日々の出来事

当院の出来事を紹介します

消費税アップいろいろ・・・

2014-03-31 20:11:26 | Weblog
明日から消費税が8%にあがりますね・・・。

有効活用していただけることを念じつつ、その日を迎えることになりました。
診療終了後、看護師さんたちは受付パソコンの設定を調整したり、
貼り紙を新しくしたり、まだ残って仕事しています。

例年になく3月末に向けて、ノミ・ダニの予防やフィラリア予防剤を、
求めて来院される方が多かったです。
やはり駆け込み需要なんですね・・・。
 
   「どうせ予防はしなくちゃならないんだから!」

そういう方は早く来て、まとめて持って行かれる方が大半です。
(うちの場合、まとめ買いは割引特典がある)

それはそうと、病院の2階にある洗濯機が、3月中にたまたま二台とも壊れました・・・。
1ヶ月の間に人間用と動物用がいかれてしまったのです。
古い方は、移転前から使用していたので、8年くらい毎日働いてくれました。
「ご苦労様・・・」、そんな気持ちで(本当は駆け込み需要で?)入れ替えしました。

ホテルで3月末越えの場合はどうしよう・・・。
3月中の分は5%で、今日からの分は8%で、対応しようと思います。
となると具体的には、はてさてどうしたらいいんだろう?
あとは会計の担当者にお任せです!

私は会計できない・・・ですから。


















中断シンドローム

2014-03-25 21:38:11 | Weblog
私が「中断シンドローム」と名付けている状態があります。

今日は火曜日で、平井先生と看護師・櫻井が予約診療日を受け持ちました。
予約診療の最中に、何度も電話があったり、宅配便の人が来たり、
勘違い飼い主さんがアポなしで来院したり・・・で中断が何度もあったようです。

今朝は早朝に、「野良猫を捕まえたからこれから行っていいか?」
という電話が時間外専用携帯電話にかかってきました・・・。
その方にしてみれば、「ようやく捕まえた」、
だから今すぐに対応して欲しい、だそうです。
これも私にしてみれば、立派な中断・割り込みになります。

一気に集中してやってしまうほうが効率が高いのです。
しかし用件はそこに割り込んできます。
それをうまくこなしていくことができれば快感が発生しますが、
うまくこなせないと、すこくストレスがかかります。

電話してきたり、荷物を持ってきたりは、こちらの都合は関係ないですもんね。
私の師匠の教え:「飼い主が救急と判断したものが急患なんだ!」
これと同じで、中断している事態そのものは、こちらの流れを中断しているとは考えていません。
こちら側の受け取り方次第、なんですね。












原因不明発熱の鑑別診断

2014-03-17 21:57:29 | Weblog
しばらく前から診ている発熱が続くダックスフントがいます。

神経症状なのかな?とも思える歩行の異常も時々起きていたようです。
動画を拝見すると、神経疾患?と考えなくはない感じがしました。
しかも発熱があり、抗生物質の変更や消炎解熱剤にも反応がよくない・・・。
普通の先生ならステロイド剤を試してみたかもしれませんね。

頭の中では、複数の鑑別診断を考えて診療・投薬・検査を組み立てます。
見逃し、勘違いをしないようにするためです。
思い込みは誤診につながることを、転院症例で嫌というくらいみてきたからです。

猫の原因不明発熱だと、FIP・猫伝染性腹膜炎やトキソプラズマ症・腫瘍が上位にきます。
犬では、多発性関節炎(免疫介在性関節炎)や髄膜炎・腫瘍を考えています。
今回のケースでは、血液検査やレントゲン・エコーで判明するような疾患は否定していました。
関節穿刺を行い、多発性関節炎は除外していました。
そこで脳炎やステロイド反応性髄膜炎などを確認するため、MRI検査と脳脊髄液検査を依頼しました。

専門施設で検査してもらいましたが、MRIによる脳や脊髄の形態的な異常は検出されませんでした。
脳炎や髄膜炎は否定的でした。
それでも形態的な異常を生じない疾患もあるため、脳脊髄液の外注検査をして結果を待ちました。
今日、検査結果がそろい、トキソプラズマの抗体だけが陽性で帰ってきました。

