日々の出来事

当院の出来事を紹介します

ギプスが取れました!

2015-03-25 22:53:42 | Weblog
2月25日の朝、濡れた階段でスリップしたことで左足首を骨折していました。

3月24日に次男の卒業式があり、スーツを着たいという都合もあって、
整形外科の先生と相談し、ギプスを外してもらいました。
約1ヶ月ぶりの開放感で、はじめはむくみがありましたが、徐々に引いてきています。

おっかなびっくりで二足歩行もしてみました。
関節が固まってしまっているため、木馬歩行ですね。
アキレス腱が伸びません・・・。
ゆっくりなら二足歩行が可能です。

周囲の方々は、「無理をするな」「足を使うな」と心配してくれます。
しかし・・・、現在の整形外科における骨折治療の理想は、
 
 開けない・いじらない・すぐに使う

であります。

骨折のズレがひどい場合は手術による整復は必要悪であります。
可能なら、空気にさらさない・光を当てない・軟部組織を大切にする・・・
これらのルールを守る方が、圧倒的に早く治ることが証明されています。

手術するにしてもしないにしても、急性期が過ぎたら

 「なるべく早く使わせる」

これが基本です。
骨折部に、ある程度の負荷がかからないと、くっつこうとする反応が生じないのですね。

大昔は、「仮骨を作らず」「解剖学的にきちんとした形に戻す」
これが重要とされていました。
しかし現在は違います。
 
 「仮骨はできても問題なし」、「解剖学的正確さより、いびつでも骨の強度優先」

そういう時代です。

私が骨折したすぐ後に、歌手の吉川晃司がバイク転倒で同じ部位を骨折されたようです。
手術をした翌日にはコンサートを強行したと記事が出ていました。
気持ちがよくわかります。

 「骨折ごときで休んでられるか!」

風呂や階段など、かなり不便でしたが、ようやく普通の生活になりつつあります。

二本足で立った私の姿を見て、スタッフが院長痩せましたね・・・、と言いました。
運動できないし、松葉杖生活だったから、やつれたのかも・・・、

階段が自分で上れて、それだけでうれしいのが不思議ですね。













残念な経過・・・

2015-03-12 21:55:16 | Weblog
慢性腎臓病もちの老猫ちゃんが、歯科処置を乗り越えて入院していました。

術前検査でひどくはない・腎不全ではないけれど・・・、
そういうレベルでしたので、十分な対策をして治療に臨みました。
抜歯と歯石除去は無事に終了できていました。

術後管理のため、しばらく点滴のため入院していました。
今朝も診察して、血液検査の値も落ち着いていたので、午後の退院を決めていました。
しかし・・・、

私が私用で外出中の午後の診療時間の前に、つまり退院の直前に・・・

  「お亡くなり」になって看護師が発見してしまったのです・・・。

すぐに戻って確認しましたが、お迎えはきており、特定の原因は確認できませんでした。

とても馴染みの飼い主さんで、退院の話も出ていただけに、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
スタッフも何が問題だったのかはっきりしないため、モヤモヤが残ります。

飼い主さんがとても大切にしてくれていたことはよくわかっていたので、
動物の医療にかかわる者として、甚だ残念に感じています。








アトピー性皮膚炎にたいする減感作療法

2015-03-04 23:33:06 | Weblog
昔に習った、アトピー性皮膚炎に対する減感作療法・・・、
理屈は理解していたものの、あまりに面倒くさくてとてもやる気にはなれませんでした。
忙しい日々の中でやるには、あまりに煩雑すぎ、専門家の仕事だろうと考えていました。

しかし最近提案されてきた、新しい減感作療法は検査が陽性の犬にだけ実施する上に、
週一回で計6回で終了できるシステムなので、最近がんばって実施しています。

仲間うちでは、「そんなに劇的には効かないよ・・・」

と聞いていたのですが、なかにはすごくよく効いてくれた子も出ています。
少なくとも、全く効果が無かったな・・・というケースはないですね。
それ相応の改善効果は出ていると感じています。

何度も何度も皮膚病を繰り返す犬がいて、獣医師の頭を悩ませます。
種々の感染症や食物アレルギー、脂漏や湿疹体質など、原因が複合的で分析が難しいのが、皮膚科です。
それが動物病院の仕事のおよそ30%を占めていますから、皮膚病苦手では獣医さんはできません。

外科が好きな私は「一発全治」を目指すほうが性格に合っているんですが、
コツコツと理詰めでいく内科の典型である・皮膚科は案外深い興味をもっています。
「形成外科」的な視点で皮膚病を観察しているせいか、ごく普通の皮膚科の診たてとは違うと自覚しています。

研修医の頃に、初めて皮膚科を教えてもらった先生二人が、異なるタイプであったことが幸いしました。
コテコテの内科系皮膚科医の先生と、外科手術をするが皮膚科も診ている先生でした。
双方共通の概念もありましたが、やはり外科の視点がある先生はちょっと感覚が違っていました。

どちらがいいとか、悪いとかではないのです。
観察している目、解析している世界観が違うのですね。
未知な部分がまだたくさんあるのが皮膚科です。
専門家から「ニキビダニは培養できないから生態がよくわかっていない・・・」
と伺って、ちょっとびっくりしたことがあります。
また毛包で「ブドウ球菌がなぜ感染するのかはわかっていない・・・」
これも当たり前に考えていた身からすれば未解明・不思議です。

分からないことはわからない、とはっきり自覚して、できる「火消し作業」をやっています。
皮膚科はなかなか奥が深く、新型の減感作療法という新しい武器を手にできて幸いでした。
私の場合、わけがわからない場合はバイオプシーして病理の専門家の意見を聞いてしまいます。



骨折のその後

2015-03-04 00:15:36 | Weblog
左足首の骨折から6日たち、整形外科に再診してきました。

足先のむくみが悪化して、指の付け根に内出血が拡がってきたため、
ギプスを外して状況を確認しました。
レントゲンの再撮影では、経過は悪くないようです。

骨折に関しては、理想は(手術で)開けない、空気に触れさせない、光にもあてない、
が理想です。
ズレがひどい場合は手術で開けて、固定具で安定化させることも必要ですが、
ズレがなければ開けずに固定・安定化が一番治りが早いということがはっきりしています。

今回は、骨折線のズレがほとんど無いため、ギプスで固定しています。
それでも完治には2~3ヶ月と予想されています。
1ヶ月で骨は接合するんでしょうが、関節のリハビリや外傷の治癒までいれると、
そのくらいかかるかもしれませんね。

右足が大丈夫なので運転できることが幸いですが、
階段などの移動がタイヘンなので、しばらく不自由な生活が続きそうです・・・。