言葉の意味は難しい・・・

　診療をしていると、言葉の使い方がとても難しいと感じます。
特に医療関係の専門用語は難しいものが多いため、一般の方には噛み砕いて話すように努力しています。難しい概念をわかりやすくしようとするには、それなりの説明上の工夫が必要となります。たまに説明を始めてから相手が医療関係者と判明し、いきなり専門用語の羅列になる場合も体験します。
　当院は、必要な場合は必要な範囲の検査を手抜きをせずに行います。だからこそ詳細に患者さんである動物の状態が正確に把握され細かい調整が可能となるのです。難しい病気や珍しい病気が見つかる場合もあります。前回ご紹介した日本初の猫ヒストプラズマ症がいい例です。でも検査項目数が多いと、説明が複雑になってしまうわけですね。情報が多いと飼い主さんも混乱しますしね。
　なるべくわかりく説明しているつもりですが、その説明を中には悪く捉える方がいるので困ってしまいます。例えば猫のエイズ・・・。人間や犬には伝染しないですよと言っても、「先生は動物の見方だから本当のことを言わないんだ！（？）」などと勝手に悪く取る人が本当にいるんですよ。「血液の検査結果で微妙な数値の異常はあるけれどこれくらいは経過を見てもいいでしょう」と言ったら全てが正常値にならないのでは健康とは言えない、経過をみていいとはバカにしているのか！」、という方もいました・・。「血液検査の正常値の決まり方はですね、健康と考えられる動物をたくさん調べてその正規分布から・・・・」、ますますわからないでしょうね。
　検査値が全て正常値に入らないと気が済まない、なんでも簡単に理解できる説明をしてもらえると思っている・・・。確定した事実なのか、可能性の一つなのか・・・等。言葉は本当に難しいですよ！なるべくわかるように書いてお渡ししていますけどね。説明にも技術がいるのです。

受賞しました！

先週の土日に、タイで開催されたアジア獣医病理学会において、当院から麻布大学を経て発表された症例報告が、ポスター部門において最高位を受賞しました。日本初の猫ヒストプラズマ症の報告でありました。教科書的には日本には無いことになっていました。ひたすら真面目に診療しているからこそ見つかった症例でありました。また一つ、意味ある仕事をする機会に恵まれました。関係者各位に感謝・感謝であります。

ホームページのリニューアル

　ホームページのリニューアルを計画し、現在作成中です。
今のホームページは、開業した際に家内の親戚が独立のお祝いに作成してくれたものです。とても役に立ってくれましたが、移転して印象も変わりましたので、今回思いきって別のものに作り変えることにしました。
　作成会社の担当者は、当院の患者さんでもあります。若い頃、動物病院でアルバイトしていた経験があり、こちらが動物病院として言いたいことがスムースに理解していただけるので助かります。また一飼い主としてホームページを見た場合の立場に立って作成していただけているので安心です。
　熱く語りすぎずに、こちらの診療に対するイメージをお伝えできるよう、こころをくだいて作成中です。おそらく12月中か1月初めには稼動すると思われます。ご期待ください。

消化器癌の診断を血液検査で・・・

　今日のGoogleニュースや新聞で、金沢大の消化器内科が血液検査で消化器癌を高精度に診断する方法を開発したと報じられていました。獣医学領域では、まだまだ腫瘍マーカーや遺伝子レベルでの診断が現場では困難なので、素晴らしい仕事だと思います。
　今、入院しているワンちゃんは、苦労して胃のリンパ腫であることを診断しました・・・。嘔吐が長い間続き、血液検査では異常がなく、バリウム造影によるレントゲン検査でも軽微な変化しかなく、全身麻酔下での内視鏡で胃潰瘍がありました。内視鏡でバイオプシーした組織の病理組織検査では典型的なリンパ腫の形態ではなく、その組織を用いて遺伝子検査を行いようやくT細胞性のリンパ腫と断定されました。外科の適応ではないので抗癌剤を使いましたが、膵炎が併発していて難渋しています・・・。
　動物の医療でもできるだけ早く、血液検査だけでこういう難しい病気が診断できるといいなあ、と思います。もちろん治療法も革命的なことがおきて欲しいと願っています。

名札

以前、着けていた名札ですが、はずれたりして邪魔だとのことでやめていました。新人が入ったりして、飼い主さんに誰がだれだかわからない、という事態を避けるため、名札を復活させました。看護師の金子が上手に作ってくれました。