日々の出来事

当院の出来事を紹介します

今日は何の日・・・

2011-03-31 08:59:45 | Weblog
年度末ですね。
明日からは新年度、気分も新たに行きたいものです。

とはいえ、東日本大震災で避難されている方々、残らざるを得なかった方々、
支援の協力をしている方々、自衛隊やハイパーレスキューの関係者、
物資の輸送に尽力されている方々、
放射能を封じ込めようとしている電力会社や行政の方々・・・、

皆さんのことを思って、

 「助けあおう日本!」

復興を信じてがんばりましょう。
各自でできることを、小さくても一つずつやっていきましょう。

今日は、研修医の時にお世話になった、獣医大学の教授が定年退職をされる日です。
心から尊敬していた恩師が、大学から去ります。
もったいない・・・、と思っていますが、動物の検査会社に移動されるようなので、
当面はご指導いただけるようです。

 ちょっと、安心・・・。

この先生に、初めに基本を叩き込んでいただいたおかげで、今の自分があります。
うちの動物病院が、こうして診療して評価をいただいているのも先生のおかげです。
新潟で、この規模で、濃い内容の診療ができていること・・・、
これ自体奇跡的なように思っています。
先生には見守っていただきつつ、ただひたすらに自分が信じる診療をしてきました。
わからないことは、先生に教えていただいたり助けていただいてきました。

恩師の定年退職で、今回自分がすでに中堅どころにいる事を再認識しました。
私も先輩方からよい影響を受け続けてきました。
自分も、後輩によい影響を与える先輩でありたいものです。

O先生、本当にお疲れさまでした。
今までのご指導、ありがとうございました。
心から感謝しています。
明日から、また懲りずによろしくお願いいたします(?)












肥満細胞腫(パグ)

2011-03-30 11:51:47 | Weblog
長く面倒をみさせていただいているパグの老犬、
半年ほど「肥満細胞腫」という皮膚の腫瘍と闘病しています。

右の大腿部の尾側にしこりができて、徐々に大きくなり、
いまでは巨大なできものとして、ブラブラしています。
見た目にも少々かわいそうな状態です。

肥満だからなる病気ではなく、皮膚の内部にいる肥満細胞というアレルギーに関与する細胞が、
腫瘍化(勝手に増殖)したモノを肥満細胞腫と呼んでいます。
基本的に悪性なんですが、なぜかパグだけはその挙動が遅いようです。
他の犬種では、けっこう早く進行して命に関わるケースが多いです。
パグの肥満細胞腫だけは、経過が他の犬種とは異なることが知られています。

それでも悪性腫瘍であることは事実なので、徐々にではありますが弱ってきています。
つきあいの長い犬なので、なんとか穏やかに持って行きたいと願っています。
この家の方にとっては子供と一緒の立場なんですね。
とことんお話して、最善の道を捜してここまできました。
外科手術や放射線治療は、話し合った末に実施しませんでした・・・。

とことん付き合う、最善の道を模索する・・・、
うちの動物病院の基本方針なんですが、飼い主さんも真剣にがんばってくれています!



ありがとう…と言ってもらえるか

2011-03-29 16:45:15 | Weblog
昨晩、うちの患者さんから電話がありました。0時前でしたかね。具合の悪い猫がいる、その猫の飼い主はうちにはかかったことはない、息子の友達の家の猫だが時間外に診てくれますか…というお電話でした。

もちろんかまいませんよ、電話させて下さい…とお伝えしましたが電話がこない。かけなおしてみたら、その後連絡がつかないとのことでした…。

真夜中に振り回してすみません、先生ありがとう…と言って下さったので、それは仕方ないことですよ…と答えておきました。

この飼い主さんは息子の友達の家の猫をかわいそうだと思ってくださったのでありましょう。その後猫ちゃんがどうなったのか不明ですが、電話していらした方が、ありがとう…と言ってくれたので悪い気持ちはしませんでした。

真夜中に電話してきて、今やってますか?と言う人もたまにいます。こんな時間にすみませんとか、ありがとうって言ってもらえるか否かが、私たち動物病院にとっては、一番重要なポイントなんです。電話に出てくれてありがとう…これだけで私たちの気持ちとしては救われるのであります。

