日々の出来事

当院の出来事を紹介します

勉強会の調整

2009-05-31 20:21:44 | Weblog
いくつかの、同業者の勉強会・講習会の運営をお手伝いしています。
専門の情報を同業者で共有し、診療に役立てていくことは大切だと考えているからです。
私が築いたコネクションも積極的に活用しています。

ところが獣医師の中には全く勉強しない、講習会に出ない、そういう人も少数ですがいることも事実です。
そういう獣医師は昔の間違った考えを踏襲しており、新しい変化を知らずに診療しています。
また経験にあぐらをかいており、医学的な根拠を模索しないで、てきとうに治療していることが実情です。
独りよがりな診療をするタイプの獣医師に、その時代の常識を無視している人が多いように思います。
自分のやり方が絶対正しいのだみたいなことを発言して、他の先生や専門家の話を聞かない獣医師が本当にいます。
無知とは本当に恐ろしいものです。
動物の医療における専門家として、知らなかった・・・では済まされないことがたくさんあるんですね。
じゃあお前は何でもわかっているのか?と聞かれれば、特定の専門家にはかなわないのも事実です。
知らないこともまだまだある、と考えていれば自ずと謙虚な姿勢で診療に向き合うのではないでしょうか?
私の場合、勉強会の調整をしながら専門分野の先生方とおつきあいし、自分の患者さんをお願いしたりして、
結果的には、自分の実力以上の仕事ができるようになりました。

勉強会の調整は、ボランティア的な面が強いのですが、
地域社会全体での同業者の実力アップのためにがんばっています。
今後は真剣に勉強している動物病院と、「てきとう」にやっているところで歴然とした差が出てくることと思います。

多自然川作り

2009-05-29 23:07:58 | Weblog
「多自然川作り」という方法で、ドブ川を再生している話をテレビでたまたま観ました。
コンクリートで囲まれた直線的な生物の育たない川を、自然に近い形にすることで再生している内容でした。
川の氾濫防止という使命があったのでしょうが、過去の工事は実際には生物が共存できない、
単なる「水路」を作ってしまっていたのですね・・・。

敢えて蛇行させると、流れの速い部分と遅い部分が生じて、結果的に生物が棲みやすくなる。
そして生物により浄化が行われる。
氾濫は川幅をゆったり取れば、回避できる。
何より河原で、地域の方々が犬の散歩などを通じて交流が生じる、良いことづくめのようでした。
横浜の事例が紹介されていましたが、新潟の鳥屋野潟も是非再生していただきたいものです。
「水の都」を名乗るなら、エコロジーにおいて最先端であって欲しいと思います。
動物も自然環境の一つです。
動物の体も自然環境が凝縮されたもの、と見てもよいと感じます。

調和を取るために、医療の施し方、医療のあり方も今後変わっていくでしょう。
とはいえ現場では、勘や気分、実験的に診療することはできません。
確信というか理論があって、実績を積んで、実行してみて、初めて周囲の理解が得られるのではないでしょうか?
当院のロゴマークは、その自然(地球)との調和を象徴しております。
私のイメージを、プロのデザイナーに作ってもらったものです。
来院したら、入り口でよく見てみてくださいね。









行動学の勉強会(講習会)

2009-05-28 20:39:48 | Weblog
当院では、獣医師が交代で各種の勉強会に積極的に参加するようにしています。
今日は新潟市内で日本動物病院福祉協会の講習会があり、田中先生が参加してきました。
行動学といわれる分野の講習会で私は専門外ですので、内科を中心に勉強している田中先生に出ていただきました。
勉強ができることと、臨床ができることは同じではありません。
学問的には優秀でも、臨床家としては不適格な医師や獣医師はいくらでもいます。
最近は勉強会もたくさん開催され、本やDVDも多くなり、学習する機会は飛躍的に増えています。
柳田先生が持っていた外科の技術論の専門書を見せてもらいましたが、大変よくまとまっていて驚きました。
よい資料で勉強するチャンスがあるわけで、若い先生方は恵まれていると感じます。
私が何年もかけて習得したノウハウがしっかり書かれていて、うらやましく思いました。
ただ、それを現場ですぐに応用できるのかは別の問題なのです。
自分のものに会得するのは、修行が必要なのですね。
一生、勉強は続きます。
「一生勉強・一生青春」 (相田みつを)





開業するということ・・・

2009-05-27 21:15:29 | Weblog
今日の昼に、新潟市獣医師会の連絡会議が行われました。
狂犬病ワクチンの集合注射(外で打つ旧来からの行政サービス)等、
同業者で協力しないと遂行できない大きな仕事もあるため、年に数回の会議があります。
6月末に動物病院を新しく開業なさる獣医師Aさんが、今日の会議に挨拶にみえました。
大学の後輩にあたる先生ですので、がんばって欲しいと思っています。

