日々の出来事

当院の出来事を紹介します

エンドトキシン・ショック?

2014-12-05 22:54:27 | Weblog
昨日、比較的簡単な外科処置をしたワンちゃんが、術後数時間して急に状態が悪くなりました。

術後数時間たった後に、縫合部からのじわじわとした出血が止まりません・・・。
術前検査では、凝固系を含めて大きな異常は認められませんでした。
しかし術後数時間で白血球数がほぼゼロになり、凝固系の明らかな異常が観察されました。
敗血症や全身性炎症反応症候群・SIRSや播種性血管内凝固症候群・DICへの移行が疑われました。
グラム陰性桿菌の感染によるエンドトキシン・ショックもありえましたが、どうもその可能性は低いようです。
原因がはっきりしないので、少々不安な状態で経過を観察しています。

あまりにも急な経過で、判断を下してからは早々に輸血を開始して抗生物質の変更を行いました。
夜から真夜中まで7時間くらいたって、ようやく出血が止まりました。
一晩寝ずの観察を続けた結果、今の状態は安定しています。

まだまだ油断できませんが、全力でお救いしたいと思って頑張っています。






あまり固いものをかじると・・・

2014-12-03 22:48:10 | Weblog
今日はダックスの肛門腺腫瘤の切除と、大型犬のワイマラナーで上顎第四前臼歯の破折歯2本を抜歯しました。

犬の歯並びは「鋏状咬合」といって、ハサミのように歯がズレた噛み合わせです。
獲物とって肉を切り裂き、飲み込むための仕組みなんですね。
ただ固いものを咬んだり咥えたりしてると、応力の関係で歯が欠けてしまう場合があるのです。

今回の抜歯は、やはり固めの棒状のおもちゃをかじっていたら、歯が欠けてプラプラしている・・・、
とのことで来院されました。
右は古い破折、左は新しい破折で、両方とも「平板破折」と呼ばれる状態でした。
場所も一番力がかかるとされている、上顎の第四前臼歯でした。

運良く歯肉の外に破折していれば、一般的には保存修復が可能です。
しかし、歯肉の中に向かって破折した場合は、抜歯が選択されます・・・。
今回は大型犬の平板破折に対する、分割抜歯でした。
心臓にエプスタイン奇形と呼ばれる生まれつきの異常もあるため、
麻酔は特に気を使いました。
なんだかんだと手間はかかりましたが、無事に終了できてよかったです。

固いものを咬ませておけば、歯の汚れが取れる・つかない・・・、
これは明らかに迷信です。
付いた歯石を「溶かす」との商品もネット通販等で販売されていますが、
全く効果はないと考えています。

基本は指やガーゼ、歯ブラシを用いた歯磨きです。
楽な道はない、のが本当のところであります。







元スタッフの結婚式

2014-12-02 23:46:33 | Weblog
11月29日に名古屋にて元スタッフ同士の結婚式があり、参列してきました。

うちにいた獣医師の大塚先生と動物看護師の市橋の結婚式でした。
大塚先生が名古屋のご出身ですので、地元での挙式と披露宴となりました。
当院からは私と家内、看護師・トリマーが3名列席して、祝福をお伝えしてまいりました。

私は新婦側のスピーチを任されました。
新郎側は、大塚先生の母校・東京大学の西村教授がスピーチしてくださいました。
なかなか盛大な披露宴で、名古屋の地域習慣も垣間見え、とても愉しく過ごせました。

前日入りして、午後からはこもってスピーチの原稿を詰めていました。
15分くらいのイメージで考えていたのですが、依頼の紙が出てきて

 「3分程度でお願いします」

と書いてあり、5分の1程度に話を圧縮するはめになりました・・。

まあ、確かに披露宴で15分も喋らせませんよね・・・。
何となくそのように思い込んでいただけなんですが。

結局なにをどうお話したのが、緊張していてよく覚えていません。
「お互いに本音で向き合えよ!」
そういう内容で話をさせていただき、「余計なこと」は言わないように努力したつもりです。

はてさて、どう受け取られたやら・・・。
娘を嫁に出したような変な気分です。
まあ、相手が大塚先生では勝てないですが。
おめでたい事なので、祝福の気持ちでいっぱいです。