猫の虫歯(本当は虫歯ではない)

2011-03-28 09:26:57 | Weblog
今日は、猫の破歯細胞性吸収病巣(FORL)の処置があります。

俗に、「猫の虫歯」と言われている病変です。
確かに歯の表面のエナメル質に穴があいているように見えるので、一般に虫歯と同様だと思われているようです。
人の歯科医の方でも、そう思っている方も多いくらいなんですね。

獣医学的には、顕微鏡で歯を脱灰して顕微鏡で組織検査をすると、その違いがわかります。
ミュータンス菌(虫歯菌)が関与せずむしろ破歯細胞が活性化した結果、歯に穴があくようです。
いずれにしても処置しないわけにもいきません。

本人(本猫)は症状を言えないわけですが、おそらくある程度は痛いでしょう。
虫歯は犬ではごく稀に観察されます。
相当に稀な疾患です。
人とは全くこのあたりの事情が異なっているのです。

夜も避難所をチェックしてきました

2011-03-27 01:05:00 | Weblog
吠えるワンちゃんもいるようで、避難所である新潟市体育館の様子を見てきました。
21時ごろ伺いましたが、案外皆さん(ワンちゃん)静かにしていました。
吠えてしまう子も、環境に少し慣れてきたのかもしれませんね。

そのワンちゃんには、「動物行動学」を専門にしている獣医さんがアドバイスをしてくれています。
「問題行動」を正しく矯正するノウハウをお持ちの先生です。
通常の獣医療とは少し異なる分野の一つですね。
人で言えば精神医学や心療内科の分野でしょう。

私が獣医師になったころに芽生えて来た分野なのです。
最小限の知識はあるのですが、何しろ全く詳しくないので、感心してしまいます。
動物や飼い主さんへの「異なる視点」が必要なようです。
適切な方が関わってくれて百人力ですよ。

避難所である新潟市体育館の動物

2011-03-26 19:06:17 | Weblog
14時~、避難所になっている新潟市体育館に行ってきました。

皆さん、避難生活が長くなってきて、お疲れのご様子でした。
それでも動物を連れて来た飼い主さんは、他の方々に迷惑をかけないように、
最大限の配慮をされていると感じました。

動物愛護団体の協力などで、衛生用品やフードなどの物資はかなり揃っていると思います。
お腹をこわしたり、足に傷のあるワンちゃんもいるようですが、まあまあな状況で推移しているみたいです。

飼い主さんの一人とお話したら、避難生活のゴールが見えないことが最高に辛い・・・とおっしゃっていました。
そうですよね・・・、一ヶ月なのか二ヶ月なのかもわからない訳ですから・・・。
動物たちが飼い主さんを支え、飼い主さんが動物を抱え・・・、
現地では、人と動物の絆(ヒューマン・アニマル・ボンド)を強く感じました。


復興を信じて力を合わせよう

2011-03-25 16:24:16 | Weblog
いくつか取っているメールマガジンが、お休みになっていました。
震災後から電気の節約や回線の負荷軽減のために、配信中止となっていたわけですね。
今日から復活したものは、やはり震災後に関して書いているものが多かったです。

今、自分たちは何ができるのか・・・、考えて行動に移さなくてはなりません。
なぜだか、このつらい出来事は、日本人の皆が力を合わせて乗り越えられるような気がしています。
根拠のない事ですが、皆が暴動や略奪を起こさず、耐え忍んでいる姿をみれば日本は大丈夫なんだと思っています。

テレビを観ると、御家族を亡くされた方々や原発関連で避難をされた方々がたくさんおられます。
せつない話がたくさんあるのは、間違いない事実であります。
それでも私たちは心を前向きにして、この困難を乗り越えていかなくてはなりません。

自分たちができることを、今すぐ始めましょう。
節電でも節水でもいいのではないかと思います。
社会人として仕事を通じて貢献することも重要かと思っています。
時間はかかるのでありましょうが、復興を信じてお互いに助け合ってこの苦難を乗り切りましょう!


