日々の出来事

当院の出来事を紹介します

不妊手術をしていなかったために

2008-11-23 13:09:40 | Weblog
最近、メスの犬猫で不妊手術をしていなかったために子宮の病気で来る子が多いです。赤ちゃんを取るかもしれなかった、というのは仕方ないと思います。猫で外に出ないから必要ないと思っていた、というのは獣医師の指導が悪かったか飼い主さんに知識が無かったのでしょう。いずれにしてもその代償はとても大きいものになりがちです。正しい知識を持って、なるべく早く不妊・去勢手術をしておくことが、健康管理上大切なのです。

脊髄軟化症…

2008-11-16 10:35:47 | Weblog
水曜日に後肢が急に麻痺してしまい病院にいらしたダックスフントがいました。CT撮影をしたりして椎間板ヘルニアを確認してその日のうちに手術を行いました。しかし脊髄の変色が認められ、脊髄軟化症というまずい状況が疑われました。あらかじめそういうことも稀にありますよ、と飼い主さんにはお話してはありました。しかしそれは命に関わる事態を示していました。今回手を尽くしたのですが、助けてあげることができませんでした。病態が重いのであって誰も悪くないのですが、手を尽くしても救えない命があるのも現実です。飼い主さんも獣医師サイドもつらい経験をしてしまいました。合掌

不妊手術の重要性

2008-11-12 00:15:37 | Weblog
不妊手術・避妊手術をしていなかったため、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍で来院する犬や猫が後を絶ちません…。初回発情前に早期不妊手術を行っておけば、相当に高い確率で回避できるのです。しかし現実には、正しい知識を持たない・持てなかった飼い主さんの犬猫はその代償を支払うことになってしまいます。また感覚の古い・あるいはサイエンスを無視した獣医師がいるせいか、不妊手術を受けに動物病院に行ったらしなくてよいと言われた…、そんな話も聞くことがあります。様々な価値観があることは認めますが、勘や感覚で医療をしたり受けたりしてはいけないと私は考えます。動物たちは自分の意見が言えないので、ご家族の方々は真剣に不妊手術に関して考えていただきたい、と思います。

根拠を得る

2008-11-10 00:48:09 | Weblog
今日、初診でいらした13歳の犬は子宮蓄膿症でした…。かかりつけだった病院では、食欲不振の原因は聴診だけで心臓が悪いせいだ、と言われていたようです。よく観察すれば解る病気もありますが、やはり最低限の証拠立て・確認は必要だと思いました。飼い主さんに納得していただくには、最低限の検査は絶対必要です。原因が単一である場合も多いのですが、大半は複数の要因が重なっています。診断ってそんなに安易なものではないことを痛感しました。

同窓会

2008-11-08 21:50:20 | Weblog
今日は診察をお休みさせていただき、午前中は大学院の発表会に参加、午後は大学の新潟地区同窓会に参加してきました。同窓会では、学生時代に所属していた研究室の教授に久しぶりにお会いできました。この先生に背中を押していただかなかったら、今の自分はないかと考えると、人とのご縁の不思議さを痛感いたします。20代の頃と今では、全く違う立場になっている訳で、将来が見えない学生時代と異なり、今はスタッフを率いる身です。時のたつのは早いものです…。

委託手術の成功

2008-11-04 15:00:17 | Weblog
 日本国内で、犬猫に心臓の手術を施せる獣医師はごく少数です。特に一時的に心臓を止めて体外循環を用いて行われる開心術と言われる方法は、行える病院が大学も含めて数ヶ所しかありません…。
昨日、名古屋の茶屋ケ坂動物病院さんにご紹介した、先天性心奇形の犬の開心術が無事に終わりました。体重3Kgの若いダックスフントでありました。心室中隔欠損症に大動脈狭窄を合併しており、難しい手術だったようですが、無事に乗り越えてくれたようです。放置した場合は、一年生きることは難しいと専門家に言われていたため、今回の手術となりました。リスクを承知で手術の許可を出してくれた、飼い主さんの愛情に脱帽です。