開業する・独立するということは、ある種の覚悟が必要だと思います。
診療上発生する責任は、全て自分にのしかかってきます。
自分の臨床経験が、はたして十分なものか否かが、飼い主さんから評価されます。
自分の知力と能力の限界が、毎日のように他人様から評価され続ける世界です。
体調を維持しつつ、多少の無理をしないと信用が得られないでしょうね・・・。
そして周囲の同業者の協力がないと、正直よい診療は難しいと思います。
無い設備を借りたり、手術に協力してもらったり、意見を聞いたりできる関係は重要です。
助け合いの精神、切磋琢磨の精神ですね。

近々、「往診を専門で行う」という獣医師Bさんが、開業届を保健所に出すようです。
診療施設を持たないで往診のみを行なうそうですが、どう診療してどう「責任を持つのか」が試されます。
家族である動物に対し、本気で「往診獣医療のみ」を行っていくというのであれば、
それ相応な臨床経験が必要だと私は思いますし、実際その覚悟が試されることでしょう。
そして真に地域社会が受け入れてくれるだけのクオリティがあれば、継続していけることでしょう。
始めるだけならだれでもできます。10年以上継続し続けることこそがたいへんなのですね。

















湿疹って言われました!!

2009-05-27 01:28:25 | Weblog
先日、初診の老犬が診察にいらっしゃいました。親戚の方が亡くなって、行き場がなくなり引き取ったそうです。
お尻に異常があり、近くの獣医さんにいったら、「湿疹だ」とはっきり言われたそうです・・・。
でも、どう見ても肛門におできができているんですね。飼い主さんもそう考えている・・・。
「てきとう」「勘」、「気分」、「経験」もほどほどにしないと、まずい場合もありますよね。
診たての善し悪しは、医学的根拠(エビデンス)を求める姿勢と同様、医者のセンスそのものだと思います。
よく見たらわかる病気は、見逃してはなりません。

肛門にできるしこり(腫瘤)は、多くは男性ホルモンの長期暴露に関係したものです。
つまり去勢手術をしていないと、年齢を重ねてから生じてくる異常なのですね。
ちなみに人でよくある「痔」と言われる病気は犬には生じません。
犬では圧倒的に、肛門には腫瘍ができます。
良性の肛門周囲腺腫も多いですが、悪性の肛門周囲腺癌やアポクリン腺癌も頻繁に遭遇します。
他の腫瘍が肛門にできることもあります。
なお。腹腔内に残って降りてこない精巣(睾丸)は、将来悪性の腫瘍になる確立が極めて高いです。
早めに開腹して摘出しておくことを強くすすめます。

肛門の腫瘍は、若いうちに去勢手術を施しておくと、ほとんどできないですね。
ただ、多くの飼い主さんは知識が無かったり、「かわいそうだから」、と言って去勢しないのですね。
動物は、自分で治療を選択できません!予防にも行けません!意見や苦痛を訴えることはできないのです!
将来的に、十分なりうる病気は早めに予防しておくことが得策です。
家族なら、真剣に考えておきましょう。
当院では強制はしていませんが、去勢手術はする方向でご指導しています。
正直なところ、「また肛門の腫瘍が来た!」というのが本音です。
でも、そう簡単に決心つかないんだろうけど・・・








予約診療の時間枠拡大です!(通常料金ですよ)

2009-05-26 23:38:36 | Weblog
先日スタッフ会議で、最近の検討事項でありました「年中無休」体制の拡張について話合いました。
現状でも、完全に獣医師が不在となるいわゆる「お休み」「休診日」は、この数年感ありません。
院長か田中先生、筋師先生、大塚先生が留守を預かってきました。
入院患者さんや急患が発生しうる状況では、当院は地域で頼られる動物病院であり続けるため、
お互いに協力して、獣医師不在日がないように配慮してきました。
筋師先生が退職し、キャリア4年の柳田先生が着任しましたので、今後も年中無休が継続できることと思います。
誰かが学会等で不在になる場合でも、あるいは急に具合が悪くなったり家族に急病人が出た場合でも、
なんとかつなぐ方法を取っていこうと思います。

そもそも、獣医師一人で診療も手術も入院管理もして時間外も診る、ということ自体が不可能であり、無理があります。
とはいえ年中無休体制の維持は、確固たる意思があってやり続けていることです。
私にとっては極めて当たり前なことなのですが、「自分の患者さんは自分で診る」、これが原則でしょう。
子供の頃喘息持ちだった私ですが、かかりつけ医は一度たりとも時間外に診てくれなかったことはありませんでした。
地域で信用され、真に頼られる動物病院であり続けることは、獣医師はじめスタッフ一同の願いでもありました。

今まで火曜日は別料金での予約診療、日祝は午前中を休ませていただいておりましたが、
ご利用いただきやすくする目的で、

 7月1日からは、火曜日は(9時~12時/16時~19時)予約の上で「通常料金」での診療、
 日曜・祝日の午前中(9時~12時)も予約の上で通常料金での診療といたします。

