日々の出来事

当院の出来事を紹介します

今年もお世話になりました

2010-12-31 18:50:47 | Weblog
本日、大晦日の診療も無事終了しました。
年越しの入院が数頭いますが、急変しそうな子はいないのは幸いです。
糖尿病や慢性腎不全で輸血した猫、避妊手術をした子などが入院しています。

明日も朝から、ホテルや入院の管理が普通にあります。
午後は時間を制限して普通に診療します。
スタッフの方々の協力を得て、交代で診療を繋ぎながら、
明日から心機一転、気持ちを切り替えていきたいと思います。

今年も多くの患者さんから勉強させていただきました。
また多くの専門家や仕事の仲間に協力してもらいました。
明日からまた、自分たちができる最善を尽くして、診療の臨みたいと考えています。

今晩は家内の実家で、家族が集合します。
昨年は雪の中、夜中の急患対応で年を越しました。
今年最後の夜は平穏でしょうか、嵐でしょうか?

来年の当院をどう運営していくか・・・、じっくりと考えたいと思っています。



恩人の死

2010-12-29 01:49:48 | Weblog
恩人がまた一人亡くなりました・・・。
私の臨床家としての姿勢を決めてくれた大恩人でした。
死にそうだった私を、生後9日目から面倒みてくれた小児科医が亡くなられたのです。

2010年6月30日、東京都三鷹市にあった阿部医院が閉院しました。
その最後の日の最後の時間に、獣医大学へ見学に出た帰りにお寄りしました。
先生は85歳、肝臓癌を患っておられました。
以前のブログにも書きましたが、今生の別れをし、お礼を伝えてきました。
形見に、机の上にあった辞書をいただきました。
この辞書で勉強して戦争を乗り越え、医師になったそうです。

この方に会わなければ、今、私はここで生きてはいませんでした。
獣医師になることもなかったでしょう。
常に患者と共にある臨床家としての姿勢を、背中で教えてくれました。
町の小さな小児科医院でしたが、私には命の現場でもありました。

母の水腎症を触診で見抜き、すぐに転院させてくれたあの瞬間は忘れられません。
具合のよくない母を触診し、腎臓が触れない、おかしい・・・、
エコー検査のできる病院を紹介され、腎臓らしいということで都立病院へ転院となりました。
破裂していれば万が一もあったでしょう。
患者をよく診る、適切に紹介する、一生勉強を続ける、
臨床家としてあるべき姿を実際に見せていただきました。

阿部公明先生、本当にお世話になりました。
先生の熱いハートは忘れません。
私も同じように生き、いつか同じように旅立ちたいと思っています。
その日までは、私も全力で患者を診ていきます。
生前にお別れできて本当によかったです。

「もう十分生きたし、治らんものは治らんよ!」
とおっしゃっていましたね。
先日、先生の死を知りましたが、私はメソメソしませんよ。
先生にいただいた恩義は、仕事で社会に返します。
先生に助けていただいた命を、最大限燃焼させて生きていきます。

これは何でしょう?

2010-12-27 20:36:24 | Weblog
これは何に見えますか?

大腿骨の粉砕骨折で手術をした猫ちゃんに数ヶ月間着けていた、創外固定の一部です…。今日、無事にはずすことができました。

体の外側に固定パーツがくるため、見かけ的には大がかりでグロテスクですね。しかし骨折の治癒機転には医学的に適した方法なんですよ。

費用負担の軽減と軽量化のために、骨に刺したピンを歯科の入歯に使うレジンで固めています。だから棒状の部分がピンク色なんですね!

今日、無事にはずせてお役御免です。よく持ちこたえてくれたね…と言ってあげたくなりました〓

CT

2010-12-25 20:02:49 | Weblog
脳の検査のため、CT撮影をしています。

眼振と斜頸のため、中耳炎や腫瘍の可能性があるため検査しています。

MRIでしかわからない病変もあるのですが、早さと料金を考えると、まずはCTであたりをつけるのは間違っていないと思います。

変な病変がないといいのですが!

気づくためのトレーニング

2010-12-23 23:57:37 | Weblog
スタッフの方々に、最近強いているのが、
 
 「自ら気づくこと」

です。

細かいことに気がきくか、気づけるか、を見ています。
視点が異なるせいなのか、私が気づく異常に気づかないスタッフもいるのです。

「細部にこだわる者に神は微笑む」
という話を伺ったことがありました。
細かい点をおざなりにする人は、大きな仕事はできない、
そういうことのようです。

パンフレットや床の汚れ、駐車場のゴミ、
ゴミの分別や捨て方、思いやりのある発現や笑顔など、
社会人としての常識(?)を教えています。

うるさい親父のお小言が続きます。
しかし、ゆとり教育の影響なのか・・・、
今の若い世代は仕事に気を使っていないように見えます。
言われたらするが、自ら気がついて動くことはない、ようです。