動物保護に使える義援金

2011-03-24 17:27:32 | Weblog
今日は昼の間に、新潟市獣医師会の総会がありました。

年度末でありますので、総会などの会合が目白押しです。
みずほ銀行の振込み問題などをニュースで見ていると、年度末は特にたいへんだなあと思います。
けじめの時期、卒業や就職の時期でもありますね。
桜が咲く日を、東北・関東が復興する日を信じてがんばりましょう!


総会では、東北関東大震災に関する義援金を獣医師会でも集めようという話になっています。
すでに個人的には、動物愛護協会などへ義援金を振込みしました。
今回提案されてきた義援金の話は、今後、動物たちや飼い主さんたちのために使っていただけるような主旨の義援金になるのだと思います。

新潟市に避難していらした動物たちの健康状態は、今のところ比較的良好なようです。
私は新潟市体育館を担当しています。
交代で訪問し、動物病院にいらした犬や猫には、割引対応でご協力しています。

扁桃炎・・・

2011-03-23 10:55:35 | Weblog
先週から喉の調子が悪く、右側の扁桃腺が赤くなっています。
喉が痛いのと、声が出ずらい場合があり、扁桃炎か・・・思っています。
火曜日にかかりつけのドクターから、抗生物質を出されました。

扁桃腺(医学用語では扁桃:へんとう)はリンパ腺の一種です。
口腔内や吸気で入ってくる病原体等に対する第一線の免疫防衛線ですね。
重要な臓器だと思っています。

私が子供の頃は、耳鼻科で扁桃腺を手術で切除してしまうことは、普通に行なわれていました。
最近では、どうしようもないくらいひどく化膿したりしなければ、安易に切除はしないでしょう。
これは虫垂炎、(一般に「もうちょう」と呼ばれていますが)、も同じです。
昔は安易にちょん切っていた。
今は、重要なリンパ組織として可能な限り温存する・・・、時代によって変わってしまうのです。

現代は、動物の医療でもCTやMRIなどの画像診断が進歩しています。
したがって、以前は解剖しないとはっきりしなかった病変が、はっきりしやすい時代になっています。
それでも初めは臨床症状から絞り込むわけです。
同じ症状を起こすいくつかの原因を疑ってかからないと、意外な所に病変があったりするものです。

家庭医として、つねに丁寧に全体を見渡す気持ちで診察しています。
適宜、専門家に意見を求めたり紹介したりもしています。
扁桃腺に慢性の感染があると、免疫介在性の疾患が起こる場合もあるそうです。
一つの臓器は、全身と常に関連しているものなんですね。

新潟市体育館の避難所

2011-03-22 12:22:25 | Weblog
昨日、避難所になっている新潟市保健所に伺ってきました。
県の動物救済本部が立ち上がり、17時からは動物愛護関係の方々と打ち合わせをしました。
福島県から避難されて来た方にご協力いただき、名簿の作成等を行いました。

お疲れの様子がはっきりとわかる方も数人おられました。
新潟市体育館の風除室部分に組み立てケージをおき、動物たちはそこでがんばっていました。
吠えるため、車の中に犬を置いているケースも数件あるようでした。

息子2人を連れていきました。
皆が困っている姿を見せ、避難してきた子供たちと遊ばせておきました。
かるたやレゴ・ブロック、サッカーボール等、子供なりに退屈しのぎになるものを持ち込んで、
提供してきたようでした。

長期戦になると、動物たちの健康管理も重要になってきます。
また動物を飼っていない避難者との共存の道を模索していく必要があります。
豊栄市の体育館は、ゲートボール場を動物と一緒にいられる避難場所として提供してくれたそうです。
地面の上にテントを張れば、動物と寝泊まりすることも可能だという話です。

動物がいることで、避難してきた方々の心が少しでも安定するといいな・・・と思っています。
一緒にいること、抱いていること、世話をする対象があることが、よい影響を及ぼせばいいですね。
他の方々、例えば動物が苦手・・・という人には一定の配慮をしていかねばなりませんが。
獣医師や動物愛護団体の人が、交代の当番で見回り、ご相談を引き受けることになりました。