早めに気づいた人は、予約すれば混雑を避けてゆっくり診てもらえる、ということですね。
ご利用ください。









二刀流

2009-05-25 01:47:40 | Weblog
この1年で、コンピューターの環境をWindows から Macに移行中です。
学生時代から勤務医の期間は、しばらくマックを(マクドナルドではない)使っていました。
当時のワープロが気に入らなくて、Wordがよくなったことをきかっけに、ずっとWindowsを使ってきました。
ただ学会に出かけると、医療関係者にはMacフリークが多いのですね・・・。
CTの画像解析ソフトでMacでしか使えないものがあり、久しぶりにMacに戻ってきました。
ワープロが格段の進化を遂げていました。快適です。グラフィックが美しいです。
Mac Book のキーボードもいい感じです。熱で手が熱くなったりしません。
今のMacは、Officeが使えて便利です。
問題はノートのくせに重いことです。はっきり言います、重すぎます。
だったら軽いMac Book Air を買えばよかったと言われそうですが、黒い筐体に惚れたのですね・・・。
こういう場合は、仕方ないですね。
現時点では仕事上の問題もあり、二刀流で使っています。
ときどき手が吊りそうになるのは、操作が違うから違うからでしょうか?
本人は、右ハンドルと左ハンドルの差くらいの認識ですが!



中谷彰宏氏の講演を聞いてきました

2009-05-23 23:44:39 | Weblog
5月22日(金)の午後、朱鷺メッセで作家である中谷彰宏さんの講演を聞く機会がありました。
ある会合のゲストとしての講演ですが、すばらしい構成のお話を90分間飽きることなく聞かせていただきました。
タイトルは「本質を極める」でしたが、仕事の本質は何かについて示唆に富んだお話でありました。
彼の著作は20冊ほど読んでいますが、短い言葉ではあるものの鋭く突いてくる文章が印象的です。
特に「レストラン王になろう」という本は、自分の運営する動物病院でのホスピタリティーについて、考えさせられる内容がたくさんあり、ボロボロになってバイブル的に本棚に鎮座しています。文書や語る言葉には不思議なパワーがあると思います。
人を励ますのも、不愉快にさせるのも、言葉の魔力でありましょう。
言葉の力、「言霊(ことだま)」という意味で、院長である私は勤務している獣医師や動物看護師たちに、語り続けなくてはなりません。動物病院としての理想を、プロフェッショナルとしての心構えを、語り続けなくてはなりません。スタッフ中から退職者が出ると、また語り始めなくてはなりません。しんどい時もあります。でもその努力を見返りを求めずに、ひたすら続けると自分に帰ってくるのだそうです。あきらめないで、感謝の気持ちをもって、出逢いを求め続けることが必要なんだそうです。納得・・・


勉強会

2009-05-22 01:39:46 | Weblog
 今日は、毎月三条市で行っている定例の勉強会でした。
発表の当番が当たっておりましたので、ある日本初の症例について発表してきました。
日本において猫での症例は初めてのケースなのですが、世界的にみても稀なパターンの症例で、
11月の学会で田中先生が正式な発表すべく準備中です。
そのため具体的な病名をここでは書けないことが私的には残念です。
学会での発表後に、公にいたします。
この症例の解析には、ある獣医大学の病理学の先生に甚大なるご協力をいただきました。
また飼い主さんご家族のご理解をいただきました。
かわいそうな経過に患者さんでしたが、病理解剖と検査により日本初の病気がみつかり、
こうして論文として残してあげることができたわけで、世界の獣医師が見る事ができるのです。
現在の臨床の最大限の努力を次の世代に繋げていくことが、われわれ獣医師の責務でもあります。

4月からの新体制

2009-05-21 00:41:17 | Weblog
 4月から柳田洋介先生が新しく当院の勤務獣医師として加わりました。
柳田先生は旧新津市出身で日本大学卒、神奈川県の動物病院で4年間勤務し、新潟に戻ってこられました。
これで当院には、獣医師が院長のほか3名在籍していることになり、今後は年中無休で動物の診療にあたってまいります。
 現在、予約診療日とさせていただいていた火曜日を、通常診療のできる日にするべく調整中です。
看護スタッフが確保でき次第、普通に開院していく予定です。
今はまだ公示していませんが、火曜日でも来てしまった方は普通に拝見しています。
当院は新潟市の中で、年中無休といえる体制で診療してきました。
それでもスタッフのお休みを考えると、週1回の調整日は必要だったのです。
しかし皆様のニーズはそれを許してはくれません。
火曜日でも入院は続きますし、ホテルもあるし、何より急患が多いのです。
大晦日も元日も診療してきた当院は、他の動物病院さんからつなぎの診療を依頼されることも多いのです。
獣医師一人で診療し続けていくことは、もはやうちの診療レベルでは無理です。
手術や術後管理、入院管理等、ワンマンクリニックはもはや限界が明らかなように思いますね。