認、トラネキサム酸を静脈内注射するとほとんど吐き出します。
前日も、ポメでリボンを食べてしまった子で同様の処置をしています。
催吐剤で胃液を3回吐いてくれたのですが、残念ながら靴下は出てきません・・・。
しかたないので入院として、昨日の午前中から内視鏡で摘出を試みました。

平井先生がやってくれたのですが・・・、

 胃内の靴下がでかくて、内視鏡の鉗子でつかんでも、なかなか引きずり出せない!

ようやく噴門(食道と胃の境目)を通過したら、今度は食道内から動かない・・・。
2時間格闘しても出てきません・・・。

本当はお腹を切って、胃切開したら早かったんですが、飼い主さんのご要望もあり、
なるべく腹切りしないでなんとかしようと奮闘しました。

平井先生と相談し、内視鏡の鉗子である程度牽引しておいてもらい、
外科手術用の長い鉗子を誘導しつかみ、なんとか引きずり出すことに成功しました。
普通サイズの鉗子は微妙にとどかなかったんですね。

今回使った鉗子は、長すぎてまず使わないので、お蔵入りしていました。
しかもどこにあるのかわからない!
(ベテラン看護師がいないと、どこにあるのか意外にわからないものなんです)

『野生の感?』で探し出し、うまいこといきました。

古いタイプのアリス鉗子で、人用でしょうかね、かなり長さがあるのです。
把持力がありながら、全体には鈍(スムース)な形状でまっすぐ、かつ長い、
この条件を満たすのは、この1本しかありえませんでした。
2本もっていたのですが、1本は何かの時に折れてしまい、今はカタログを探してもないのです。

ポメラニアンで、こんなデカイ靴下がよく通過したね・・・、
そんな印象でした。













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