以前、若い方々の間で先輩から後輩へ教育してもらったら、
やはり上手くいきませんでした。
私の意図とは異なる指導になってしまった時期もありました。

今は、私が直接指導しています。
どこに気を使うのか、何に気を使うのか、どのような点にこだわっているのか・・・、
現場で直接指導していくようにしています。

なぜ、この仕事で満足してはいけないのか・・・、
なぜこれではプロとしてダメなのか・・・、
「直接」話して、意見交換をして指導していきます。

当院のクオリティを保つには、どうしても人材(人財)の育成が必要です。
あきらめないで、若い方々を指導していきたいと思っています。

床磨き

2010-12-22 18:56:24 | Weblog
スタッフブログに写真が載っています。
当院の光り輝く床を見てやってください。
昨日、専門の業者さんに一階の床をクリーニングしてもらいました。
スタッフもそれに伴って大掃除をしました。

午前中は不正咬合の犬の予約診療があり、昼からの大掃除となりました。
待合室のレイアウトを変更し、いくつかの掲示物や展示物の変更も行いました。

ブラックボードで、当院がオススメしたいお得な情報を掲示することにしました。
こういう作業は、女性は実に上手ですね。

近いうちに壁掛けの薄型テレビを設置します。
取り付け工事が近いうちに行われる予定ですが、固定の関係で延期になっています。
テレビはすでに届いているんですがねえ・・・。

待合室の雰囲気が、かなり変わりました。
一度見にいらしてください。

またまた見回り・・・

2010-12-22 01:42:20 | Weblog
10頭いた入院がかなり減り、少し楽になったと思ったら・・・、

また腎不全の猫が入院しました。

柳田先生が預かってくれ、検査を進めておいてくれました。
他院さんで検査と治療を受けていたようですが、改善傾向がなかったみたいですね。

先ほど見回りして、診てきました。
腎不全であることは揺らがないですが・・・、
貧血がないこと、検査値のわりに脱水が少ないこと、
血中のアンモニア値が高く、腎臓の萎縮がないこと、
尿検査で細菌感染がないことを考慮すると、
急性の腎不全、つまり糸球体腎炎などを疑ってしまいます。

もう少し検査を進め、経過を見守る必要がありそうです。
気が抜けない日々が続きます。
明日、エコー検査で当たりをつけます。

腎臓病は奥深い分野です。
人間の医療なら、十分一つの専門分野ですからね・・・。
勉強が追いつきません!

多摩動物公園

2010-12-19 10:01:41 | Weblog
先日、ある親戚の者が亡くなりました。

同業というか、東京の多摩動物公園で飼育の仕事をされていた方なので、
若い頃いろいろお世話になった院長・浅井です。
そんなにたくさんお会いしたわけではないですが、
動物に関わる仕事という点で共通した面があり、
多摩動物公園にも何度か見学に行かせていただきました。

動物園にいる動物は、犬や猫の家庭愛玩動物と異なり、
多くの特殊な飼育ノウハウがあります。
世話をする方も手探りのことが多々あったようです。
入手困難な動物種も多々あるようで、責任も重大なお仕事だったと思います。

生真面目に動物と向き合う事、それは他の命と向き合うことだと思います。
そういう気持ちは、動物の命を扱う仲間で継承されていくものです。

動物も人間も、ただただひたむきに生きること、
そしてただただ生きて亡くなっていく・・・、
生きた間に何を後世に残せるのか?

志や心意気のようなものを、その方から私は教わったような気がします。
私は関わった方々に、何かしらの心意気のようなものを残せるでしょうか?






鬼手仏心

2010-12-14 23:28:53 | Weblog
12日の日曜日に、新潟小動物臨床研究会の症例検討会を行いました。

「十二指腸乳頭癌により消化管穿孔を生じた慢性膵炎の犬の1例」

という題目で発表してきました。

雪が降るのも近い気配を感じる、院長浅井です。
今日は予約診療日でした。
白血病の猫が入院していて重症だったため、
結局、病院にいましたね。

発表させていただいた犬は、病理組織学的には、胆管癌でした。
肝外胆管癌ということです。

胆管の出口である十二指腸乳頭に、胆管癌ができることは、
ヒトでは十二指腸乳頭癌として認知されているそうです。
犬では報告がないようだ、と病理の教授がメールで教えてくださいました。

このワンちゃんは、膵炎という別の病気を管理中でした。
膵炎が急性に再燃悪化したと考えていましたが、
別に重大な疾患が隠れていたわけですね・・・。

わかったような気になってはいけないよ・・・、
と自らを戒め、同業の方々にも注意を喚起するため、
発表してきました。

なんでも治せるようなことを言うドクターが、時々テレビに出たりしています。
自信があることと、謙虚であることは、同時になくてはいけないと考えています。
自信がない先生には、患者さんが付いて来ません。
謙虚でなくては、医療はできません。

  「鬼手仏心(きしゅぶっしん)」・・・、

動物に医療を行うものとして、
外科手術を行うものとして、
ご家族と向き合う医療関係者として、

 鬼の手、仏のこころ

 を忘れないで仕事に取り組みたいと思っています。





お礼状いただきました

2010-12-10 19:21:43 | Weblog
先日、首の痛みで入院していたワンちゃんの飼い主さんから、お礼状をいただきました。

かなり元気になってくれたようで、こちらもたいへん嬉しく思いました。

遠方の方でしたので、毎日見舞いに来るわけにもいかず、様子を写真メールして飼い主さんにお伝えしていました。

看護師たちも、またこれが上手に撮影するのです。おやつを食べたりするシーン等を撮影して、飼い主さんに写メして喜ばれていましたよ。

時代の変化を痛感しています。