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糖尿病のセミナー

2016-01-10 21:13:29 | Weblog
今日は午後から新潟市内で、

 「犬猫の糖尿病のすべて」

と題したセミナーに参加してきました。

講師は、東京大学の松木教授、
お世話になっている先生で、相変わらずわかりやすいご解説でした!
糖尿病の診断の裏にある見逃しがちな側面や、
管理上の注意点を解説していただきました。
職人技というよりは、いかに愚直に検査や治療を考えながらやり続けるか・・・、
内科の真骨頂であります。

この先生の講義は、いつも奥が深く、かつ現実のぶっちゃけ話が面白いです。
大学の動物病院という、二次医療の現場のリアルが伝わってきます。
東京・埼玉・神奈川の動物病院は、東大も含めて送りやすい環境にあります。
新潟からは、一番近い(行きやすい)大学病院が東京都内というのが現状です。
それでも簡単には行けないですね~。

私も駆け出しの時期に、東京の日本獣医生命科学大学で研修医をしていました。
大学病院の専門家に紹介するべきケースもたくさん診ていましたが、
中には誤診や勘違い・見逃しといったケースもあり、
獣医師の能力欠如のために、こじれてから紹介されてきた悲しいケースもありました。

私も開業してからは紹介する立場、紹介するべきケースを厳選してきました。
自分で診断・治療するべきケースの判断が、徐々にできるようになってきたのでした。
逆に診断で迷うケースは相談し、必要なケースを厳選して紹介していく・・・、
そうすることによって自分の臨床レベルが上昇してきた気がします。

松木先生は内分泌疾患や神経疾患の専門家です。
こういう立場の方に、診断や治療に関して相談するには、
ふだんの勉強や、それ相応のデータの蓄積が欠かせません。
いろいろ調べ、検討し、よくわからない微妙な部分を質問する。
「わけがわからんからとにかく質問」では、経験の少ない研修医と変わらないわけです。

恥ずかしくない質問ができるまでに、10年はかかった気がします。
未だに、苦手な分野では、低レベルな質問をしているのかも知れませんが・・・。
話をすれば、こちらのレベルはすぐにわかってしまうようです。
質問力とでもいうのかな。

セミナー会場で、今月の専門誌に掲載予定の当院の症例について松木先生とお話しました。
脳の髄膜腫がシスト(袋)を形成して脳が圧排されていたラブラドールで、
途中でシストが破れたためか脳の変位が改善してしまった極レアなケースの報告です。
脳の病理検査もしたわけですが、シストが自然破裂するケースは報告がないようです。
専門家は、その「レア度」がわかるんですね~。

こうやって揉まれていくことで、自分の臨床レベルが上がっていくのだと感じました。

























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