トキソプラズマ症は原虫という寄生虫による感染症です。
血液検査での反応は全く信頼性がない、と専門家が言っているため実施していませんでした。
脳脊髄液の抗体陽性結果だけを完全に信じきるわけにもいきませんが、
現状では除外するために試験的な投薬をしてみるのが標準的な対応だと考えています。

おそらく脳炎やステロイド反応性髄膜炎等だろう・・・
と推測してステロイド剤を使用してしまうのは危険だったでしょう。
こらえて反応をみて、安易な投薬を避けて鑑別診断していく・・・、
内科の醍醐味だと思います。
もちろん患者さんの苦しみがやわらぐよう、でも間違った方向に行かないよう、
最大限の配慮をしつつ、診断を詰めていくのです。

原因が一つとは限らない場合もあります。
一例一例、異なっていることが多いので、思い込みを捨てて、診断・分析をします。
癲癇(てんかん)もやはり基本は除外診断です。
アトピー性皮膚炎も除外診断が必要です。
同じような症状を示す、他の疾患を除外する必要があるのです。
こういう組み立てが必要と感じられるところまでは、
自分がようやく成長してきたように感じられる今日この頃です。























わざわざご挨拶に・・・

2014-03-15 16:42:38 | Weblog
腎炎や免疫介在性貧血を併発し、先日お亡くなりになった猫ちゃんがいました。
手を尽くしたのですが、残念ながらお助けすることはできませんでした。
血液型が猫のB型で、輸血がかなわなかったことも悔やまれました・・・。

今日、飼い主さんがわざわざ挨拶に来てくださいました。
お菓子をいただき、お手紙を渡されました。
そこには、十分よくしてもらった、納得している、寄り添ってくれた、
そういうニュアンスの文面があり、動物病院のスタッフとしては、
たいへんありがたいお手紙でした。

辛かったであろうに、小さい子供さんも一緒に来てくれました。
前の動物病院で何か嫌なことを言われたことがあったのか、
お手紙の中で、こちらでは嫌な思いをすることが全くなかった・・・、
と書いてくれていました。

なんと、ありがたい評価でしょう。
一生懸命に尽くしたことがプラスに感じていただけたことは、
私たちの今後の診療の励みになるのです。







内視鏡を導入します!

2014-03-07 22:40:25 | Weblog
3月の後半に、本格的な内視鏡システムを導入します。

今までは、細くて高機能な内視鏡が無かったため、
必要な場合は仲間の動物病院に紹介か持ち込みをしていました。
しかし片道30分もかかるし、今日見たい!という場合に困ってしまうのでした。

エコーとは異なり、内視鏡は稼働率が低いのです・・・。
毎日使う機械ではありません。
おまけに動物の場合、全身麻酔下でないと挿入できません。
しかしどうしても必要な医療機器であることは事実です。

当院では、私が口腔から肛門までのトータルな消化器の内科と外科を得意にしています。
歯科・口腔外科・消化器の内科と外科・軟部外科を一生懸命にやっています。
眼科や整形外科は特に専門的な勉強をしていないので、
必要な場合は得意な先生や専門家の力を借りています。
もちろん常識的な検査や手術はしますけど。

口腔から食道・胃腸の疾患を、しっかり診療していくには必須の医療機器でした。
使用率から、本格的な内視鏡を導入することにためらいがありました。
しかし検討を重ねた結果、いよいよしっかりした機器を入れるべきだと判断しました。

CTやMRIはかなり専門的な特殊設備だと判断しています。
必要に応じて、他院さんの設備を利用していければそのほうが自然な気がします。
そうでないと何でもかんでもCT・・・そういうことになりがちです。

必要十分な身体検査➡血液検査➡レントゲン・エコー➡内視鏡➡CT/MRI・・・、
必要に応じて順番・ステップを踏んでいくことが論理的だと感じています。
急性大腸性下痢なら検便だけでいいのです。
慢性大腸性下痢なら、内視鏡検査が必要でしょう。

獣医さんは全科診療なので、毎日内視鏡・・・ということはあり得ません。
それでも日々の診療に必要な武器なのです。